まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

そりゃ暴走族に失礼だ

2009年04月14日 | ブログ

帰宅途中にスーパーに立ち寄って、数日分の自炊用の食材を買い込んで帰ることがあるのだが、さすがは関西だなと思ったのが、鮮魚コーナーの一角に「鯨」が並んでいること。休日に行くと大きな刺身のブロックが売られていたり、平日の夜でもベーコンだの切り落としだの、皮だののパックが売られている。これらをたまに購入して、これはビールよりは日本酒に合う食材としてちびちびやることがある。

現在読んでいるのが『歴史と文化探訪 日本人とくじら』(小松正之著、ごま書房刊)。地元の図書館で借りている一冊なのだが、伊勢湾、紀州、関西、土佐といった、昔から捕鯨が盛んで、それがその土地の食を初めとした文化の一端を担っているということが書かれたもの。中でも大阪は食の台所として専門料理店もあるし、まあ専門料理店は高くて行けないにしても、スーパーで普通に並んでいるのはありがたいことである。

個人的に「捕鯨」を取り巻くことには関心があり(その意味では、房総の和田浦で行われている「鯨解体の見学」に、東京在住時代に行くことができなかったのが残念)、それにまつわる本(捕鯨文化擁護派、捕鯨絶対反対派とも)を読むこともあるのだが、「捕鯨文化を大切にしよう」というのがいまや日本の中でも少数派なのではないかという思いがある。多くの国民は、鯨が捕れなくなったからといって明日の食材に困るわけではなく、のんびりしているといったところだろう。

今日のニュースで、南極沖での捕鯨活動に反対する「シーシェパード」に体当たり攻撃を受けた捕鯨船の船長が記者会見し、彼らのことを「進行先にボートを下ろして妨害したり、前方を横切ったり。暴走族のように遊んでいるとしか見えなかった」と批判したとか。

・・・でもね、船長。気持ちはわかりますが、その例えは房総、もとい「暴走族」に失礼だと思いますよ。

シーシェパードの連中のやっていることは、それ以下ですから。あんなやつらと一緒にされて、暴走族の連中も黙っていてはいけないでしょう・・・・。

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桜の絨毯に乗って~夙川

2009年04月13日 | まち歩き

この前は神戸での野球観戦のことを書いたのだが、当日は朝からよい天気だったこともあり、早くから動き出す。

P4126038降り立ったのは、阪急神戸線の夙川から3両編成の電車に揺られてやってきた甲陽園駅。このあたり、阪神間でも有数の高級住宅街である。そんな中を南北に流れる夙川に沿って歩こうというものである。

P4126041そう、夙川は「夙川さくら道」というのがあるように、昭和24年というから今からちょうど60年前のことになるのかな、桜の木が川の両岸に植えられ、今では関西でも有数の桜の名所として知られるようになったスポット。そろそろ桜も見納めかなと思い、神戸方面に出かけるのだからとこちらに立ち寄ってみたものだ。

P4126048甲陽園駅から10分も歩けば夙川公園に出る。ちょうど遊歩道が整備されており、早い時間から花見客で賑わっている。でもまあ、造幣局の通り抜けのように人だらけで写真を撮ることもままならないというほどではなく、それぞれがゆったりした気分で見物している。

P4126052桜のほうは葉桜になっているものも見られるが、陽気にも恵まれたためか川の両岸にここぞとばかり咲いている。

P4126047ちょうど桜の葉も散るころで、夙川の清らかな流れにも桜の花びらが流れていた。桜の絨毯、というのはさすがに程遠いが。

前日は夜桜だったのだろうか、昨夜の宴の後がそのまま残っていたり(人間が寝転がったままのところも)、さてこれから花見だということでシートを敷いて場所取りしている人もいる。やはりみんな、桜の花がある風情というのが好きなんだなあ。

P4126076川面に沿って歩くと距離もさほど気にならないようで、先ほど乗ってきた電車の始発である夙川駅にも思ったより早く到着した。この先、JRのさくら夙川駅、阪神の香炉園駅まで遊歩道が続く。ただそれも数百メートルおきに駅があり、ちょうどこのあたりが阪神間の各鉄道線がもっとも接近しているところであることを実感する。

P4126070そしてJRの鉄橋。こんな感じの写真というのを撮ってみる。

JRの線路をくぐり、夙川にかかる橋に出る。橋の上で三脚を立てている子どもがいるのでそちらに行ってみると、ちょうど上流側の正面にはJRの線路。はは~、こういうアングルの鉄道写真~、「あると思います」。

