まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

紀州の備長炭

2009年05月01日 | 旅行記E・関西

前の記事で高野龍神スカイラインのことを書いたが、龍神から紀伊田辺に向かう県道沿いにある道の駅で休憩。その名も「道の駅 紀州備長炭記念公園」。

備長炭といえば炭の中でもブランドとされ、焼き鳥屋などでは「備長炭使用」というのを売り文句にしているところが結構ある。また炭には水の浄化や吸湿作用があることも最近では注目されており、米をたく時に炭を入れれば米の味が引き立つとか、水道水もミネラルウォーターのようになるということでも知られている。

そんな備長炭の本場というのが、この紀州。紀伊田辺の炭問屋に備中屋長左衛門というのがあり、ここから備長炭という名前が付けられたとか。いつしか、そういう歴史のあるところに出てきたものだ。

道の駅には資料館もあるということで、こちらを見学。これまで石炭に関する資料館は訪れたことがあるが、木炭というのは初めて。石炭は鉱工業、木炭は林業である。

P4296427最初に出迎えてくれるのは、昭和の30年代頃まで行われていた炭焼きの暮らし。山に入り、炭窯と小屋をつくり、一山分の原木を焼き尽くすと次の山に移るという過酷な業務。こうした「山の仕事」を紹介してくれるスポットというのはそうあるものではない。

続いては、木炭の原料となる木の種類やら、木炭の製造方法などが触れられる。よい原木を伐採し、高熱で焼けるような窯の設計を行う。それだけでも重労働であるが、焼いている間は寝ずの番である。

そうしてできた木炭。その中でも備長炭は鋼と同じ程度の硬度を持っており、叩くと金属音がする。だからだろうか、備長炭でできた木琴やら、風鈴などというのもある。これも、原木の質と焼くほうの技術の高さによるものとか。備長炭というのはウバメガシの木を使用するが、最近では中国産の備長炭というのも数が増えているとか(この炭の名前を冠した焼き鳥チェーン店の備長炭は、中国産か国内産か???)。ただ中国産は品質でやや劣るとかで、よい音が出るのは国内、それも紀州のものという(お国自慢はあるだろうが)。

P4296430こういう火鉢やら七輪を見ていると、インテリアとしてこういうのを置いても面白いかなと思う。火鉢に炭をくべて、五徳に鉄瓶をのせてチリチリ言わせるなんざあ、風流でしょうなあ。

P4296433公園の一角には現在も炭窯があり、実際に炭が焼かれている。現在では備長炭の需要も多くなっており、山にこもらずこうした窯で工場のように焼かれているという。

P4296434作業の合間だったようでちょっとのぞかせてもらったが、窯の中で真っ赤に燃える火が鮮やかに見える。ただ離れたところに立つだけでもかなり暑く、何千度という火を相手にしているその技術にはうなるばかりである。なお、これとは別に体験用の窯もあり、山村学習や研修などで使用されているという。

P4296504一連の施設を見学した後で土産物コーナーに寄ったが、買い求めたのがこれ。部屋に飾ると脱臭・吸湿作用もあり、またインテリアにもなるという。きれいな花を飾るのとは違い、「枯山水」のような趣かな。

電気やガスというエネルギーとは一味も二味も違う木炭、備長炭。炭の持つ特性を生かして、これからも生活の中で活躍していくことだろう。

P4296456・・・・こういう寄り道をした後に到着したのが、先の上富田野球場である。このルートにして、結構面白いところがあった(山道の運転は気を遣うが・・・)。

P4296497さて試合終了後の帰り道は距離が短いということで、海沿いの国道42号線を走る。試合が早く終わったから・・・というわけではないが、途中の「有田川温泉 光の湯」で休憩と早めの夕食。有田川に面した温泉施設で、暑い湯と冷ました温泉を交互に入る「交互湯」や、温泉成分をスチームで出している「温泉サウナ」などで、朝からの運転の疲れを癒す。

P4296499この後は、和歌山名物とうたわれる太刀魚料理などをいただく。うーん、クルマだからなあ・・・・。そうでなかったらビールのあてによく合うのだけど。

P4296500そろそろ日が西に傾く頃、有田川の対岸に、夕日に照らされたオレンジの看板。紀州みかんの大広告である。そういえば私の大学時代の友人で、脱サラして有田に移り、みかん農園でのみかん栽培、経営をやっているのがいる。今回は野球観戦で来たこともありそのまま素通りしたが、次には有田のみかん風景やら、醤油発祥の地・湯浅の町歩きなどと絡めて訪れてもいいかな。

P4296502和歌山マリーナシティを見下ろすあたりでちょうど日暮れ。クルマを脇にやり、しばし、西の方に沈む夕日を眺める。実にあれこれあった、内容の濃い一日を過ごすことができたものだ・・・・。

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