日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

「苦手な形式の問題は、やらずに次へ進め」と言っても、一つ一つやっていかないと落ち着かないという人もいるのですよね。真面目さが徒となる…。

2024-06-21 08:17:20 | 日本語学校
曇り。

何となく「梅雨」が始まったかのような雰囲気。今日から、もしかして、「梅雨入り」かな。昨日も暑くなるとの予報だったのに、帰りには風がかなり強くなり、涼しささえ感じられた…。

「季節の変わり目は予測がしにくい」とは聞いていたものの、昨今のお天気は予測不能といった感さえあります。まあ、しょうがないかと明治時代のギャグ(「フグ」を食べた人が「フグ」にあたらないようにと、『天気予報、天気予報』と言った)を思い出したりしています。まあ、これも本当かどうか判りませんが。

「ひまわり」や「アメダス」のおかげで、予報がかなり正確になり、しかもピンポイントで予報できるようになったということから、予報にしたがった生活をするようになっていたので、それだけに、最近の「外れ度」が、不満を感じるべきではないと思いながらも、ええ!またぁなどと思ってしまいます。

まあ、「お天気様」のことですから、人間風情がとやかく言うことでなし、また言えることでもなし、「ああ、そうですか。できるだけお手柔らかにお願いします」と呟くのみ。またそういうのが、一番理に適っているのでしょう。

さて、学校です。

昨日、「二年生クラス(昨年の四月、七月、十月、今年の一月に入ってきた人達です)」で、「N2」「N3」「N4」の模試をしました。

一人、「読解」があまりに悪すぎるので、答案をもう一度注意して見たところ、「文法」でかなり点を取っていた。あれ、文法が判らないと言っていたのに…。これも「初級」からすぐに「Aクラス」に入れた頃のことで、あれから三ヶ月あまり、あれ以来、覚えるべきは覚えてきたのでしょう…ただ、「覚える」では済まないこともある。それがこの点に表れてきたのかもしれません。これも過渡期ですかね。

「単語」…覚えているのは書ける。「文法」…考えればこたえられる。でも、「文章」は、その文意がなかなか掴めない…。これは、「日本語」の勉強とは他の次元での話。これは時間がかかります。少しずつ、問題文を通して、背景などの説明を加えているのですが、それでも、多分判っていないだろうなと思われるのものも、少なくはない…。

とはいえ、「読む」のを諦めてもらっても困る。…判らないから、苦手だなと思ってもらっても困る。…「単語」や、「文法」はコツコツ覚えていきさえすれば、だんだんに点がとれるようになってきます、比較的短時間で。覚えればいいだけのことなのですから。真面目に学校に来て、授業を聞いて、宿題をして…を繰り返していれば、まあ、だいたいはうまくいくでしょう。ところが、「読解」はそうはいかない。

「読解」が苦手な人にはいくつか理由があるのでしょうが、この学生の場合は、おそらく「不器用」、要領の悪さが徒となっているのです。一つ一つ、問題文を順に見ていき、考え、答えを出していく…というやり方しかできない。いくら時間配分を教えても、一つ一つ前からやっていく。つまり、テストの最初にある「文法」問題から離れられない。難しいのは捨てろができないのです。憂~んと考えているうちに、どんどん時間は経っていき、「読解」文に入れない。多分、文法問題で苦しむ方が、「読解問題」で苦しむよりも楽なのでしょう。

もちろん、本番でなく、練習であれば、こういう「読解」問題の文章を、まず読みなれることが必要…だと、こちらは思っているのですが、人によっては、その内容が「重きに過ぎる」ということで、どこかに詰まって、うまく流れなくなっている。

「これも過渡期。こちらが焦ってはいけない。待たねばならぬ事もある…」とは思うものの、本番(試験)は二週間ほどでやってくる。

「年末にどうにかなればいい」くらいに思って、「Aクラス」に上げたのではないかと、繰り返し、自分で自分に言い聞かせてはいるものの、どうしても、結果が気になってしまう。

「小利口に立ち回れないのですよね。一つずつやっていってしまうのですよね。」という穏やかな気持ちから「おい、どんくさいぞ」といいたくなる気持ちまで、どうもこちらとしても心の揺れが大きすぎる。

まあ、かれ同様、真面目にやっているもう一人の女子はきちんと点がとれてきましたから、そちらを見て、心を落ち着けようとしています。やはり素直な人は伸びますね。

「苦手な『問題形式』は、やらずに捨てろ、時間を考えて先に進め」と言えば、「ああ、そうなのか」と素直に諦め、他の読めそうなものに取りかかれる。これも才能ですね。一つ一つローラーで潰していかねば落ち着かない人は、割を食ってしまう。時間が足りなくなってしまうのです。

一つの問題に取り組んでいるうちに、時間だけが無情に過ぎていく。一つに、5分も10分もかけてどうするんだと、こちらは焦るけれども、本人は何も感じていない…ように見える。そういうのは無駄だから、他をやれと言っても、…できない。怪訝そうな顔で私を見つめる。鬼の面かしらね、私。

思わず、「やらなくていいと言っただろう」と、答案用紙に文句を言ってしまう。判るけどね、真面目にやったことは認めるけれどもね…。

来週は「試験」はお休みで、再来週にもう一度、3回目の模試を行います。一つの問題ににへばりついて、一点取る(取れないことの方が多い)よりも、三つか四つの問題に取りかかって二点か三点、取ってほしいのだけれどもなあ…。…無理かなああ。

日々是好日 
コメント
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