すると鉄橋を渡る轟音。新快速が渡る軽快な音とすれ違うようになにやら異様な轟音。貨物列車のそれとは違うように聞こえ目をやると、あの気動車特急が渡っているではないか。少年はこれを狙っていたようで三脚の上でカメラの連続シャッター音が鳴り渡る。

P4126077あわてて私がナマクラのデジカメを取り出して収めたのが、この1枚。かろうじて「間に合った~」というタイミングである。

阪神の香炉園駅に到着。夙川はまだ南へ流れているが、お散歩はここで終了し、阪神電車の人となる。線路を3本またぐとは長い距離があるように思われるが、地図を見たところ、甲陽園からでも2キロ程度のもの。ちょっとした散歩にはうってつけの長さである。

そろそろ桜も見納めということだが、ちょっと話はそれることにして、私のお気に入りの「桜ナンバー」を紹介。

7_13479広沢タダシ「桜の絨毯に乗って」。2年前のJRの「千葉ディスティネーションキャンペーン」のテーマ曲としてCMで流れていたのを聴いたのがきっかけで、春らしい軽快な、暖かな感じのメロが印象的だった。

桜といえば「美しく咲いて、はかなくも散るもの」というイメージがある。ここでいう「桜の絨毯」とは、それこそ散った後の花びらであるが、「桜の絨毯に乗って 僕らはどこまでも行ける」、「桜の絨毯はきっと みんなの想いを乗せて これからどんな悲しみも たやすく乗り越えて行くんだ」という歌詞。

桜は散ってもまた咲かせればいいし、うまくいかないことや悲しいことがあったとしても、心の中にはいつでも桜は咲いている。桜の花が、心を後押しさせてくれるかのようなことを歌っている。そんな中から「小さな宝物 二度と散らない花」を手に入れるという・・・・。

桜の季節の終わりに、そんな歌を口ずさんでみたことである。

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バファローズ神戸開幕戦で貯金1

2009年04月12日 | プロ野球(バファローズ・NPB)

P412608612日はオリックス・バファローズ神戸開幕戦、千葉ロッテマリーンズ戦を観戦。前日までの大阪開幕2試合は仕事のために行くことができなかったが、今季の公式戦初観戦はこちら神戸で、ということになる。

P4126108やはり開幕シリーズということか、それとも入場料が半額になっているためか、「大挑戦!!」のユニフォームをもらえるからか、通常より開門も早く、客の出足もよい。試合開始直後には内野上段の自由席も、3塁側を含めてほぼ満席となった。

天気がよく、日光を浴びたら暑く感じるほど。それでも時折「涼しい」風が抜けていくのが、このオープン型球場の好きなところである。

P4126103試合前の先発メンバー発表の映像がリニューアルされたり、今季オフィシャル・チアチームということで誕生した「Bs Dreams」のダンスパフォーマンスを見る。今では多くの球団で入れられているチアチーム。これでまた観戦の楽しみが増えた(??)

P4126107P4126097さて試合、オリックス・岸田、ロッテ・小野。オリックスとしては3タテを、ロッテとしては連敗を止めたい試合である。オーダーも、カブレラ、ローズ、フェルナンデス、ラロッカと、多国籍重量打線が初めて4人並んだ。ベストオーダーじゃないですかな。

P4126113初回、「今季のカギを握る」とされている大村が2塁打、坂口の内野ゴロで1死3塁。続くカブレラのあたりはセンターに大きく飛ぶが、風に押し戻されて結局センターフライ。それでも犠牲フライには十分で1点先制。

P4126106圧巻は3回表。ロッテ根元、早川の連打で無死満塁の場面。ここで岸田が粘りの投球を見せ、続く福浦、西岡、井口から3者連続三振。ここで球場が大きく盛り上がる。

P4126125しかし4回表、ロッテ・サブローに同点ソロ本塁打が飛び、これでまたロッテに流れが傾くかと思われた後の5回、今度は後藤のバットが一閃、センターへの一発で勝ち越しとなった。この回坂口の犠牲フライ(大引の好走塁もあり)で3対1。

P4126133仕上げは「多国籍重量打線」の一角を担うフェルナンデスにようやくお目覚めの一発。初めてナマで、ホームインの後の「神への感謝ポーズ」を見ることができた。

こうなればマリーンズ打線も意気消沈してしまい、最後は加藤大輔が締めて4対1で3連勝。安打数ではマリーンズのほうが多かったが、やはり一発の力というのは大きい。

P4126165これで3連勝、貯金も一つできた。開幕ローテーション2人が抜けたのは大きいが、競争の激しいチームのこと(ボーグルソンの先発、なんてのも出てくるかな)。これで勢いに乗って日本ハム、楽天という好調チームにどう立ち向かうかが楽しみである。

