まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第11回四国八十八所めぐり~いよいよ伊予から帰阪

2017年09月09日 | 四国八十八ヶ所
「愛ある伊予灘線」の下灘駅での途中下車を見送り、松山に15時54分に到着した。列車で松山駅に降り立つのもずいぶん久しぶりである。四国の県庁所在地4つの駅の中で、もっとも古いスタイルを残す駅舎である。これは手つかずなのか、あえてそのスタイルを残しているということか。

帰りのバスは17時半発ということで、1時間半の待ち合わせ時間ができた。ただこの時間では松山城や道後温泉を回るには足りない。中途半端といえば中途半端である。

では、今日も暑かったし、バスまでの間に入浴はどうだろうか。と言っても、道後温泉に行く時間はない。そこは駅前に格好のスポットがある。松山駅から路面電車の電停を挟んだら斜め向かいに「キスケBOX」という施設がある。パチンコやカラオケ、ボウリングやゲームセンター、スポーツクラブを備えたアミューズメント施設なのだが、その1階に「喜助の湯」というのがある。天然温泉で、松山駅前も温泉としては「道後温泉郷」のエリアに含まれるという。入浴料金が600円とはスーパー銭湯価格としてもお手頃である。

キャリーバッグは駅のコインロッカーに預け、混んでいるは施設の傘立てに立てて入る。浴槽も広く、西日本最大級という炭酸泉の浴槽や砥部焼の風呂、半露天の風呂など楽しむことができる。浴槽に浸かりながら、そういえば今回の4日間の日程で、大浴場に入ったのはこれが初めてだなと振り返る。宇和島では、本館に大浴場があるビジネスホテルに連泊したにも関わらず、営業時間のこともありまずは汗を落とそうと、結局は部屋のユニットバスですませていた。

入浴後はしばらく広間で涼む。地元の人らしい客たちで賑わっていた。ここは朝5時から深夜2時まで営業しており、仮に夜行バスで松山入りした後や、松山から夜行バスに乗る前に一風呂という使い方ができる。また浴槽の広さや風呂の種類、休憩スペースという点を見ると、かつて訪ねた道後温泉本館よりも快適に過ごすことができた。もっともこれはあくまで即物的なことで、やはり歴史や伝統を感じるなら本館には行かなければならないと思う。これからの「松山市内シリーズ」のどこかでは回るつもりでいる。

そろそろバスの時間が近づき、駅に戻って飲食物を買い求める。大阪までは5時間半の道のり、夕食はバス車内でとなる。最後に、キリン一番搾りの「愛媛に乾杯」も持ち込むことにした。

やって来た車両は、西日本JRバスの「グランドリーム」車両である。当初は大阪~東京間の夜行バスに投入されたが、順次運用を拡大し、今年の春からは高知、松山便の一部にも入っている。最近の高速バスは、元々鉄道(新幹線、特急)より安いところに加えて、車内の快適性、ゆったりした座席を持つ車両も増えている。それが、私のように何回も四国めぐりに足を運ぶ上では選択肢が増え、乗り比べにもなっている。何だか、私の八十八所めぐりは、「四国との行き帰りをどうするか」というところにも結構ウエイトがあるように思う。松山となると他の行き方も当然出るわけで、次からはどうするか。

それはさておき、まずはグランドリーム車両である。シートの幅がほんの数センチだが広くなっているし、リクライニングするとフットレストが連動して持ち上がる。ゆりかごという意味の「クレイドル」という仕様で、シートに身を任せる感じである。確かに、行きに乗った通常の3列シート車両よりゆったり感はある。また、昼便だが各座席にカーテンがある。これは日中の移動にも個室感を出そうというものだ。

私の席は最前列ということで、右手のカーテンを引いて、左窓と前方の景色を見る形である。松山駅を出発して、路面電車とともに松山城の南側をぐるり回る形で大街道を過ぎ、松山インターに向かう。途中の渋滞で、高速に乗った時点では10分遅れとの案内があったが、この先は帰るだけなので特に気にしない。何せ5時間半の道のり・・・。

日の長い季節で、新居浜あたりまでは遠くに町の様子も見えたが、いつしか暗くなった。「愛媛に乾杯」も高速に乗った後で五臓六腑に染み渡った。

この後、定番の休憩スポットである吉野川サービスエリアと、淡路島の室津パーキングエリアに一時停車。淡路島まで来ると遅れもなくなっていた。そのまま、今回の起点だった湊町バスターミナルに着き、何とか19日のうちに帰宅することができた。やれやれ。

今回は高知から宇和島側を回って松山までと、四国の西半分を一気に回る旅だった。八十八所以外の記事が多かったが、いろいろなものを取り込んだ結果であり、個人的には非常に楽しむことができた。四国めぐりはこれから瀬戸内側のあちこちを回るが、大阪からの距離が近くなったので「ショットガン方式」の区切り打ちになる。また、先にも書いた「四国との行き帰り」もいろいろ経験しながら行きたいところである。八十八所後半戦はどんな展開になるか・・・・ここまで長々とした紀行文におつきあいいただき、ありがとうございました。
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