まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

大阪9番「大阪天満宮」~神仏霊場巡拝の道・21(天満天神繫昌亭~半年の命、アントニオ猪木)

2022年07月19日 | 神仏霊場巡拝の道

7月10日の神仏霊場めぐり。初めての大阪編ということでキタにある太融寺に参詣後、大阪メトロ谷町線で南森町に移動。そして接続のJR東西線・大阪天満宮駅に着く。

地上に上がったところ、南北に続くのが天神橋筋商店街。日本一長いアーケード商店街である。大阪在住時はこの商店街内、特にJR天満駅近辺の大衆酒場でちょいちょい一献やった思い出もある。今回はそのわずかなところに触れるだけだが、また機会があれば楽しみたいところである。

そして向かうは大阪天満宮。言わずと知れた「天満の天神さん」である。毎年夏の天神祭は大阪のみならず全国的にも有名だが、このところはコロナの影響で自粛していたようだ。今年はどうなるのかな。

札所めぐりとして訪ねるのは初めてなので、改めて神社の由緒を書くと、大化の改新の数年後、孝徳天皇が難波宮を造った時、都の西北を守る大将軍社を建てたのが始まりという。その後、平安時代になって菅原道真が大宰府に流される途中に大将軍社に参拝して旅の安全を祈ったそうだ。そのこともあり、後に天神信仰の広まりを受けて天満宮となった。江戸時代の大塩平八郎の乱で社殿は焼け、現在の建物はその後の再建という。

大阪市内でも有名な神社ということで参詣の人が絶えることなく、祈祷の申し込みもいろいろ入っている。その中で手を合わせる。

朱印をいただく。こちらの朱印料は500円。ここまでいくつかの「神社」で、当たり前のように朱印500円というのに遭遇しており、これは「格式の高い神社割増料金」と割り切るしかないなと思う。いや、別に200円割増しに文句を言っているのではないですよ・・。

先に書いた大将軍社は今も別の社として残されている。

そして、まだ時刻は10時前だがここで次の行き先を決めるあみだくじとする。まずくじ引きで出走したのは・・

1.西大寺(奈良10番)

2.妙法院(京都39番)

3.法隆寺(奈良13番)

4.宝巌寺(滋賀6番)

5.日吉大社(滋賀17番)

6.賀茂御祖神社(京都21番)

・・・相変わらず兵庫県が一度も選択肢に出ないのはさておき、選択肢の西大寺といえば、前々日に安倍元首相が銃撃された大和西大寺駅近くの寺院である。もしここが出たら、たとえ安倍氏を支持していなかった者としても、これは何かの導きということで即刻そちらに向かい、手の一つでも合わせろということだろう。

そのあみだくじの結果出たのは・・・賀茂御祖神社(あみだくじアプリでは、くじ引きの出走とは全く関係なく枠が割り当てられる)。つまりは下鴨神社。京都ということで、次の神仏霊場めぐりの時期は未定だがその時に合わせることにする。

・・・さて、大阪天満宮といえば境内のすぐ脇に上方落語の通年寄席として天満天神繫昌亭がある。実は、前日に神仏霊場めぐりの目的地が大阪天満宮に決まった後で、せっかくなので繁昌亭の落語も組み合わせようと思った。広島に異動になってから繁昌亭ともご無沙汰である。

さらにその先には神戸での野球観戦があるので、狙いは朝席。10日の演目を調べると、「第79回 桂三風の早起き寄席」とあった。初めて目にする名前だが、芸名からして桂文枝(元・三枝)の弟子で、結構ベテランのようだ。10時30分開演で早起きもないやろう・・と思うが、前日にネットでチケットを購入し、天満宮近くのコンビニで発券した。

入口に向かうと30人ほどが列をなしていて、建物に入る。席は自由席で、開演近くには50人ほどの客が入っていた。

まずは桂三風の「さん風のたより」ということで前説があり、落語は3席。まずは桂三実の「みんな京阪」。名古屋出身のため。上方落語独特のイントネーションと、それに対する「訛り」に苦労した自身の体験からの創作落語で、大阪弁に悩む若手俳優が主人公のもの。大阪弁のセリフ「半年の命」をどうすればちゃんと言えるかを先輩俳優に相談した主人公、そこで受けたのは「標準語で同じイントネーションの単語に置き換えてみろ」ということで、そこで出たのは「アントニオ猪木」。「はんとしのいのち」、「あんとにおいのき」・・・。

その要領で、他のセリフも標準語で同じイントネーションの単語に置き換えて何とか大阪弁のセリフを覚えたのだが(「いちご」が「いぼじ」とか)、舞台本番、ちょっとしたことでとんでもないことになり・・・。

2席目は米朝門下の大ベテラン・桂米左の「饅頭こわい」。噺そのものは前座でもおなじみものだが、上方の「饅頭こわい」は、キツネに騙される話や、おやっさんの若い頃の怪談話(実は夢の話・・だが一部は本当)もあり、結構大作である。ベテランの話術でフルバージョンたっぷり30分聴かせていただいた。

そして最後は桂三風の「菊江仏壇」。上方落語の中でも大ネタの一つで、大店の信心深い大旦那、その放蕩息子、裏表ある番頭、そして店の者たちのさまざまな描写もあるところ。オチの後、この店の人たちはどうなったやらと気になることではある。

・・・こうして落語3席を満喫したのだが、その最中、私自身はちょっと厄介なことになっていた。公演中、会社用のスマホにいろいろ着信するのである。公演の合間に画面をちらりと見ると・・・あまりよろしくない知らせである。ただちに繫昌亭から出て対応に当たらなければならない・・というまでの緊急性はないが、内容からして、ここはそう遅くならないうちに広島に戻ったほうがよさそうにも思う。ただ、公演中に席を立つわけにはいかない。

そんなところだったので演者には申し訳ないが、「菊江仏壇」の後半はあまり耳に入らず、早くお開きにならないかなと願っていた。

お開きとなったところですぐに外に出て、とりあえず今後の対応を考える。いや正直、人間だから「何で休日に限って・・」と思う。ただ、着信への返事が遅くなったのに「寄席で落語聴いてまして・・・」とも言えない(少なくとも私の職場ではそうした言動をしようものなら、呆れられるだろう。何せワーカホリックばかりだから)。

結局、指示を受けたわけではないが自分の判断としてこの後の神戸での野球観戦はあきらめて、そのまま新幹線で広島に戻ることにした。そのことのグチは以前の記事で吐き捨てたのでもういい。

前日の山の辺の道エリア、そしてこの日の大阪市内(プラス落語寄席)を訪ねることができたたでよしとする。まあ、この後何もなく神戸で野球観戦して、夜遅くの新幹線で広島に戻るというのもそもそもハードなことで、この日帰宅してNHKーBSで大花火大会まで中継してくれたのをテレビ桟敷で観られたのは私にもよかったのかもしれない。

・・・これからもさまざまな不確定要素、不安要素ともにらめっこしながらの札所めぐりである・・・。

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