晴れ。
先週の金曜日、香港経由でカトマンズへ行き、昨日の昼過ぎに戻ってきました。カトマンズは日本と3時間15分の時差があり、(カトマンズに)夜中に着いてしまいますと、翌日の仕事はかなりきつくなってきます。なにせ、翌朝も日本時間で目覚めてしまいますから。
それでも、予約していた五校の人たちの面接してきました。
学生達の様子を見ながら、彼等のレベルに合わせた質問をし、彼等が勉強をしている本の一部を読んでもらい、またその中にある問題を口頭で答えてもらいました。それに一人につき、だいたい10分か15分くらいかかります。やり方が、相手によって違ってくるのは当然のことで、これは無理だなと思われる人には、あまり時間を割きませんでした。相手にも悪いですし(変な期待を持たせてしまいます)、それくらいなら可能性のある学生に多くの時間を割いた方がずっと役に立ちますから。
初めは無理だと思われていても、ある程度の時間をかけて面談をしていますと、資質や勉強習慣の有無なども見えてきます。
どうにも理由がわからないけれども、嫌だな、だめだなと思われた学生がいたのですが、(ネパール人の先生の方に)聞いてみますと、選挙(ネパールではちょうどそのころ選挙があり、村や町に戻っていなければならなかったそうで)のため、その間、何週間か帰省していたとのこと。皆がそうだったようですが、その学生は、日本語が定着する前に帰省したのでしょう
それが、どうにも嫌な感じ(勉強を続けていない、勉強の場から離れている)を与えていたのでしょう。面接が終わって、皆でいるところを見てみますと、ごくごく普通のネパールの学生でしたから。
この五校のうち、初めて応募したいと来てくれたのは二校で、連れてきたのは、普通の人。多分、普通の日本語学校だったら、それくらいでも軽く「いいよ」と言うのでしょう。10課くらい、あるいはその前、7課とか、8課であったら、私たちとの会話は成立しません。選ぶことができませんから、選びません。つまり「不可」ということです。それでも、初めてだからといろいろ聞いてみましたし、問題もさせてみました。
既に半年ほどもやっているのに、既習事項もきちんと入っていないということは、これから真面目にするからと、いくら向こうの教師が言っても、信じられることではありません。
こちらの答えは「無理です」。私たちは勉強の習慣があるかどうかも見ているのですが、それが、どうも、向こうの教師にはわからないらしい。「本人が、これから真面目に勉強すると言っているから、いいでしょう」と再度頼みに来る。…こちらはこちらで、この人(相手の教師)は、こういうことも見えないのだなあと思う。
向こうがしっかり教えることができる人であったら、私たちが断ると、「ああ、やはり」という顔をする。わかっているからすぐに引き下がる。
他の三校は、今回で会うのが3回目ですから、今回は、こちらの要求に、ある程度応じた学生を連れてきてくれていました。
それでも、「三人よければ、一人くらいそうでなくともよいだろう」式の甘えはあるようで、これを、「付き合いがあるから」「前回、よく勉強する学生を紹介してくれたから」などと見逃してしまうと、来日後、最初に受け持った担任が、とんでもない目に遭ってしまいます(また、四回目、5回目にはもっとその数は増すことでしょう)。
本来なら、最初に(少しでも彼等を)受け持つ可能性がある教師が、面接をするべきなのかもしれません。「ひらがな」の導入(一応、自分たちの国でやって来てはいるのですが、問題点が続出です)から始まって、授業中の態度、授業後、授業前の予習、復習、宿題の提出などについても、また生活等についても注意していかねばなりませんから。
2回、3回と会っていても、そういうことは起こります。おそらく、回を重ねれば重ねるほど、甘えが生じる可能性は増していくことでしょう。「今回だけはこのレベルでも入れて。特別に頼まれているから」などと相手も言い、こちらも断れなくなってくるかもしれません。
経営を考えれば、入れざるを得ないこともあるでしょうが、現場にいれば、それは「だめ」です。他の学生が困ります。
そういう人は、大きな日本語学校の方に行ってもらいたい。勝手なようですけれども。学校の規模が大きくなればなるほど、絞り込むことは難しくなりますから、いろいろな人が入ってくることになります。ここは、小さい学校ですから、一人でも不法滞在者が出てしまうと、おおごとです。大学に行きたいと頑張っている学生達まで、不利益を被ってしまいます。
