まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第3回九州西国霊場めぐり~周防灘と国東の海岸をめぐる

2021年08月02日 | 九州西国霊場

7月22日朝、徳山を出航した竹田津行きのフェリー。甲板にも結構な数の乗客がいて、夏休みらしい光景である。まずは徳山港に面したコンテナヤードやコンビナート群を見ながら出航していく。

風を受けながらそうした景色を見たり、また空調の効いた船内で過ごしたり、とりあえず竹田津までの2時間を過ごす。徒歩での乗船ならば海を眺めつつビールでも飲むところだが、クルマなのでもちろんそんなことはしない。

桟敷の上に、船内にあった国東半島のパンフレットを広げる。これから渡る国東半島をどう回ろうかの思案である。もちろん、今回の九州西国霊場めぐりの目的地である第5番・天念寺と第6番・両子寺は訪ねるが、その前にどう回るかである。宿泊は半島の南東部にある国東市、大分空港の近く。寺は山の中にあるが、せっかくなので海べりも回ってみたい。フェリーが着くのが9時半頃で、ホテルにはやはり日のあるうちには入るとしても結構時間はある。

そうするうちに沖合に出て、本州、九州いずれもが薄らとしか見えなくなるエリアにさしかかる。こういう形で九州に渡るのもいいものである。国東半島に渡る場合、鉄道でぐるりと小倉から日豊線を経由するよりも早く着くことができる。

またしばらく船内でぼんやりするうち、姫島が近づいてきた、いよいよ大分県である。その奥に広がるのがこれから回る国東半島である。

そろそろ竹田津に着くとの案内があり、車両甲板に向かう。甲板にはびっしりとクルマ、トラックが埋まっていてほぼ満員御礼である。車内に入り着岸を待つ。カーナビ画面はまだ徳山港のままだ。

車両の積載に時間を要したため出航が10分あまり遅れたが、その遅れのままに到着した。係員の誘導で次々にクルマが吐き出され、半島内に散って行く。私はいったん岸壁にクルマを停め、フェリーの写真を撮るとともにカーナビをセットする。画面が一瞬にして竹田津港に変わる。

フェリーの中でコースをいろいろ考えていたが、ぐるり一周に近い形を取ることにする。竹田津港から国道213号線への交差点を右折し、西側に向かう。第2回の帰途に宇佐駅からバスに乗ったが、その逆を行くことにする。その時バスの窓から見た海岸をちょっと見ようというものである。「恋叶ロード」という、私のようなおっさんには似つかわしくないスポットであるが・・。

国東市から豊後高田市に入る。この日のコースとしてはまず半島西側の豊後高田市を回り、その後国東市を回る形になる。ちょうど札所も豊後高田、国東とそれぞれ分かれている。

まず向かったのは粟嶋公園。大分の縁結びスポットして知られるところという。早速、映えスポットが並ぶ。縁結び、ハート、そしてくくりつけられた鍵・・まさに「恋人の聖地」やな・・と思いながら通り過ぎる。事実、恋叶ロード全体が「恋人の聖地」に選定されており、各地にあるあのプレートは、今回素通りしたがこのスポットの起点である長崎鼻に掲げられているそうだ。

この公園の奥にあるのが粟嶋社。粟嶋(粟島、淡島も含む)という名前の神社は全国各地にある。その多くが祭神とするのは淡島明神(少彦名神)で、ここの粟嶋社も江戸時代前期に創建されたとある。元は医薬の神として信仰されていたが、安産、子授け、婦人病にご利益があったことから女性の願いを叶える神社として信仰を集めた。江戸時代に淡島願人と呼ばれる人たちが淡島明神のご利益を説いたことから各地に広まったとのことで、この粟嶋社もそうした中で建てられたのだろう。それが時代を経て、縁結びのスポットとなった。

参道を行くと拝殿のようなところに出る。ここが粟嶋社かなと思うが、さらに鳥居が続いていて、海べりに出た。こちらの粟嶋社は岩窟の中に祀られているのが特徴で、その前に拝殿が建てられている。

賽銭箱の横に「願い石」というのがある。海中の「叶え岩」に投げて、そのくぼみに入ると願いが叶うという。この「叶え岩」は干潮時にのみ現れるとあるが、ちょうどこの時は干潮だったようで、ハート型のくぼみを持つハート型の岩が姿を現している。事前の調べなしでやって来てこの岩が見えるだけでもラッキーだと思うが、それにしてもこの岩、自然にできたものなのかな・・?

それはさておき、私もお賽銭を納めて石を2つ手にする。さて1投目は・・・惜しくも岩の外枠に当たる。そして2投目は・・・力が足りなかったか手前で落ちて海中へ。まあ、そんなもんだろう。ともかくこの先の無事を祈ることにする。

恋叶ロードのドライブを続ける。次に立ち寄ったのが真玉海岸。国東半島の西側の付け根の部分にあり、大分県では唯一水平線に沈む夕日を眺めることができるスポットだという。その夕日も人気で、干潟の縞模様と合わせて織りなす独特の光と色のコントラストは「日本一の夕陽」とも称されている。ここも「恋人の聖地」に含まれており、そりゃあ、ムードあふれることだろうよ。

レストハウスの前には干潮、満潮、夕日、日没の時間が掲示されている。訪ねた時はそのどれでもない時間だったが、ここはぜひこれらの時間をチェックしたうえで訪ねたいところである。

もっとも、昼間の時間でも磯遊びが楽しめるところで、干潟の向こうには人の姿もちらほら見える。珍しいマテ貝掘りの体験もできるそうだ。

今回国東半島を訪ねるにあたり、頭の中は「六郷満山」のことで満山・・もとい満杯だったのだが、こうした海岸景色も楽しむことができた。

この後は豊後高田の中心部に入る。「昭和の町」関連スポットの案内板もあるが結局素通りする。この先、九州西国霊場も含む六郷満山を回る前に、こうした海岸の景色を楽しんで思いのほか時間が過ぎていた。今回も昼食抜きで回ることになるのかなと思いつつ、豊後高田市の南部に回り込んでこれから国東の仏めぐりである・・・。

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