・・・この試合では、内野手が極端に右に寄って守る「ローズシフト」やら、低い弾道のライナーをフィールドシートの観客が「横っ飛び」でキャッチするなど(この後誰かがエラーでもしようものならこれをネタに野次が飛ぶのだろうが、幸いこの日は両チームともエラーなし)、ちょっとした見ものもあった。

さて、この日は神戸に来るまでにあるスポットに立ち寄ってきたのだが、その話はまた次に。

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あると思います、ないと思います

2009年04月11日 | ブログ

今日は、私の職場で新規採用した高校卒業ルーキーたちの入社時講習の最終日。本来ならば休日であった技術系の指導員の方にも出ていただき(平日では手が取れなかったので、土曜日にやろうかという次第)、技術に関する初歩的なことがカリキュラム。私は教育全般を見なければならない立場上、また何かトラブルが起こった時にそなえて出社し、あれこれとサポートに回る。

毎日の講習後にレポートを書かせているのだが、こういう技術系の時間については本人たちが興味あるところだし、「机に座っているよりは体を動かしたほうがいい」というタイプなので、「何を学んだか、どういう感想を持ったか」という設問に対してはこれまで以上にいろんなことを書いてきた。

まだ社会に出たばかりで純粋な分、現実では難しい突拍子もない目標や夢のことも書いてきたが、でもいいじゃないですか。それだけ真っ白な気持ちで入ってきてくれているのだから。後は、彼らがキャンバスにどのような絵を描いてくれるか。絵描きに必要な画材は用意するが、最後は彼らの心次第である。

彼らの夢のそういうことも、努力次第では夢ではなく現実に「あると思います」・・・・(ひいき目過ぎるか?)で、これから温かく成長を見守りたいものである・・・(って、完全にどっかのおっさんみたいな言い方になってますが)。

さて、指導員らを交えた懇談会に出かけるルーキーたち(いっても未成年ですからアルコールが飲めないのが、連れ出す大人としては扱いが難しい)を見送った後、私は仕事を上げてミナミへ移動。もともとはこの日一日出かけるつもりで、ある方と約束していたのが、急遽上記のようなことになったためにそれはお流れ、ただせっかくの楽しみのせめてものお詫びをしたいということで、夜の部で時間をいただいた次第。

店にいること3時間、よく食べ、よく飲み、よく話し・・・・実にあっという間もなく時間が経過したような感じ。なぜか、先ほどの「あると思います」がお互いの会話の端々に出たものである(エロとも詩吟とも関係がありませんが)。

「あると思います」(その逆の「ないと思います」も会話の中で上ったものだが)・・・・。それが「いつかは」とか「そのうちに」とかいうのはわからないにしても、ね。

いろんな意味で。

(今日は完全に嬉し酒酔っ払い日記モードです・・・・)

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五色の桜

2009年04月10日 | ブログ

今夜は金曜日。春を通り越して少し暑いくらいの好天。職場の中には夜桜見物にでも出かけようかというグループもあり、ちょうど今が見ごろということで多くのスポットで賑わっているようだ。

明日もルーキーたちの講習の立会いで出社しなければならないので、残った仕事は明日に回すとして、早々に帰宅する。といっても夜桜見物ではなく、今日から京セラドーム大阪で始まるオリックスの開幕戦をパソコンで観戦。ラロッカの3本塁打など、大乱戦を制しての勝利にやれやれ。

その後でニュースを見ていると、「荒川の五色桜」という話題を行っていた。少し前まで住んでいた東京の足立区なのだが、かつて荒川の河川敷に沿って「五色の桜」が植えられており、花見の名所として知られていたという。桜といえばソメイヨシノのピンク色のイメージだが、そのほかさまざまな品種の桜が植えられており、その色とりどりのさまが「五色」の由来だとか。ただ度重なる洪水や公害の影響でいつしか衰退してしまったとか。

このたび足立区で「荒川の五色桜を復活させよう」という計画が発表されたという。延長5キロの堤防に桜を植樹するというもので、見ごろは早くて10年先という。

その頃には、「東京の下町」はどのような表情を見せているのだろうか。少し先の話ではあるが、楽しみにしたいと思う。

20054_040さて、大阪の桜といえばこれから造幣局の通り抜けがある(といっても、見ごろはまだまだ先の話というが・・・)。大阪出身でありながら1回しか行ったことがなく(離れていた時期が長いもので)、時間があれば久しぶりに行ってみたいものである・・・・。

