のろのろと台所仕事をしていたら、窓の外から「korei さん大丈夫?」と声が掛かりました。近所の御婦人です。
一昨日から持病(と言っても年に10回弱程度ですが)の頭痛に悩まされていた私は、昨日、この方に愚痴をこぼしたのでした。「若い頃は薬(デパス錠)を呑めば一晩で治っていたのに、齢を取ってからは2~3日も続いて」などと。
三日目の今日、痛みはもう小さくなりましたが、蒸し暑さと薬の副作用もあってか、心身ともにボンヤリしていました。心配してもらって有難く、ついでに少しお喋りをしているうちに少し元気を回復しました。
この頭痛が持病となったのは、現役で勤めていたときです。私の勤務経歴の中で最も困難な仕事(関係機関の調整の類でした)に遭遇し、乏しい知力・行動力を精一杯使って、何とか乗り切ってからまもなく、頭痛なるものを初体験したのです。「緊張型」と言われる頭痛ですから、偏頭痛のような激痛ではないのですが、しばしば吐き気を伴い、実に不快で、日常生活に支障を来たします。
あの困難な仕事を乗り切ったとき、高揚した達成感・充実感があったのは事実でした。でも今思えば、その仕事とは、所詮は人間社会がたまたま作り上げた虚構の中の波風に過ぎなかったのではないか、と。この大地の片隅にうずくまって1本の草を抜き取るほどの実在感も無かったのではないか、と。