ビザの一年校から半年校になってしまうと、その手続きに、多くの時間が奪われてしまうのです。この学校は4期募集をかけていますから、「手続き書き」を、4回しなければなりません。
二年生は、ある程度は一人で書けますから問題ないのですが、大変なのは一年生。通訳として二年生に入ってもらっても、二年生にその国の人がいない場合、不安げに見られてしまうことになります。
「ごめんね。あなたたちが悪いと言うわけではないのだけれども、約束を守らないで、帰らなかった学生がいるみたいだから…」。実際のところ、私たちも誰が帰っていないのかわからないのです。
中には、アルバイトの給料が銀行に振り込まれるまで待っていた…だけという学生もいました。ビザが切れているのに、お金が振り込まれなかったので、それを待っていたのです。…そんなことで不法滞在になるとは思っていなかったので、私たちも注意していなかったのです。切れる前に帰る…が、約束でしたし、その前に、帰るからと挨拶に来てくれていましたから。
「どうして帰らなかったの」と、そういう学生に訊くと、「だって、お金をまだもらっていなかったから」と答えるだけです。ハアーッとため息をつきたくなるのはこちらの方なのですが。
「万引き」をしたら日本では警察の人が捕まえます。それを、ベトナムの学生はこんなふうに言っていました。中国人学生も、「そう、そう」と頷いていましたっけ。
「だいたい、警察を呼ばない」。
ふつう、「店の人や周りの人が捕まえて、先にリンチをしてしまう。だからとても大変」。「日本の警察は、捕まえてもひどいことをしない(…ひどいことというのは、殴ったり、蹴ったりのようです)」
だから、悪いことをする…で、あったら困るのですが。それでも、特に交番のお巡りさんは、親切であって欲しいですね。警察官を見ると、悪いことをしていなくても、逃げたくなるというのではなくて、困ったときに相談に行けるような存在であり続けてほしいもの。
以前、休みの時に具合が悪くなった学生が、交番のお巡りさんに、行ける病院を調べてもらったこともあったようですし。
日々是好日
先週の金曜日、香港経由でカトマンズへ行き、昨日の昼過ぎに戻ってきました。カトマンズは日本と3時間15分の時差があり、(カトマンズに)夜中に着いてしまいますと、翌日の仕事はかなりきつくなってきます。なにせ、翌朝も日本時間で目覚めてしまいますから。
それでも、予約していた五校の人たちの面接してきました。
学生達の様子を見ながら、彼等のレベルに合わせた質問をし、彼等が勉強をしている本の一部を読んでもらい、またその中にある問題を口頭で答えてもらいました。それに一人につき、だいたい10分か15分くらいかかります。やり方が、相手によって違ってくるのは当然のことで、これは無理だなと思われる人には、あまり時間を割きませんでした。相手にも悪いですし(変な期待を持たせてしまいます)、それくらいなら可能性のある学生に多くの時間を割いた方がずっと役に立ちますから。
初めは無理だと思われていても、ある程度の時間をかけて面談をしていますと、資質や勉強習慣の有無なども見えてきます。
どうにも理由がわからないけれども、嫌だな、だめだなと思われた学生がいたのですが、(ネパール人の先生の方に)聞いてみますと、選挙(ネパールではちょうどそのころ選挙があり、村や町に戻っていなければならなかったそうで)のため、その間、何週間か帰省していたとのこと。皆がそうだったようですが、その学生は、日本語が定着する前に帰省したのでしょう
それが、どうにも嫌な感じ(勉強を続けていない、勉強の場から離れている)を与えていたのでしょう。面接が終わって、皆でいるところを見てみますと、ごくごく普通のネパールの学生でしたから。
この五校のうち、初めて応募したいと来てくれたのは二校で、連れてきたのは、普通の人。多分、普通の日本語学校だったら、それくらいでも軽く「いいよ」と言うのでしょう。10課くらい、あるいはその前、7課とか、8課であったら、私たちとの会話は成立しません。選ぶことができませんから、選びません。つまり「不可」ということです。それでも、初めてだからといろいろ聞いてみましたし、問題もさせてみました。
既に半年ほどもやっているのに、既習事項もきちんと入っていないということは、これから真面目にするからと、いくら向こうの教師が言っても、信じられることではありません。