※写真は、4年前に通り抜けを訪れた時のものです。

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いろいろ気になります

2009年04月09日 | ブログ

昨夜の記事で「地団駄」のことを書いたが、今夜の試合では西武打線のほうが大爆発、オリックス先発平野の「大炎上!!」で、今度はこちらが地団駄を踏むことになった。

・・・・そのことはさておき、今日はこの春に私の職場に配属されてきた3人のルーキーたちが作業現場に見学に出かけるというので、私も同行してみることにした。

20090409102850現場は堺沿岸のコンビナート。現在ここでは大手石油会社の原油精錬のための工場が建設中で、それに絡んだ業務を行っているということで、お邪魔した次第である。現場業務ということになれば、私もルーキーたちも同レベルである(工業系のことを勉強していない分、彼らのほうが知識はあるのではないかな・・・?)。

会社での座学では3秒で眠るという「のび太くん状態」の彼らも、現場でいろんな人間や機会が動いていたり、さまざまな建築道具が現れると興味を持って見つめている。

20090409101637私としては現場見学のほかに、「彼らがどんな感じで外の講習を受けているのか」ということにも興味があったのだが、これも三者三様で、一点集中で作業の様子を携帯カメラで撮影する者、目の前のことだけではなくあちこち周りの様子が気になる者、一見面白いのかそうでないのか判別がつかない者、反応もさまざまである。

私はいったん中抜けの形で、夕方に提出されたレポートを読んだのだが、座学の時よりはよほど突っ込んだ内容のことを書いていた。人間、やはり好き嫌いや興味の方向の違いというのはあるもので、生徒に置き換えれば「この科目は苦手だが、この科目になったら張り切ってがんばる」というのがあるように、こうして観察するとやはり顕著に出てくるものである。

明後日で「イロハのイの字」の講習は一通り修了し、以後は実務を通して、資格・免許を取りながら一つずつステップアップすることになる。仕事もそうだが「社会人」として身につけなければならないことも多く、これからも温かく見守っていきたいものである・・・・。

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『地団駄は島根で踏め』

2009年04月08日 | ブログ

年度末~年度始めの業務も一段落し、今日はやや早めに仕事を切り上げ、今シーズン初の「Yahoo!動画」でのプロ野球観戦。地上波中継が行われないパ・リーグの試合だが、動画では無料で完全中継してくれるので、逆にありがたい限りである。

で、今夜のオリックス・バファローズはローズの3ランを皮切りに重量打線が18安打10点の猛攻(もう少し別の日にとっておいたほうがいいのでは?)を見せ、埼玉西武に10対2と圧勝。パソコンの前で夕食を摂りながらうなっていたものである。

一方の西武ファンとしては、前夜の快勝はどこへやら、勢いをそがれた感じで地団駄を踏む思いではなかっただろうか。

・・・その「地団駄を踏む」なら「島根で踏め」という一冊がある。

『地団駄は島根で踏め』(わぐりたかし著、光文社新書)

32214173著者は放送作家として多くの番組制作を手がける一方、「語源ハンター」という肩書きを持つ。日本語におけるさまざまな慣用句や言い回しの中で、その「語源」にゆかりのある場所や地域という「語源遺産」を訪ね歩くという意味とか。その語源が特定の土地の習俗、伝説あるいは故事に求められる言葉がいろいろとあるようだ。

例えば本書のタイトルにもなった「地団駄」とは、出雲地方に伝わるたたら製鉄で、ふいご(じだたら)を踏んで空気を炉の中に送り込む様子が、悔しがって地面を激しく踏む様子に似ていること・・・・「じだたらを踏む」が出雲独特の言い回しによって「じだんだ」となり、それに「地団駄」という文字を当てたというもの。

ただこの本の特徴として、単に語源を紹介するのではなく、実際にその「土地」に行って現物を検証しに行くというのがある。だから「旅行記」に分類されるのだが、同じく旅を好むものとしては「やられたな」という思いである。旅の中では、「旅のテーマ」や「旅のこだわり」というのを多くの人が持つものであるが、それが「語源」というのだから・・・。

時折著者自身が、その土地で著者なりの「語源説」を考証してみせるというのも面白く、こういう発見というのも実際に現地に出向いてこそわかるというものである。また、その語源となった伝説に出会う旅の中で、実はその由来は現在使われている意味とまったく異なっている(こういうのも、時代によって言葉の意味合いが変遷することの現れなのだろう)という発見があったりする。これも現地に出向いてのことか。

