73年前の今日、ラジオで天皇の演説の放送があり、
敗戦、そして終戦に至った、という事実が国民に広く知らされた。
個人的に思うのは、
73年、という時間に対しての感覚だ。
子供の頃・・・というかもっと若かった頃は戦争なんて、
はるか昔に起こった事だ、と思っていた。
そういう時間に対する感覚って個人的なものだから、どう思おうが勝手なのだけれど、
しかしだ。
俺は今や「アラフィフ」などと呼ばれる年齢に達している。
産まれた1966年は、戦後21年の年だった。
たった21年。
今から20年前のことなんて、今の俺には昨日かおとといのことのように思える。
だって俺なんか・・・・30年前の出来事ですら、心に引きずっていたりするのだ。
73年前なんて、遠い過去ではない。
昨日まで福山の実家に帰郷していたのだけれど、
知り合いの、昔からお世話になっている、
俺からしたら、ほとんど肉親に近いようなご夫婦とお話する機会があった。
Tさん夫妻。ずっと東京でお二人で暮らされていたのだが今は福山におられる。
旦那さんは90歳で、奥さんは85歳。
東京大空襲を神奈川から見た話(東京方面の空が真っ赤だった)、や、
広島、長崎に落とされた原爆、水爆のことも東京では
新聞にほんの小さく「新型爆弾落とされる」としか報じられなかったこと・・・・・・・・・
奥さんが朝鮮半島から引き上げてくる時に髪の毛を坊主頭にせねばならなかった
(女だと悟られぬように)こと、
日本の陸地が見えたときの「何とも言えない気持ち」のこと。
彼らが「その目」で見た光景。その話は、リアルだ。胸に迫るものがある。
やはり、直接、「口伝え」で聞く・・・というのは希少で、貴重な体験だった。
Tさんは、子供の頃見た「戦前の浅草」も、よく覚えていらして、
考えてみたらすごい世代だ。
戦前の繁栄も見て、戦争に突入、空襲、疎開、終戦。
そして戦後の、物資も食料もない時代。
そして経済成長。世界でも屈指の産業国になる日本。
しまいには、飽食、バブル。
そして経済が停滞。
戦中、戦後を生き延びるのがどれほどの苦難であったろう。
「戦争」にもっとも翻弄された世代の人たち、とも言えるかもしれない。
それはやはり、悲劇的だ。
反戦、非戦の思いを強くするものである。
写真は、花壇の向日葵。
やっと、咲いたよ。
まだ半分くらい、蕾が残っているから、まだまだこれから・・・・なんだけど。