日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

「桜」。「歳の長けた就学生」。

2010-03-31 11:57:24 | 日本語の授業
 近所の「シダレザクラ(枝垂れ桜)」が満開になりました。道行く人達は、そのお宅の見事な「シダレザクラ」を見上げては、ため息をついたり、微笑んだりしています。この「桜」は、東京でよく見かけられる「ソメイヨシノ(染井吉野)」とはまた違って、色もかなり濃いのです。とはいえ、公園の並木の「桜」はまだまだ固い蕾。今年は、「花の雲」は見られそうにありませんから、せいぜい楽しんでおきましょう。

 今朝、若い先生が学校に来て、途中で出会った学生のことを話してくれました。彼はこれから千鳥ヶ淵に行くつもりだったようで、「まだ早い。今行っても、『二分咲き』か『三分咲き』くらいだ」と言ってやると、では「新宿御苑」にしようかと腕組みしていたそうです。

 「新宿御苑」には、何種類もの「サクラ(桜)」があるので、早咲きのものはすでに咲いているでしょうし、それに、いろいろな種類の花木が植えられていますから、「サクラ」に拘らなければ、他の花木を楽しむという手もあります。けれども、もし「サクラ」というのであれば、一番いいのは、やはり今週の日曜日に「お花見」に出かけることです。そして、一人では行くのではなく、お友達を誘って、みんなでお弁当をもって行ってみてください。日本人の習性というものもわかって、面白いですよ。

 さて、今年の卒業生たちも、いよいよ大学のオリエンテーションなどが始まり、学校へ来る暇がなくなってきました。「(卒業して)寂しい、寂しい」と言っていた学生達の「(当座の)寂しさ」も、直ぐに忙しさに変わっていくでしょう。みんなが「楽しい、楽しい」と言って、大学や大学院、専門学校へ行ってくれるのが、(私たちにとって)一番うれしいことなのですが。たとえ難しい学問であろうと、それを学びたいと言ってその大学を選んだのですし、そのために勉強して来たのですから。それに、大学へ進めば、同じ学問に興味のある友人が出来ます。その人達と常にその学問に関する話をしていれば、日本語の上達の進度も日本語学校にいた時とは比べものにならないくらい速くなります。自分ではわからなくともそういうものです。基礎(一級レベル)は、ここでしっかりと勉強しているのですから。

 さて、こういう勉学に励み、他のことではほとんど問題を引き起こさなかった学生達が卒業してしまうと、早速、引っ越しやらアパートやらの問題が生じてきました。やはり、これも学生の「質」の差でしょうか。勉強に集中し、アルバイトにも頑張っている学生達は、そのほかのことには、あまり欲を出しません。日本語学校で勉強するということは、彼らにとっては通過点でしかないのです。そのために無駄なお金を使おうとは思わないようです。

 しかしながら、大学や短大を出て、しかも年齢もすでにかなり長けている人たちにとっては、そうではないのです。高校を卒業して直ぐの人たちのように、「今、頑張っておけば、後でいい大学に入れる。そうすれば好きなことが勉強できる」とか、「今は我慢の時だ。大学に入れば、本を買ったり、アパートを捜したりしてお金がかかるから」とかは考えられないようなのです。

 今(日本語学校で勉強している時)も、「適当に楽」で、「適当にいい暮らし」をしたいと考えているのでしょう。高校を卒業したばかりの学生達には、「今は我慢しておくんだよ。勉強している人たち(つまり、学生)は、お金がないのが当たり前。お金がない時は、いい部屋に住みたい(当然、部屋代も高くなります。その他にも、光熱費や水道代など、いわゆる生活費は必要です)とか、贅沢をしたいとか言ってはだめだよ。そういうことは、自分で稼げるようになってから考えなさい」というのが通じるのですが。

 以前は、中国人でも、年齢が高い方が我慢ができました。ところが、中国も変わって来たようですね。高校を卒業して直ぐの学生達の方が、「大学へ行きたい」という気持ちが強いのです。頑張りがきくのです。

 この学校では、勉強する学生が欲しい。だから、日本での暮らしを「リッチに」「適当に」過ごしたいという学生には、あまり適しません。非常に適しません。

 それから、ルールを守らない学生にも適しません。「私たちはこうだ」は、この学校では通じないのです。日本のルール、これは、法律上は罪ではなくとも、モラルが問題になるのです。「自分達のところはこうだ」で、とんでもないことをやるような学生は、来てもらいたくないのです。

 高校を出たばかりの学生達には、「いいこと」と「悪いこと」が直ぐに伝わるのですが、中国で、すでにおかしな習慣がついている、年の長けた学生たちには、難しいですね。私たちから見ると、どうしてこんな学生達が来てしまったのだろうと思ってしまうのですが。

日々是好日
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