こちらの答えは「無理です」。私たちは勉強の習慣があるかどうかも見ているのですが、それが、どうも、向こうの教師にはわからないらしい。「本人が、これから真面目に勉強すると言っているから、いいでしょう」と再度頼みに来る。…こちらはこちらで、この人(相手の教師)は、こういうことも見えないのだなあと思う。
向こうがしっかり教えることができる人であったら、私たちが断ると、「ああ、やはり」という顔をする。わかっているからすぐに引き下がる。
他の三校は、今回で会うのが3回目ですから、今回は、こちらの要求に、ある程度応じた学生を連れてきてくれていました。
それでも、「三人よければ、一人くらいそうでなくともよいだろう」式の甘えはあるようで、これを、「付き合いがあるから」「前回、よく勉強する学生を紹介してくれたから」などと見逃してしまうと、来日後、最初に受け持った担任が、とんでもない目に遭ってしまいます(また、四回目、5回目にはもっとその数は増すことでしょう)。
本来なら、最初に(少しでも彼等を)受け持つ可能性がある教師が、面接をするべきなのかもしれません。「ひらがな」の導入(一応、自分たちの国でやって来てはいるのですが、問題点が続出です)から始まって、授業中の態度、授業後、授業前の予習、復習、宿題の提出などについても、また生活等についても注意していかねばなりませんから。
2回、3回と会っていても、そういうことは起こります。おそらく、回を重ねれば重ねるほど、甘えが生じる可能性は増していくことでしょう。「今回だけはこのレベルでも入れて。特別に頼まれているから」などと相手も言い、こちらも断れなくなってくるかもしれません。
経営を考えれば、入れざるを得ないこともあるでしょうが、現場にいれば、それは「だめ」です。他の学生が困ります。
そういう人は、大きな日本語学校の方に行ってもらいたい。勝手なようですけれども。学校の規模が大きくなればなるほど、絞り込むことは難しくなりますから、いろいろな人が入ってくることになります。ここは、小さい学校ですから、一人でも不法滞在者が出てしまうと、おおごとです。大学に行きたいと頑張っている学生達まで、不利益を被ってしまいます。
ビザの一年校から半年校になってしまうと、その手続きに、多くの時間が奪われてしまうのです。この学校は4期募集をかけていますから、「手続き書き」を、4回しなければなりません。
二年生は、ある程度は一人で書けますから問題ないのですが、大変なのは一年生。通訳として二年生に入ってもらっても、二年生にその国の人がいない場合、不安げに見られてしまうことになります。
「ごめんね。あなたたちが悪いと言うわけではないのだけれども、約束を守らないで、帰らなかった学生がいるみたいだから…」。実際のところ、私たちも誰が帰っていないのかわからないのです。
中には、アルバイトの給料が銀行に振り込まれるまで待っていた…だけという学生もいました。ビザが切れているのに、お金が振り込まれなかったので、それを待っていたのです。…そんなことで不法滞在になるとは思っていなかったので、私たちも注意していなかったのです。切れる前に帰る…が、約束でしたし、その前に、帰るからと挨拶に来てくれていましたから。
「どうして帰らなかったの」と、そういう学生に訊くと、「だって、お金をまだもらっていなかったから」と答えるだけです。ハアーッとため息をつきたくなるのはこちらの方なのですが。
「万引き」をしたら日本では警察の人が捕まえます。それを、ベトナムの学生はこんなふうに言っていました。中国人学生も、「そう、そう」と頷いていましたっけ。
「だいたい、警察を呼ばない」。
ふつう、「店の人や周りの人が捕まえて、先にリンチをしてしまう。だからとても大変」。「日本の警察は、捕まえてもひどいことをしない(…ひどいことというのは、殴ったり、蹴ったりのようです)」
だから、悪いことをする…で、あったら困るのですが。それでも、特に交番のお巡りさんは、親切であって欲しいですね。警察官を見ると、悪いことをしていなくても、逃げたくなるというのではなくて、困ったときに相談に行けるような存在であり続けてほしいもの。
以前、休みの時に具合が悪くなった学生が、交番のお巡りさんに、行ける病院を調べてもらったこともあったようですし。
日々是好日