まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

関西独立リーグ・紀州レンジャーズ対明石レッドソルジャーズ@上富田

2009年04月29日 | プロ野球(独立リーグほか)

今月は完全に野球観戦バカと化してます。

今年から制定された「昭和の日」。関西は絶好の行楽日和。この日というのは晴れることが多いのかな。以前は11月3日の文化の日が決まって晴れていたもので、「これは明治天皇のご威徳によるもの」といわれていた(最近では雨の年も多いようで、明治は遠くなりにけりですが)。その伝でいけば4月29日も「昭和天皇のご威徳」ということになるのかな。

P4290355昨年の「みどりの日」は、群馬県は高崎にある城南球場で、プロ野球独立リーグの一つである、BCリーグの群馬ダイヤモンドペガサス対富山サンダーバーズ戦を観戦していた。アクセスが便利なこともあり4000人近くの観客があり、スタンドも賑わっていたものである。

P4296496さて今年の「昭和の日」、昼前に上富田スポーツセンターにある野球場に姿を現す。「上富田ってどこやねん?」ということだが、和歌山県は紀伊田辺と白浜の間にあるのが上富田町で、JRの「きのくに線」なら朝来駅から山のほうに入ったところである。ここで行われたこちらも独立リーグである「関西独立リーグ」の紀州レンジャーズ対明石レッドソルジャーズ戦の観戦である。

P4296439関西独立リーグについては2週間前に万博球場で行われた大阪対明石戦を観戦し、いろいろと思うところがあったのだが、ならば「もっとも地方色ありそうな」和歌山のチームである紀州レンジャーズはどんな感じなのかなということで出かけた。・・・ただ、尼崎から高速道路を使わずに(ETCがまだ付けられていないので、一人だけ通常料金を払うのがアホらしく)なら一般道で来たが、結構な時間がかかるものである。それにしても、紀州の山の中で神戸ナンバーのクルマって、結構浮いているな・・・・。

P4296492紀州レンジャーズは、元阪神の好打者で2000本安打も達成した藤田平監督が率いる。昨年はBCリーグの福井球団にいたが、故郷和歌山で新チームができるということで監督を引き受けたとか。コーチには元南海の河埜敬幸、プレーヤー兼任で元広島の井上紘一というところ(二人とも野手だが、投手は誰が指導するんだろう??)。

P4296442さてこちらの球場でも、例えばイベント的なものとか、町の行事的なものとかは一切なし。「純粋に試合をやります」というところ。これが、関西独立リーグの特徴なんだろうな。地元色といえば上富田町の野球少年たちがスタッフのTシャツを着て、切符の販売やらボールボーイ、グラウンド整備の手伝い、試合前には交通マナーキャンペーン(和歌山のシートベルト着用率の低さには驚かされた)のプラカードを持ったりというもので。

P4296460応援のほうも、この「紀州魂」のハッピを着たお兄さんが一人で太鼓をかかえての孤軍奮闘。たださすがに和歌山の試合にしか行けないとのことで、明石は応援団すらいなかったから、このあたり、「クルマを飛ばして他県でのビジターの試合をサポートする、中には応援ツアーのバスが出る球団もある」というBCリーグと比べて、何だかなあ・・・・(やたらと同リーグとの比較をしていますが、そういう状況なのだから仕方がない)。

P429645113時試合開始、紀州の先発は元・NOMOベースボールクラブの宇高。明石は福泉。

P4296453この日は両投手の好投が光った。宇高はテンポよく速球を投げ込み、明石打線につけいるスキを許さない。一方の福泉も粘りの投球。紀州に出塁を許すものの、タッチアップの走者を殺すなどバックの盛り立てもあり、得点を許さない。6回裏まで終了した時点で、0対0。両チームとも1安打ずつという投手戦。個人的には打撃戦が好きなのだが、たまにはこういう投手戦があってもよい。

P4296477試合が動いたのは7回裏。先頭の4番・嶋田が四球、続く金輪(昨年は福井で藤田監督の下プレーしていた)が強攻策で三塁強襲安打。そしてコーチ兼任の井上が「送りバントはこうするんだ」という、選手に教えるかのようにきれいにバントを決める。7番・杉野(昨年まで富山の控え捕手)のボテボテの当たりがセンターに抜け、一人生還。続く代打・芳岡(この選手も昨年は福井)のレフトへのフライを、明石のレフト・山本が目測を誤って捕球できず、これで1点追加。一気に2点入り、この日一番の歓声があがった。

P4296483リードをもらった宇高。続く8回表に5番・竪道にセンター越えの三塁打を許し、続く高下の犠牲フライであっさり1点を返される。しかしこれでランナーが消えて楽になったか、後続を抑える。

P4296487結局両投手とも完投した試合は、このまま2対1で紀州レンジャーズの勝利。安打数は紀州4、明石2というものだった。試合時間は何と2時間。これまでに私が見た独立リーグ、NPBあわせたプロ野球の中では「最短試合」だった。

別に早く終わったからではないだろうが、両チームの選手とも、観客を見送った後に再びグラウンドに降りて練習を始めた。まだまだ、チーム全体のレベルアップを図る段階だろう。

P4296459今回は締まった試合だったのでよかったが、気になるのはやはり「興行」としてどうかということ。この日の観客数は発表されなかったが、200人もいなかったのではないか。これはチームというより、リーグとしても、もうちょっと何とかならないのかという気がする。確かに熱い試合を行うのが第一で、余計な演出など必要ないという考えがあるのかもしれないが、クラブチームではなくプロなんだし、プロには(手作りでもいいので)エンタメ性もつきものなのではないだろうか。

あとは、神戸、明石という兵庫県の2球団がどんな興行を行っているか。機会をみてこちらにも観戦に行ってみようと思う。

・・・・さて、長い移動時間をかけて2時間の試合だけ観て帰ってきました・・・・では芸がないので、上富田への往路と復路のことについて、また後で書くこととします。

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