うーん、旅に限らずの「現場主義」ねえ・・・・。仮にその地に行けば「語源」に思いを馳せることになるだろうし、その言葉を使う時にはその「風土」に思いを馳せることになるのかな。

旅行記としても、「ことばを通した民俗学」のルポとしても読める一冊である。

ちなみに、「地団駄を踏む」のほかに紹介されているものの一例としては・・・・

「ごたごた」、「どろぼう」、「関の山」、「ひとりずもう」、「二の舞」、「チンタラ」、「あとの祭り」・・・・など。

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政令指定都市移行に乾杯・岡山

2009年04月07日 | 旅行記F・中国

津山線で岡山に到着。最近立派な橋上駅舎に建て替えられた駅で、中国地方一の鉄道の要衝である。

P4056032その岡山であるが、ご案内のとおりこの4月1日から政令指定都市に移行したという。実は私がそのことを知ったのは4月1日のことで、そうであれば岡山に出かけてみよう、ただし、尼崎から岡山までただ往復するのも芸がなく行き帰りで別のルートをたどろうということで、午前中に津山に行くことにしたのだ。

P4055989広島に縁のある者にとっては、中国地方で政令指定都市ができるのは喜ばしいことであるが、(私個人の印象かもしれないが)広島と岡山というのはライバル同士で、あまり「仲がよい」とはいえない、ちょっと微妙な関係であるという印象を持っており、複雑な気分である。人口の多さや行政の面では広島が中心だろうが、交通の要衝であること(関西・九州・四国・山陰いずれも列車1本でつながっている。もちろん岡山空港から東京・海外への便もある)、関西との距離、開けた地形、賢い県民性などの面から、経済面では岡山に拠点を持っていたほうが便利なのかなという気がしている。

かつて岡山の人と接した中では、同じ中国地方にありながら広島よりも関西のほうに意識が向いているし(広島に行く「下り」列車に乗るのは抵抗があるようで)、やっぱり阪神ファンが多いし、ちょっと違うなということもあった。でもまあ、同じ瀬戸内の都市同士、これからお互いに活性化しあって、中国地方全体を盛り上げてくれればと思うのである。

・・・さて、このままだと延々都市論の話になってしまうので、駅前に降り立つとする。久しぶりということで、駅前から路面電車に乗り込み、目指すは岡山城。

P4055992その黒い外壁から「烏城」とも呼ばれる岡山城。旭川の流れを堀としているが、平和な時代を象徴する平城の部類に入る。大勢の観光客でにぎやかである。

中では、岡山を治めた戦国大名である宇喜多家から江戸時代の池田家までの変遷を紹介した展示が行われている。中でもうなったのが、「高松城の水攻め」で高松城を守った毛利方の武将・清水宗治に関すること。秀吉軍相手に城を固く守り、そのために「水攻め」という後世に残る戦いを引き起こしたのだが、最後は潔く降伏し、自らの命と引き換えに城兵たちの命を救ったという勇将である。その宗治が自刃の前に舞を披露した時に使ったとされる扇子や、自刃した短刀があったのだ。秀吉よりは毛利びいきの私としてはうならせるものがあった。刀や扇子が本物か偽物かという詮索は、どうでもいい。

P4056007さて城を出て、旭川を渡って後楽園に入る。日本三名園の一つということもあり、大勢の観光客で賑わっている。中でも中国(地方ではなく大陸のほう)からの団体の多いこと。

この中にもありました、桜満開の一角。さすがに名園の中なので屋台が並ぶわけではないが、そこは皆さん飲食物持参で、芝生に広がって宴会の最中である。これもまた穏やかな気分にさせてくれる。

P4056005 P4056001

P4056015後楽園を後にして、電停の方面に向かって旭川の川べりを歩く。こちらも桜並木で、川を眺めながらまったりと過ごす人たちが多い。どの人も自然と表情がほころんでいるように見える。

P4056020_2その一方で市内中心部はクルマの大渋滞。どこをどうつつけばクルマが流れるようになるか、何とかしてやれよというくらいピタリとも動かない。そこで強みがでるのが、路面電車である。岡山の路面電車、運転系統は2種類とシンプルであるが、1号線の東山方面には「LRT」型の車両がいる。せっかくだから東山まで行こうとしたらこのタイプに当たったので、乗り込むことにする。途中、クルマが全く動かない通りに出たが、そこは路面電車、スーッと抜けていくか・・・と思いきや、ルール違反で軌道内に乗り入れるクルマもおり、運転手が警笛を鳴らしてどかすという一幕もある。そう、クルマから見れば路面電車ほど邪魔な存在はいないのである。

