晴れ。
日一日と寒くなってきているような。やはり「秋なのか、夏なのか、冬なのかわからないような」変な「季節」は終わったようですね。
さて、昨日は、三回目、最後の「模擬試験」でした。今年の「A・Bクラス」は、ベトナム人がいるにもかかわらず、(クラス全体としては)ヒアリングの点数が高く、「読解」で、ガックリきていても、「聴解」で生き返るようなところがあったのですが、どうも昨日のテストでは違っていたようです。
「聴解」の点数を見て、「エー、どうして…。どうして、こんなに悪いの????」。とは言っても、今日、クラスにいけば、みんな、ケロッとした顔で迎えてくれるでしょう。返却しても。
どうも、このクラスの人達は、(点数に)欲がなくて、「もう『N3』に合格できたから、それでいいの…ホッホッ」みたいなところがあるのです。
とはいえ、昨年の12月に、半数ほどが「N3」に落ちたときには、さすがにショックを受けていたようでしたが。この七月に、そのショックを受けていた人達が「N3」に合格すると、みんなが「これで、みんな一緒だね。よかった。よかった」的になってしまい、クラス全体がほのぼのとした雰囲気に…。
昨年の10月に来た学生は、7月に「N3」に合格した後も、そういう雰囲気に呑まれることなく「N2」を目指して頑張っているようですが、その他の学生達は、いまだに「ほのぼの」としています(幸せムードいっぱい)。叱咤激励せねばならぬこちらにしても、なんだか、言うのが悪いような感じになっている。言えばいうほど、「無理解な」私が(彼らの)幸せをぶち壊しているような感じになってくる。言ってしまうこちらの方が罪作りをしているかのよう。…悪い意味で日本的だなあ。
「出る杭は打たれる。だから出ない。みんな同じだから、平穏無事でやっていける」
もちろん、日本でやりたいことがはっきりしている学生は、そういう雰囲気とは全く別に、「我が道を行く」でやっているのですが、なにせ、大半が、そういう「まあ~いいか」的なのです。
今は、私らにしても、「もうちょっと頑張ろうねえ」と気弱げに旗を振るくらいなのですが、向こうは、へへへへへ…で、のれんに腕押し、糠に釘…しょうもない。もう少しでもいいから頑張ってくれないかなあ。しかも既に専門学校に決まった学生が二名いて、「終わったあ」で、ニコニコ顔。専門学校に行っても、タラタラしていると、就職の時に大変だよ…そう言っても、なぜ数年も後のことで急かすの。せんせい、大丈夫だから」とたしなめるような目つきで見られてしまう…はあ。
大学進学を目指している学生にしても、中には、これまでずっと、誰かに面倒を見てもらってきたゆえにか、のんびりと構えている人もいて、「少しは、自分で考えろ」なんて叱られている。
本当に学年によって…というか、この学校では、入学が四期ですから、クラスによって本当に雰囲気が違います。それなりに普通の気分で授業ができるのは、「Cクラス」くらいかしらん、今は。
10月から始まった「Eクラス」は、二ヶ月が過ぎ、少しずつこちらのやり方に慣れてきているので、前のように、目を三角、四角にして授業をせずともよくなってきています。昨日、初めて席替えをしたのですが、思ったよりもうまくいって、まずはいい傾向。本当は少し予定と違ってしまったのですが。
一人の女子が言われた席の一つ右に座ったのです。それがいかにもうれしそうだったので、「向こう」とは言えなかった。すると、並んだ三人、まるで女子会みたいになってしまって、キャッキャッとうれしそう。今までは二列目だったので、訊きたいことも訊けなかったのかもしれません。
この三人、急に子供っぽくなってしまって、「これはどう書くのか」とか、「この意味は何なんだ」とか、あれこれと質しを始めた。前列には男子二人をおいたのですが、後ろになった男子が一人、「目が悪いので、前列にしてほしい…」。すると、前にいた男子がすぐに替わってくれた(この人は前でも後ろでも大丈夫)。もう一人、前にした男子は、ちょっと油断ができないので(私を避けよう、避けようとしている。放っておくと何もしない)前列に。
この彼。昨日は電車を乗り違えて、浦安まで行ってしまい、遅れて来た。で、見ると、前の席がしっかりと空いている。「はっ?私はどこに座るの?」。私「ここ」。その時の「ゲッ」という顔は面白かったですね。みんな大笑い。みんなもよくわかっていたのですね。
もう一つ、この乗り違えたという話には「落ち」があって、その連絡を先に受けた同国の男子。「○○さんは『うるさい』」。聞いた私は、「そうか。『うるさい』から、電車を下ろされたのね。で、遅れるんだ」。「違います。電車。『うるさい』」。「そう、○○さんはうるさいんでしょ」。すると、なぜか、他の留学生の方が彼の言わんとするところがわかって、「先生、『うるさい』じゃない。『うらやす』」。
「乗った電車が急行だったから、浦安まで行ってしまい、今、引き返すべく次の電車に乗っている」と言いたかった…んだ。「そうか、○○さんはうるさいからね」。繰り返すと、またみんな爆笑。
息せき切ってやってきた彼。同じように、「先生『うるさい』」。「もうわかりました。『うるさい』ですね」。「はっ?」。すると、みんなで「うらやす」
まだ『みんなの日本語』の「21課」ですからね。そりゃあ、言い間違えることも少なくないし、言いたいことが言えないと言うこともよくある。それを助け合って、私に説明してくれたのがありがたかったし、それをみんなで笑えたのもよかった。乗り間違えた本人からしていかにも楽しそうだったし…本当は焦ったでしょうね。また睨まれると思って。
10月から始まった「Eクラス」も、「横浜」へ一緒に行ったことがきっかけとなって、より親しくなれたようです。
日々是好日