まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第30番「宝厳寺」~西国三十三ヶ所巡り・9(鶏足寺紅葉)

2014年11月29日 | 西国三十三所
木ノ本駅に降り立つ。駅舎は地元の産品を扱っている店舗で、多くの人で賑わっている。また、木ノ本は今年の大河ドラマの主人公である黒田官兵衛の博覧会をやっている。官兵衛は姫路の産まれではなかったか?と思うが、黒田家のルーツというのはここ木ノ本あたりだという。このところの傾向として、大河ドラマに関することならどんなことでも地域の活性化、観光客の誘致につなげようというのがある。

ここから鶏足寺に向かうのだが、駅からは紅葉バスというのが出ている。これで鶏足寺まで向かう。このバスチケットは、1日乗り放題で100円というお買い得もの。利用する人も結構多く、立ち客も出る。

15分ほどで己高閣の臨時バス停に到着する。そこに至るまでの区間、路肩や田んぼのあぜ道に駐車するクルマがズラリと並ぶ。紅葉の名所というのが知られており、クルマで訪れる人が多い。バスに同乗したボランティアガイドの話では、午前中はもっと手前から駐車の車列ができており、そこから歩いたら結構な距離になるようだ。「それなら、このバスに乗ってくれたほうが早く着くのにね」という。ちなみに紅葉バスは11月末までの運行である。

鶏足寺はここからさらに山の中に入って行く。ただまずはその前にバス停近くの己高閣を訪ねる。鶏足寺というが、カッコ書きで(旧飯尾寺)という表記がある。元々は近江の鬼門を守るということで奈良時代の行基が開いたとされ、その後栄えたのだが、明治の廃仏毀釈で寺院の規模が縮小されてしまった。また火災のためにお堂も焼けてしまい、今では廃寺のような感じだという。本尊である観音像は与志漏神社の境内にある己高閣に移されて、ここでお参りする。

この神社の参道の紅葉もなかなかのものである。

そして、田んぼのあぜ道をぞろぞろと歩く行列にくっつく形で、鶏足寺に向かう。紅葉の協力金ということで鑑賞には200円を支払う。

そして参道へ。石段が伸びている。往年は両側にいくつかの建物があり、山中にあって賑わいを見せていたことだろう。それが今ではモミジの古木が並ぶ。紅葉情報の写真では参道にもモミジの葉が敷き詰められたのが出てくるが、こう人出が多いと絨毯というわけにはいかない。

紅葉のトンネルといってもいい参道を歩く。なかなかの色づきで、訪れる人たちからも歓声が上がる。

もう一つ、少し歩いたところには石道寺というのもある。こちらも山中に小ぢんまりとしたお堂があり、大寺院とは一味違った風情を出している。

紅葉のスポットといえばどうしても京都が取り上げられるが、こうした湖北のスポットというのも知る人ぞ知る感じでなかなか良かった。木ノ本までやってきたのは正解である。

再びバスに揺られ、木之本宿の中にあるドラマ館で下車。北国街道の宿場町として栄えた通りを歩く。道幅は結構広い。昔は中央に川が流れ、柳の木なども植えられていたそうだが、それを埋め立てたという。そのために道幅は広くなったが結構クルマの通行量が多い。他県ナンバーも多いが、カーナビがこの北国街道を通るように案内するのだろうか。

木之本は北陸と京・伊勢方面を結ぶ北国街道と、関ヶ原を通って江戸へ向かう短縮ルートである北国脇往還の分岐点。また気候にも恵まれて醸造業も盛んで、酒や醤油の老舗もある。

そして、本陣よりも堂々とした造りの木之本地蔵院に出る。宿場町でもあり、地蔵院の門前町でもある木之本である。中も立派な造りであり、午前の竹生島宝厳寺に続き、ここでも般若心経を唱える。観音さんではないが、お地蔵さんでもOK・・・やね?

本堂裏の書院から回ると秘仏の地蔵菩薩を後ろからお参りするのができるのだが、そこで般若心経の一文字を選んで紙に記し、奉納するというのがあった。うーん、一文字だけね。「空」とか「不」とか「無」という漢字が頭をよぎるが、私が選んだのはお経本文の最初に来る「観」。

この地蔵院は天武天皇の時代にまでさかのぼるとあり、古くは空海や木曽義仲、足利尊氏なども参拝したとか。また賤ヶ岳の戦いでは秀吉が陣を設けたという。なるほど、陣を敷くくらいのスケールはある。

駅に戻り、琵琶湖横断からは長浜、木ノ本と来た1日の行程も終了。琵琶湖近辺はまだまだ知らないスポットも多い。西国三十三所巡りとなれば滋賀県内にはあと5つ札所が残っている。周辺のスポットとうまく組み合わせて、湖国のよさというのを味わってみたいものである・・・。

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