東山まで往復し、岡山駅に戻る。この後は列車を乗り継いで帰るだけだが、せっかくなので「政令指定都市移行に乾杯」と称して、夕食がてらちょっと立ち寄ることにする。

P4056027訪れたのは、駅前の高島屋の裏手にある「鳥好」。市内にいくつかある店の元締めで、大衆酒場という風情の店。店の大将と気軽に声をかけあう地元の常連客に支えられているところだ。少し早くから営業しており、私が入った17時すぎにはもう結構席が埋まっている。

P4056026P4056025ここで、岡山の味であるままかりやら、瀬戸内の魚、それに焼き鳥(串も結構でかい)などを楽しむ。政令指定都市移行に乾杯、てなもんである(要は理由は何でもええんか?と言われればそうなのかもしれないが・・・・)。それでもまあ、岡山あたりは関西からでも「ちょっと遠出」気分で訪れることができるところだし、これからまた来ることになるだろう。次回は、内田百閒に関するスポットなど訪ねてみたいところ。

帰りは時間がかかるが、赤穂線~山陽線経由で戻る。

途中、「西日本パス」のパンフレットを見る。例の「高速道路上限1000円」に対抗してJR西日本が「胸を張って」送り出したという切符だが・・・・。

わかってないなあ・・・。

2人以上での利用が前提、おまけに、乗車開始日の7日前までの購入とある。岡山駅の窓口でこれを買おうとして、この条件で断られて文句を言っていた客をみかけたが、まさに正論だと思う。鉄道を使っての旅行って、一人で行くという層が結構いるもので。なぜ、JR東日本の「土日きっぷ」のように、「1枚でもOK、前日までの購入」ということができないのか・・・と文句を垂れても仕方ないですからね。誰か相手を探しますか。

「時刻表検定の旅」でご一緒の大和人さん~、今年はこいつで広島か福岡にでも行きますか???

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津山さくらまつり

2009年04月05日 | 旅行記F・中国

青春18利用期間最後の週末、昨日は出社していたため出かけるとすれば5日が最後ということになる。ということで目的地にしたのは、岡山県北の城下町・津山。

(鶴山公園)津山城というのは桜の名所で、ちょうど「津山さくらまつり」というのが行われているとか。時期的にもちょうど見ごろということで、繰り出すことにする。津山を訪れるのも何年ぶりだろうか。

P4055922・・・で、昨日に続いて起床は3時(何やってんだか)。早い時間に津山にたどり着くためには、大阪を5時に出る始発電車に乗ることになる。ただこれで姫路まで出ても姫新線の列車の接続がよくなく、少し先の上郡まで行き、智頭急行で佐用まで出ることに(これだと、姫新線を延々走るより先回りができてしまう)。姫新線に乗ることも、智頭急行に乗ることも本当に久しぶりである。

智頭急行は私と「その筋」の人の2名しか乗客はいなかったが、乗り継ぎの津山行きは姫路からの乗り継ぎ客も含め、花見客と思われるグループ客で満員である。

P4055928途中、美作江見という駅では、ホームの柱につながれた犬に出会う。最近、猫の駅長というのがあちこちにいるが、今度は犬の駅長ということか。のんびりしたローカル駅の一こまである。

津山着。ここから10分ほど歩けば、鶴山公園に出る。

P4055932まだ9時半過ぎだがすでに大勢の見物客で賑わっており、観光バスで乗り付けた団体さんの姿も見られる。ブルーシートを敷いて早くも宴会が開かれていたり、実にオープンな雰囲気だ。

あれやこれやで桜を眺めて回る。やはり「城跡と桜」というのはよく合うもので、その風景にうなるばかりである・・・・。

P4055936 P4055944

P4055950 P4055946

P4055955「桜がタイトルに入ったナンバー」を頭の中で再生しつつ、城跡を散策。皆さんはどの「桜」の歌がお好みでしょうか。

P4055956そして、最後は桜を愛でつつこういう仕儀に・・・・。

P4055974さて、城を後にして東側に伸びる旧出雲街道沿いに出る。ここは当時の面影を残す町家が並んでおり、美作の中心としての姿をとどめている。こういうちょっとした古い町並みをぶらつき歩くのが、私の旅の楽しみである。

P4055976この町の特徴だろうか、呼び鈴の代わりに板と棒がぶらさがっている家が多い。どんな音がするのかな。子どもの「ピンポンダッシュ」みたいに、叩いてダッシュで逃げるというのも一興かと(←やってませんよ)。

