7月9日、天理での神仏霊場めぐりが終わるのを待っていたかのように降ってきた雨。JR万葉まほろば線で移動して奈良駅に到着するとまた小降りにはなったが、ここまでの汗と雨で衣服も濡れてしまっている。この日はここで打ち止め。
そういえば、奈良に泊まるのは生まれて初めてである。大阪出身、在住ということで奈良は日帰り圏内だし、これまで広島から札所めぐり等で来た際も、大阪や京都などに泊まったことはあったが、奈良はなかった。もっとも、旅行者の中にあっても、奈良というところは宿泊地としてのイメージはそれほど強くないのではないかと思う。そんな中でも昨今はインバウンドの客が増えたせいか、特にJR奈良駅近辺にも新しいホテルが建つようになっている。
今回宿泊するのはJR奈良駅に隣接する「スーパーホテルLohasJR奈良駅」(ロハス・ジュニアとちゃいまっせ)。温泉浴場がついているのも決め手となった。
部屋は奈良駅のロータリーに面しており、駅前を行きかう人々や、奈良駅に発着する列車の姿も見える。ここもちょっとした「トレインビュー」ホテルである。また、遠くに目をやると興福寺の五重塔、若草山を望むこともできる。
チェックイン後、まず向かったのは「飛鳥の湯」。大和郡山の地下800mから湧き出る天然温泉を運んでいるということだ。とりあえず入浴してさっぱりした。
そして、ウェルカムバーへ。夕方の時間帯、アルコール・ソフトドリンクが無料サービスでいただけるという。残念ながら生ビールのサーバーはないのだが(ビールは自動販売機で有料)、焼酎、リキュール、ワインなどがセルフサービスで楽しめる。
その中の目玉といえるのが、奈良の地酒「春鹿 純米超辛口」。やって来る人の多くがこれを注いでおり(私も何杯かお代わりしたが)、早いペースで瓶の中身がみるみる減っていく。
カウンターに腰かけて、外の景色を見ながらの一献である。参議院議員選挙を翌日に控え、候補者も最後の訴えをする時間帯である。この奈良駅前も演説会場に適したところのようで、来た時には共産党の候補者が演説しており(ただし聴衆はほとんど見えず)、それが終わると入れ替わりにオレンジの参政党の候補者とその支援者がやって来て、演説の準備を行っていた。奈良選挙区は定数1だが、事前のマスコミ予報によると自民候補が優勢とのこと。これは安倍元首相への銃撃事件とは関係なく、もともと奈良県は自民党が強い土地で・・。
ウェルカムバーを出て、部屋に戻る。この日は雨ということもあり、外の居酒屋に出向こうという気にはならなかった。そのため、奈良駅で下車した時に構内の土産物店やスーパーで飲食物、惣菜を仕入れていた。これで改めて部屋での一献である。
それでも奈良に来たのだからということで、締めは「たなか」の柿の葉寿司、そして寿がきや製の「奈良天理ラーメン」のカップ麺である。これもご当地ラーメンに分類される。天理教の信者や、天理大学の学生向けに出された中華料理をベースとしたラーメンがその元ということで、やはり天理教とは切っても切れない。
夜は早々と横になった・・・。
・・・さて翌10日。この日の天気は申し分ないようである。朝風呂の後、コンビニで買ってきたもので朝食である。スーパーホテルといえば朝食つきが標準で、ホテルもそれを大々的にPRしているのだが、こちらでは朝食を断られてしまった。レストランに定員制を敷いていてすでに予約でいっぱいとのこと。そんなのありか。システムは致し方ないとして、対応した係の人の態度に大きな不満が残った。
気を取り直して、まずは大和路快速で大阪に向かう。目指すは大阪天満宮だが、そこに行く前にもう1ヶ所訪ねておくことに・・・。