日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

ベトナムに帰った卒業生が、会いに来てくれました。ベトナムでも会う予定です。

2018-10-03 08:35:30 | 日本語学校
曇り。

雲が出てきました。秋雨前線の所以かな。それとも「台風25号」が、もうこの地にも影響を及ぼしているのかな。

この雲も「鰯雲」というか、「鱗雲」というか…。子供のころ、習ったばかりの、この秋の雲の名前を友達としきりに口にしていたものでした。…楽しかった。

「羊雲」と、これらの雲の違いなんて、感覚的なものでしかなく、大きめだったら、「ヒツジ」小さめだったら、鱗みたいだから「さかな」と、単純に騒いでいただけでしたが。

春と秋は、とかく空を見る機会が増えるようで、それは子供でも同じこと。大人になると、その「空」が、往々にして「夜空」となってしまいがちなのですが、それでも、通勤時、信号で止まった時など、朝の空を見上げてしまいます。

秋といえば、「台風」というのは、ちょっと嫌ですね。もう「嵐」とは言えませんもの。「ススキ(薄)」や「ハギ(萩)」が強風に煽られて、身をくねらせている様はそれなりに「風雅」なものですが、それが台風になり、いろいろなものが飛んでくるとなると、もう、いただけません。

学校の「キンモクセイ(金木犀)」の花は、先週ごろか、既に咲いていたようで、この花を見るたびに「これは何の花ですか」と訊きに来た内モンゴルの学生のことを思い出します。

一人ならず、内モンゴルの学生達は、特に、樹木に関心があったようで、「モミジ(紅葉)」の葉の紅葉や、あるいは他の木々の「黄葉」、また「木の花」にも強い関心を持ち、「(木に)大きな花が咲いている!」と横浜などの地に行った時には、わざわざ言いに来たものでした。

南国で、雨の多い地から来た人達にとっては当たり前のことで、驚かれることに、却って驚いていたようでしたが。

さて、昨日、3,4年前に卒業したベトナム女性が訪ねてきてくれました。毎年、数回来日し、北は北海道、南は九州まで、二十日間ほどをかけて、走り回っているそうで、今週末に帰国できると、疲れを見せながらも、ホッとした表情で、言っていました。

日本の会社から数倍の給料を示されていても、やはり母国で働きたいそうで、ちと残念。

とはいえ、彼女のように責任感があり、強く、賢く、優しく、自分を失わない人は、どこにいても、大切にされることでしょうから、あとは自分の気持ち次第。やはり自分の国が一番いいのでしょう。考えてみれば、だれしも同じことですね。

いとこを留学させたいということで、少し話したのですが、目の下にうっすらと隈ができているのを見ると、これからキャリーを引いて川口にまで行かねばならないという彼女を引き留めることもできかね、早々に話を切り上げました。

新幹線での移動も、「こだま」ではなく、「ひかり」。経費節減のおり、というか、かなり厳しいのでしょう、日本はベトナムに比べれば、物価が高いのです。

日本にいれば、ずっと楽に数倍稼げるのになあと思いながらも、「ずっと、お弁当しか食べていない。早く帰ってお父さんの料理が食べたい」という彼女の思いは、多分、私たちが思っているより、ずっと強いのかもしれません。

今年の四月生は、ネパールの学生も『みんなの日本語』1冊目は終え、2冊目の途中まではしっかりと勉強していました。漢字もそれなりに勉強してきているようで、1年前の学生達の時のように当惑させられることはありませんでした。

ベトナムの学生は、2、3年ほど前から,『みんなの日本語』Ⅰ・Ⅱを終えてやって来る人が多く、これは不安に感じていません。

ただスリランカの学生だけは、『みんなの日本語』というより、「N5」に合格すればいい的な勉強しかして来ていませんから、来日してから、勉強が適当になってしまい、不安を感じているところです。

以前ベトナムの大卒女子が「あの『N5』の試験なんて、だれでも合格する。私は『みんなの日本語』の第5課しかやっていなかったけれども、合格した」と豪語していたのに、(こっちは)「たまげて」、必ず、(ベトナムの)日本語学校で『Ⅰ』を終えてから、受けさせてくれるように(相手方の先生に)頼んだものでしたが、それも、もう過去の話。

当時は、ベトナム学生の、試験場での「カンニング」が問題になっていた時で、合格しているを錦の御旗に来られて、来日後、全然(日本語が)できていいないのに気づかされる…という悪夢は、もう、今は昔の物語。

とはいえ、こういうことも完全になくなったとは言えず、新しい学校の人と会うこともありますから、必ず、最初は「実際に」面接するようにしています。言葉がそれほど通じないにしても、態度などからうかがい知れることはありますから。

先ほどの卒業生も、初めて会った時には、私の言葉がほとんど聞き取れなかったのに、30分、1時間と話しているうちにどんどん反応がよくなってきたのです。「ああ、この子は凄いな。この学校に来てほしいな」と思ったものでした。

来日後も、その通り、頑張ってくれましたが、やはり心は自分のふるさとから離れられなかったと見えます。情が濃いのです。それが変化を求めさせたり、あるいは止めさせたりしているのかもしれません。

まあ、どちらにしても、私たちは彼女が幸せであれば、それでいいのです。

日々是好日
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