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まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

汐見橋線に乗ったり降りたり

2013年05月02日 | まち歩き

南海汐見橋線の乗り歩き。

Dscn0185汐見橋を出た2両編成の電車はガタゴト言いながら南へ走る。左手には阪神高速の高架と、かつてホームレスが寝起きしていたスペースの歩道が続く。そうするうちに前方にJR大阪環状線の高架。日々の通勤で使っている環状線からこの汐見橋線の線路はよく見えるのだが、こうして高架を仰ぐのも逆に新鮮に見える。それをくぐってすぐのところで芦原町駅に到着。環状線と交差するところに駅がないのが不思議に思う。

Dscn0190続いて停まるのは木津川駅。ここで下車する。

Dscn0195Dscn0194現在は島式ホームが一本使われているだけだが、駅舎に至るまでに2本の側線跡を渡る。その昔、汐見橋線が高野線として元気だった頃のことだろうか、貨物の取り扱いで賑わったというらしい。紀伊山地で伐採された材木を橋本あたりから貨物列車で運び、水運の利のあるこの木津川から舟に積み換えられ、周囲の工場に運ばれていった歴史がある。

Dscn0192ただそれも今は昔。線路も草むしており、野良猫が自由気ままに構内を遊びまわるところ。この駅の構内だけが大阪市内にあって時間が停まっているかのようである。見ようによってはこれも立派な「秘境駅」ではないかと思う。都会型のそれとして・・・。

Dscn0196日中のこんな時間に降り立つのは私一人、と思うが、駅舎のほうから水の流れる音がする。水洗トイレのそれとは違うようだが、いざ駅舎に入るとびっくり。駅の片隅の水道を使って何やらしているおっちゃん一人。一瞬の出来事に「顔を合わせたら何を言われるかわからん」ということでそそくさと改札を出る。何せ、どうみても「部外者」という出で立ちで降り立ったものだし。

そして外から見た木津川駅。駅前の道は何と砂利道。自転車やらクルマやらはいっぱい停まっているのだが、果たしてこれ、駅を利用するために停めているのはどのくらいあるのだろうか。高速道路や市営住宅は遠くに見えるが、駅の周りは実に殺風景なものである。

Dscn0199さてここからは隣の津守まで歩いてみることに。砂利道の駅前から舗装された道に出て、南の方角に歩く。時折ダンプカーや高級乗用車が通り抜ける。この辺りは水運の利もあるのか、運輸関係、そして町の鉄工所といった建物が並ぶ。降り立ったこの日は平日だったので、機械の動く音があちこちから聞こえるのだが、これが日曜日にでも訪れようものなら、人っ子一人いない、それこそ誰とも出会うことのない殺風景な景色に映るのだろうなと思う。都会の中の秘境といってもいいだろう。

Dscn0200それでも津守駅に向かうにつれて工場も大きくなる。昔ながらの佇まいの建物も見る。今でも現役で頑張っているのだろう。

Dscn0201線路を渡ったり、昔ながらの住宅街を抜ける。すぐ横に錆びれた線路を見るが、これも大阪の一つの顔なのだなと改めて思う。西成高校、そして西成公園にやってくるが、学校や公園の周囲は高いフェンスで囲まれている。よくは見なかったが、公園の向こう側にはテントが見える。行政がホームレスの公園への侵入を防ぐために取った措置だろう。

Dscn0205津守駅と公園が向かい合うところであるが、公園のほうから私をギロリと睨む複数の視線を感じる。カメラはバッグの奥深くにしまい、駅の中に入る。

Dscn0207列車を待つうちに、おそらくロシアとか東欧の人なのかなと思う女性二人連れがやってくる。先ほど乗ってきた車両に乗り込み、次の西天下茶屋で下車する。

Dscn0211この辺りまで来ると、先ほどまでの地区とかホームレスとかいう言葉は脇に飛ぶことになる。大阪の中でもディープなところというか、下町風情満載のところである。ちょうど昼時ということで地元の人たちも買い物に出てくる頃合いである。

Dscn0214私は見ていないのでよくわからないが、NHKの朝のドラマでも舞台になったというこの西天下茶屋商店街。さまざまな店が軒を連ね、スピーカーからは昭和風情の歌謡曲が流れる。私も一時、昔ながらの風情に身を任せる。これが日曜日なら一斉に店を閉じて、訪れる者には「シャッター商店街」と揶揄されるところだろうが、平日となればまだまだ活気のあるところである。

Dscn0219商店街をそのまま通り抜けると線路から遠ざかるので、適当なところで方向を立て直す。途中、高さ1.8mというところをくぐる。こういうところが残っていること自体、汐見橋線の昭和風情は侮れないなと感心する。

Dscn0223このまま終点の岸里玉出まで歩く。途中、国道26号線をまたぐ昔ながらの鉄橋がある。それに沿う歩道橋に陣取って、やってきた2両の列車を撮影する。30分に1本、思い出したようにやってきて、渋滞の国道26号線をあざ笑うかのように通過する風情もいいものである。南海らしいといえば、実に南海らしいなと思う。

結局岸里玉出には歩いて到着。南海本線のホームに上がる。難波方面に向かって左前に、この日のメインの汐見橋線ホーム。ちょうど、汐見橋に向けて出発するところであった。一方で右前方にあるのは高野線ホーム。今や汐見橋という駅なぞ知らないと言わんばかりに、次々に列車がホームを通過していく。これらも時代の流れだろうか・・・?

Dscn0225これで汐見橋線の乗車記は終わり。ただ南海はグループ会社を含め、私にとってまだまだよく知らない路線が多いところ。これから少しずつ知識を深めるとともに、純粋な気持ちで高野山をはじめとしたあちこちのスポットと訪れてみたい。その一方で大阪下町の居酒屋訪問も続けてみたいところである。

まだまだ、鉄路の旅は続く・・・・。

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