まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第83番「正覚院」~広島新四国八十八ヶ所めぐり(札所めぐりの後は暑気払い・・)

2024年08月03日 | 広島新四国八十八ヶ所

第83番・正覚院に向かう。広電の廿日市電停からすぐのところに「天満宮」の看板がある小高い丘が見える。正覚院はその境内に同居している。

まずは天満宮の鳥居をくぐる。廿日市天満宮は鎌倉時代、幕府から厳島神社の神主に任命された藤原親実が桜尾城に着任後、鎌倉の荏柄天神を勧請したのが始まりである。藤原氏はその後代々厳島神社の神主を務めていたが戦国時代、大内義隆に討たれて断絶した(厳島神社の神職は、藤原氏以前に当主であった佐伯氏に移り、現在に至る)。

現在の天満宮は江戸時代、町の氏子たちの寄付によりここに移転する形で社殿が建てられた。その別当天神坊が現在の正覚院である。

石段を上ると広島湾から廿日市の木材港、建物の背後であるが宮島・弥山の景色が広がる。外は猛暑だがここは常に風が吹き抜けて心地よい。天満宮に手を合わせた後、前の休憩所で少しくつろぐ。

さて、正覚院である。歴史でいえば天満宮よりはるか昔、行基により開かれ、弘法大師空海が宮島・弥山を開いた際に真言宗に改宗した。藤原親実が桜尾城に着任した際に祈願所と定め、江戸時代に天満宮が再建されるのに合わせて別当寺となった。そして、明治の神仏分離により、同じ境内ながら別の寺社となった。それでも、棟続きではないかと思うくらい近接している。

正覚院には以前に一度来ている。広島新四国の第68番が正覚院の別院薬師堂で、現代の名仏師である松本明慶師による薬師如来を祀っている。札所番号順ということで先に別院だけ参詣したのだが、朱印は正覚院の本堂でいただくよう案内され、その際、正覚院の朱印(不動明王)もいただいた。その時に第83番もクリアにしてもよかったのだが、ここは改めて番号順ということでの再訪である。

こちらは縁側に賽銭箱その他が設けられており、廊下越しに本尊不動明王の姿も見える。外から立ってのお勤めとする。朱印は前回いただいているので特に寺の方に声をかけることもせず、そのまま天満宮の石段を下りる。

これは後で知ったことだが、今年の5月だったか、廿日市の市街地でクマが目撃され、近くの学校が臨時休校になったというニュースがあった。これに関連して、市街地の寺の境内に設置された防犯カメラに徘徊するクマの映像も流されたが、その寺とはここ正覚院だった。

さて、これで廿日市駅前の3ヶ所を回り終えた。これで広電で帰宅するのだが、せっかくの休日ということで途中楽々園で下車する。駅から歩いて5分のところにある「塩屋天然温泉 ほの湯楽々園」に向かう。広島市内で天然温泉かけ流しで、各種浴槽も揃っているので特に土日は多くの客で賑わうところだ。

こちらには何度か訪ねているが、今回初めて岩盤浴「チムジルバン汗蒸洞」も利用してみた。さまざまなタイプの岩盤浴、そしてサウナ「熱炎楽房」もある。

このサウナは通常は50度くらいの低温設定なのだが、1日数回、あのロウリュウタイムがある。これも体験と入ってみたが、サウナストーンにアロマ水が掛けられると一気に蒸気が噴き出て、そこに熱風が起こる。室内からは「熱ッ!!」と声を挙げる人もいる。そこは大型タオルを体に巻いて何とか熱さをしのぐ。時間にすればほんの数分だったのだろうが、これは効果的だ。

岩盤浴とロウリュウで火照った体をクールダウンさせるのは、室温11度の「涼風楽房」。水風呂にいきなり飛び込むよりは体にやさしいそうだ。

こちらの岩盤浴エリアは特に時間制限もなく、リクライニングソファもあればごろ寝できるスペースもあり、多くの人が室内着姿でくつろいでいる。私もこちらで寝転がった後、また別の浴室に行き、涼風でクールダウンして・・というのを何回か繰り返す。あちこち出かけ回るのもよいが、こうした一所でゆっくり過ごすのもよいものだ。

さて湯上りの後はビールだが、こちらの館内で飲むのは我慢して、ふたたび広電で五日市に移動。向かったのは、昼から営業の「大衆食堂 安べゑ」。「肉豆冨とレモンサワー」が売りのチェーン店だが、食べ飲み放題のコースが1人からでも注文できる。

何はともあれまずは生ビール。

食べ放題コースは最初に看板商品の肉豆冨、揚げ物盛り合わせが出た後の注文である。

枝豆や軽いあての後、どて焼き串やたまふわ焼きといったところをいただく。鍋で造ることでちょっとケーキ風の玉子焼きができるというのも初めて見た。

レモンサワーもシンプルなものから生絞り、自家製漬け込みなど甘口、辛口多数ある。

メニューに、クリームチーズクラッカーと韓国のりがあるのを見つけ、同時に注文。これで岡山のミシュラン居酒屋「鳥好」で注文する「のりくらっち」の再現である。もっとも、この組み合わせだと普通のスライスチーズのほうが似合うようだが・・。

締めは早い夕食を兼ねて、まぐろ刺身定食。あれこれしっかりいただけて満足。また訪ねてみたい・・・。

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