見ごろの桜と古い町並を楽しむうち、気がつけばもう昼である。津山の名物ということで最近「ホルモンうどん」というのがあるらしいが、どうも無理やりつくったような名物だし、第一、やっている店がどこなのかもわからなかったため、普通にラーメン屋で済ませる。「ホルモンうどん」は焼きうどんだったかな。今度自分でこしらえてみよう。

P4055980津山で残念だったのが一つ。最近、津山線や因美線と合わせて、津山の「鉄道遺産」というのも観光の売りにしようという動きがあり、その目玉として津山駅横に広がる扇形の旧機関庫とターンテーブルが挙げられる。春先から土日祝日に事前予約のうえ見学を受け付けているとのことだったが、なぜか4月の4・5日に限っては見学日にあてはまらず。

P4055982外側から眺めてみるが、老朽化著しい外壁が見えるのみで、ディーゼル機関車が見られなかったのは残念(駅の裏手に回れば見ることのできるポイントがあるとのことだったが、そのときは気づかなかった)。これはまた次回のお楽しみということにしよう。

P4055985津山からはこれも久しぶりの津山線で岡山に向かう。途中の沿線にも花見スポットがあるようで、それらを遠くに見ながらの南下である。まさに、春の鉄道旅行・・・・・。

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ミサイルは野球だけで結構

2009年04月04日 | ブログ

今日は土曜日ということであるが、職場での早朝当番に当たってしまい、それもよりによって朝5時からの出勤。おまけに朝からちょっとしたトラブルがあったり何やかんやで・・・。

まあ、年度末~年度初めということもあるが、決算と(なぜかこの時期まで引っ張っている)予算と新人教育という板ばさみになっているということを考えれば、この日が当番にあたるということでいやでも仕事が進むというわけで。これも浮世の義理ですな。

それはそうと、今日のニュースは北朝鮮からのミサイルが飛ぶや飛ばないやということでもちきり。特に東北地方は厳戒体制だったようだし、一時は「発射の誤報」も飛び交うという有様とか。

うーん、この混乱も、日本が平和ボケしているということの現れか。でもこういう状態が、戦争反対を唱え続けてきた人たちや歴史教育の「賜物」なのだから。

どうなるのかな。

こういう時に国民に安心を与える「活躍」をしないと、何のために巨額の税金を投与されている自衛隊なのかわからなくなるぞ。自衛隊というのは、単なる石油の運び屋か??という話になる。

まあ、「ミサイル」が飛び交うのは、スタジアムの空気を切り裂くホームランの弾道だけで結構なのだが・・・・。この中でホームランという「ミサイル」が飛び交う分には、見ていて楽しいものである。

(ミスター・バファローズにも早速1号が出ましたしね!!)

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「大挑戦!!」開幕も・・・・

2009年04月03日 | プロ野球(バファローズ・NPB)

だめだこりゃ。

今日から開幕を迎えたNPBプロ野球。オリックス・バファローズは福岡でソフトバンクホークスとの開幕戦である。もっともこのことを関西のマスコミはほとんど伝えることなく、改めて西宮球団一辺倒の報道と、オリックスの人気のなさを実感する。東京にいたときはさほど感じなかったのだが、関西にいると余計にそういう思いが強く、痛い。

阪神なんば線の開通も、個人的には「大阪ドームが阪神の軍門にくだった」という印象を持っている。

さてその開幕戦、1番にラロッカを置き、大村、カブレラ、ローズ、フェルナンデスなどベストオーダーを組み、小松で挑んだのだが、結局は小松もボコボコ、打線も和田の前に7対0、14三振と完封負け。

・・・情けない。

また昨年の中盤頃まで、「見掛け倒し」をぼやく日々が続くのかな・・・・。そうならないように、第2戦はなんとしてもものにしてほしいものだ。

頼むで!!

