まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

関門・元日の夜

2015年01月26日 | 旅行記F・中国
関門海峡と北九州を一巡りして夕方に下関に戻る。そろそろ暗くなってくる時間帯である。そんな中、下関駅前を少し歩くことにする。

駅前には歩道橋が巡らされているが、その一角に釜山門というのがある。ここから伸びるのが下関グリーンモール商店街。元々は邦楽座という映画館があったのだが火災で焼失。その後で買い物通りとして整備したのだが、駅前のシーモールができたこともあり客足が減り、そこに韓国人向けの店がいろいろと入るようになった。元々下関と韓国・釜山の結びつきは強いところ。それがいつしか「リトルプサン」ということで下関観光の一面として積極的にアピールするようになった。

まあ、規模で言えば大阪の鶴橋と比べても小さい感じであるし、おまけに元日のこととて商店街全体が閉まっているようだ。焼肉店が2~3軒開店準備をしているが、特に釜山とか韓国を強く感じさせるというほどのことはない。

一筋入った長門町。こちらは長門市場というのがあるそうで、開いていれば下関の下町風情を感じることができるのだろう。人通りのほとんどない中では、市営住宅の建物の古さを見るばかりである。ただあまり余所者がうろつくべきところではないだろう。

時間になったので、駅前にある「さかな市場下関店」に向かう。元日ということで食事処、飲み屋もほとんど開いていないだろうし(前日入った「和や」もお休み)、また開いていても混雑して入れないという恐れがあった。そのためにネットで調べて、元日で開いているところ、下関らしいものが食べられるところということで見つけて、席だけ押さえておいた。店自体は九州から山口にかけてのチェーン店のようだ。駅前の一つの通りに各チェーン店が圧縮されており、その一つのビルの地下が店の入口。チェーン店の居酒屋として見れば結構高級感のある内装で、案内されたカウンターの前には巨大な生簀がある。シーズンならここに活イカが泳いでいるそうだがさすがに今は水だけで空っぽ。後で聞けばこうした生簀を真ん中にデンと置くのは九州系の居酒屋では結構あるそうだ。

元日ということでメニューは限定ものだったが、まずはトラフクの刺身。量はこれまでのものと比べたら断然少ないのだが、皮やえんがわもついており、味としてはなかなかのものである。

下関で最近押しているあんこうは、あん肝を注文。こちらは身の大きなものだったが、前日食べてお代わりをした味噌和えと比べれば、こんなものかというところ。

ここで圧巻だったのがクジラ。クジラ刺の盛り合わせがあり、赤身、ベーコン、皮の三種が出てくる。

まあ、ここまでは大阪の居酒屋でもあるメニューだが、ここから先は下関ならではのメニューだろう。注文したのはクジラの食道の刺身(写真左)と、ひゃくひろの刺身(写真右)。いずれも湯通ししたものが出てくる。ひやくひろとは小腸のこと。漢字なら「百尋」と書くようだ。単位で「尋」は両手を横に伸ばした時の長さで、1.5~1.8m(5~6尺)くらい。それが100あるくらい長いというところから来ているのだろう。いずれもさえずりに似た味で、内臓系の臭みというのはほとんど感じられない。歯ごたえを楽しむことができる。

もう一つ出てきたのが、冬から春が旬というウチワエビの塩焼き。その名のとおりうちわに似た形だが、何だかウルトラマンかウルトラセブンで、こういう形をした怪獣がいなかったかな。小型で身もほとんどないが結構甘い。(そんなに食べた経験がないので私の実感は薄いのだが)味は伊勢海老に匹敵するかそれ以上であるという人もいるそうだ。別メニューでウチワエビの味噌汁もあり、なるほどこのエビなら出汁に使うのがよさそうな感じである。

2晩続けて下関の味覚を楽しむことができた。ただまだホテルに戻るには時間が早い。前日は海峡ゆめタワーからの夜景を見たのだが、今夜は門司港に行ってみようか。門司港レトロの建物もライトアップされているそうだ。午前中は風と雪でそれほど楽しめた感じがしなかったし、展望台からの景色も見比べたい。再び列車に乗り込み、関門海峡をくぐるのであった・・・・。
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