1月7日の朝8時半、山陽線を乗り継いで福山に到着。この日の目的は福山で行われるバスケットボールのBリーグ、広島ドラゴンフライズ対島根スサノオマジックの「中国山地ダービー」の観戦である。時間があるので午前中には福山駅近くのスポットを訪ねたのだが、それは後で書くことにして、観戦記である(そういえば、スポーツの「観戦記」というのを書くのも久しぶりのこと)。また記事が長くなりそうなので、2回に分けて書く形になるのかな。
会場の「エフピコアリーナふくやま」だが、正式名称は福山市総合体育館である。芦田川の河川敷にあるのだが、ここには元々地方競馬の福山競馬場があった。競馬の廃止と、老朽化した前身の体育館の代替施設として2019年に建設された。ちなみに命名権を取得した「エフピコ」とは、食品容器の製造販売を手掛ける福山市の会社だという。
ここへのアクセスだが、福山駅から一応路線バスの便はある。また、芦田川の反対側を走るが鞆の浦行きのバスでも来れそうだ。もっとも、地図を見ると駅からは2.5キロほどの距離。時間にも余裕があるし、せっかくなので駅から歩いて行く。とりあえず直進して、アリーナ最寄りの交差点を1回曲がると着けるようだ。
歩くうちにこの建物に出る。正面に「アキタフーズ」とある。何ヶ月前だったか、この会社の代表が、鶏卵業界に便宜を図ってもらう目的で元農水大臣に数回にわたり現金を渡したことが明らかになったことが報道され、この建物も何度かニュース画面に登場したのを覚えている。ちょうど、広島選出の河井元法務大臣の事件との合わせ技で伝えられたものだ。
30分ほど歩いて到着。アリーナの向かいに石の祠がいくつか並んでいる。どうやら四国八十八所の写し霊場の一部のようだが、ここにあるのは何かいわれがあるのだろうか。こちらも気になる。
アリーナの前は広場になっていて、バスケのゴールも設けられている。この日のイベントなのか、Bリーグの関係者らしい人が子どもたちにボールを渡して次々にシュートを放っていた。バスケか・・中学校の授業でちょっとやったくらいだが、球技のプレーが苦手な私にとっては苦戦させられたかな。そういえば小学生の時には、バスケによく似た「ポートボール」というのがあった。バスケのゴールの代わりに、台の上に人が立っていて、そこにパスが通ると得点というルールだった。今でもやっているのかな。
何台かダイニングカーが出ている。ただし、アリーナ内は飲食禁止との案内がある。元々そういうルールなのか、あるいはコロナ対策なのか。ダイニングカーで買ったものを、アリーナ外のスタンドに腰掛けて食べる人もいる。一応これを見越して、福山駅を出る時に軽く食事はしてきたが、試合終了後にどこかに行くことにしようと思う。
アリーナの裏手は芦田川の河川敷で、親水公園になっている。ちょうど間の駐車場には両チームのバスも着いたところだ。
サブアリーナものぞいてみる。福山市出身のファイターズ・大田泰示選手のユニフォームの他、五輪出場選手たちのサイン板も飾られている。
まだ試合開始まで1時間半ほどあるが入場しよう。スマホのチケットレスサービスでのQRコードをかざすと座席券が発行される。再入場の際などはこれを提示する仕組みである。
今回はメインスタンド側の2階指定席で観戦する。購入したのが直前ということもあり中央部の席は完売で、ホーム側のゴールの横あたりの位置の席に座る。ちょうど反対側にドラゴンフライズのベンチがある。ベンチ裏の席が選手に近いこともあり、熱心なファンほどそちらに陣取っているように見える。
ちょうど両チームの選手も少しずつ顔を出して、体をほぐしている。野球の試合前の打撃練習のように、次々にシュートを放つ。2階席とはいえ思ったより選手との距離は近い。
試合開始、また試合中にはスポンサーの紹介がある。リーグスポンサー、チームスポンサーなどの社名が次々に読み上げられる。この辺りは野球の独立リーグと似たようなもので、地域密着、地域貢献のアピールである。ちなみに、ドラゴンフライズのメインスポンサーは、「いっぱい聴けて~、いっぱいしゃべれる~」の英会話のNOVA。
試合前のセレモニーもいろいろ。急にアリーナの照明が落ち、観客の中にはペンライトを手にする人もいる。その中でまず登場し、ダンスを披露するのは、ドラゴンフライズのチアダンスチーム「フライガールズ」の面々。
続いては、この試合の冠スポンサーである明治安田生命の福山支社長と、サンフレッチェ広島のアドバイザーの森﨑浩司さんが登場。記念品の贈呈と、明治安田生命の福山支社長がフリースローを行う。野球でいう始球式のようなものか。惜しいところで外したが、大きな拍手が送られた。
この後、ウォームアップが続き、「おりづる交換」がある。これはドラゴンフライズの「ピースプロジェクト」の一つで、試合前に平和への思いをはせる機会だという。ドラゴンフライズ、そして対戦チームのロゴやチームカラーをあしらったおりづるを交換する。
また、試合中の応援レクチャーがある。Bリーグの試合では、ホームチームのオフェンス、ディフェンスそれぞれに合わせて常に音楽が流れ、それに合わせてコールや手拍子を行う。今はこういう状況なので声を出しての応援はご遠慮とあるが、代わりにメガホンやチアスティックを叩いて大いに盛り上げてほしいという。
実際に試合が始まると、バスケというのは攻守が次々に入れ替わるので音楽も目まぐるしく入れ替わる。ドラマの場面転換の効果音のようだ。これまでテレビで観ていた時は何となく耳にしていただけだが、こうしてアリーナでレクチャーを受けて1試合観戦すると、プロの試合の盛り上げには欠かせないものだと納得した。野球の鳴り物応援とはまた違った面白さである。
ここまで書いてやはり長々とした記事になった。アリーナはそろそろ試合開始で、改めて選手紹介が行われる。野球と違ってビジョンにメンバーが表示されるわけではないが、両チームのスタメン、バスケではスターターは次のとおり。
広島ドラゴンフライズ:1・ケネディ、2・朝山、3・岡本、5・マーフィー、8・エチェニケ
島根スサノオマジック:6・北川、14・杉浦、15・白濱、24・ブルックス、28・ニカ