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松阪を歩いて食す

2009年04月02日 | 旅行記D・東海北陸

話を先日の名松線乗車に戻す。名松線で松阪までやって来て、駅前に出たところ。

松阪の街を歩くのも久しぶりのことである。実質初めてといってもいいかもしれない。三重県南部の中心としてそれなりに賑わっているようにも見えるが、街の中心部でも日曜日のこととてシャッターを下ろしている店も多く、出かけるとすれば広い駐車場がある郊外の大型店などに出かけるのかなと思われる。

P3295881さてそんな松阪であるが、ここは現在の三井グループにつながる三井家発祥の地、越後屋呉服店を開いた三井高利の出身地である。そんなところから「松阪商人」という言葉もあり、商人の町としてのPRも行われている。かつて三井といえば「三井○○」というように、あらゆる業界に顔を出していたものだが、最近はちょっと停滞気味、それでも日本企業における「ブランド」であることには変わりないといったところである。

P3295879そんな松阪商人の系譜につながる「小津清左衛門家」の旧居を開放したのが「松阪商人の家」。「小津」というのも松阪では力があった家のようだ。その一族の中から、昭和の日本の家族・家庭の姿を描いた作品をものした「オズヤス」こと小津安二郎監督も出たという。

ここで重厚な感じの内装やら、千両箱を収めるために頑丈に造られ、半地下に埋められたという「万両箱」なるものを見学する。旅先でこうした昔の商人の屋敷を見学することがあるのだが、商人にしては質素な造りの屋敷がほとんどを占めているように思える。美術工芸品をコレクションするのは今も昔も変わらないようだが、根本的には質素倹約の精神が流れているのではないかと思われるのだ。「贅を尽くす」といっても、現代のような大量消費社会からみれば小ぢんまりとしたものだったのではないだろうか。

P3295895ここまで来れば松阪の城跡は近く、街中の小高い丘に上がる。蒲生レオ氏郷が開いた松阪の城下町。大正時代の作家・梶井基次郎の『城のある町にて』の舞台となったのがこの松阪だとか。石垣がむき出しとなった城跡の一角に石碑も立てられており、そこから眺める松阪の町並みは実に落ち着いて見える。

P3295897そろそろ桜の時期で、城跡には桜がつきものであるが、訪れた日は「見ごろまでもう少し」というところ。それでも城内ではゴザを敷いて花見を楽しむグループも何組かいて、春の訪れを感じさせる。城跡で花見、よろしいですな・・・・。

P3295889この後は歴史民俗資料館へ。松阪商人が全国にその名を知られるようになったのは、越後屋呉服店でも扱っていた松阪木綿。それにしても、江戸時代からの豪商といえば木綿や(時代が下れば)生糸などで莫大な利を上げた者の名前を聞く。それだけ、繊維産業というのが(数年前までの自動車のように)当時の花形産業ということだったのだろうか。

P3295893館内は機織機やら藍染めに関する資料など、地場産業に関するものが多かった。その中で私が見てうなったのは「横綱」。元横綱・三重ノ海こと、現在の相撲協会の武蔵川理事長がつけていたという綱である。三重ノ海は松阪出身で、モノの本によれば、町の風呂屋の三助として働いていたところをスカウトされたとか。最近あえて相撲のことはブログでも書かないようにしているのだが、やはりこうしてみると、「頑張れ、三重ノ海」と声をかけたくなる。

ただ、松阪が生んだ偉人となれば、三井高利でも三重ノ海でもなく、本居宣長ということになるのかな・・・。パッと見た感じ、街の人たちの扱いというのが本居宣長メインのように思われたので。

本居宣長。皆さんはどんなイメージを持っているでしょうか・・・。そもそも「何屋さん」?漠然と、学者とか、頭のいい人とかいうのはわかっていても、何をした人かと尋ねられれば結構答えに迷うところではないだろうか。「国学」ということで、日本人の美しい心は乞食の中にこそ存在するということで古事記を研究したということなのだが・・・。

P3295899資料館と、宣長が書斎として使用していた鈴屋を見学し、独特の生垣が残る城下の武家屋敷群を抜け、街の中心部に戻る。そこそこ歩いたし、夕方近くなりこれから遠路鈍行を乗り継いで帰らなければならいので、早めの夕食とする。

松阪で夕食とすれば、もう「松阪牛」ということになるでしょう。

・・・ただし、数ある松阪牛の名店に行けるような身分ではないので、そこは「松阪牛も取り扱っている」という焼肉チェーンの「一升びん」へ。

P3295902七輪で焼く肉の味と、歩いた後の生ビールを楽しむ。メニューに「松阪」とない普通の肉もボリュームがあったし、値段も割安。多くの家族連れや、学生風にも人気があるようである。

P3295903最後に冒険して「松阪肉カルビ」というのを注文。味はよかったが、先に食べたカルビと比べれば・・・ということになれば、結局私の舌では普通肉と松阪肉の違いはわからなかった。「松阪牛を食す」でなくても「松阪"で"牛を食す」で十分楽しめた。

久しぶりの松阪であったが、さまざまな発見があったところ。ぜひまた訪れてみたいものである・・・・。

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