まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

旅人・大和人

2012年07月26日 | ブログ
もう少し、大和人さんのことについて触れさせてください。


自身のブログに「トラベルがたり」とつけるほどの旅行好き。そのスタイルは時刻表を駆使していろいろなローカル鉄道やバスを乗ることをメインにしつつ、一方では京や奈良の文化遺産や北海道の雄大な自然を好んでいた。また、かつてはユースホステルもよく利用しており、そこで知り合った人たちも結構いるようだ。その中の一人でも多くに彼の急逝が伝わればと思うのだが。


知り合ったのが旅のサークルということもあり(不思議と、サークルの公式行事ではほとんどご一緒しなかったのだが)、普段はお互い一人旅スタイルがほとんどの中で振り返ると、結構行ってるものである。それをいくつかのシリーズもので分けると・・・。


1・初詣企画。関西の私鉄めぐりをかねてのことで、阪堺電車、近鉄、阪神、阪急宝塚線、近江鉄道など。たま駅長で有名な和歌山電鉄も行ったなあ。混雑するからと京都だけは避けていた。


2・時刻表検定試験受験。かつて開催され、トリビアの泉でも紹介された試験。といっても履歴書に書ける国家資格でも何でもないところがミソ。普通なら地元の近場で受ければいいものを、あえて旅行と絡めて雰囲気を出してみた。高松ではこのブログにも登場するロッテファンのI氏の案内で讃岐うどんの名店を回ってみた。また名古屋では二日間でこれでもかと「名古屋めし」に挑戦してみたり。このほか金沢で受験したときは富山で合流して、富山ライトレールや万葉線、氷見線の旅を楽しみ、日本海の海の幸を堪能したり。普段は酒を飲まない大和人さんも旅先では開放的に。そして試験のほうはといえば、私が2級から1級への壁をなかなか破れなかったのに対して、大和人さんは安定して1級を取り続け、もう少しで「時刻表博士」も名乗れていた実力の持ち主であった(得点で級位が認定される仕組み)。

3・関東シリーズ。私が東京勤務の時に、夏の研修も絡めて遠征してくれたことも。房総半島一周とか、群馬の水上までSLとELが牽引する客車列車乗車。ガラガラになった客車の窓を全開にして上野に着いたことも。途中「ここが、鶴光の歌に出てくる鶯谷なんですね」とも。


4・混戦BB会。鈍な支障さんを会長に立てて野球と旅行、飲み会を3人で行うようになった最近のシリーズ。冬の余部にカニを食べに行き、季節はずれのピーカンの中で「明日は新型インフルエンザにかかったことにして皆で休もうか」と言ってみたり。昨年は飯田線の秘境駅を巡る臨時列車でミステリーに遭遇したな。翌日の名古屋巡りも濃かった。


そして、近いところでは「たまたま飲みで入ったのが九州料理の店だったので、次は九州新幹線で熊本に行こう」と話していた矢先の訃報だった・・・。


ここまで、読む方からすれば単に行ったところを羅列したにすぎないことかとは思う。ただその中で、鉄道やローカルの旅を楽しみつつボケや突っ込みを応酬するのを通して、地方の厳しい現実はそれとして批判するところは批判する姿勢が見られた。限られた機会で、いろいろなものをこの目で見てみようと。普段は入らない居酒屋にもチャレンジしていた姿が思い浮かぶ。


鉄道やバスを取り巻く環境は決して明るい未来を保証するものではない。そんな中で大和人さんはどのような交通を見据えていたのだろうか。残された者として、これからもあちこちの見聞を通して、この不思議の国の諸相を心に留めたいものである。そしてそれを残して行くこと、それが彼に対する供養になるのではないかと思うのである・・・。

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