まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

天浜線、西半分を行く

2013年05月17日 | 旅行記D・東海北陸

5月の連休が結構前のことのように思う。

Dscn0728天竜二俣の町を歩いた後、天浜線で西に向かう。この辺りから再び開けた感じの車窓となる。乗った列車もそこそこに乗客が多く、今度は車両の最後部に陣取って車窓を楽しむ。天竜川にかかる鉄橋も時代を感じる。この辺りから出る観光船だったか、水没事故を起こしてしまったのは。結局その観光船も営業を取りやめたとかいう。安全に配慮、ということは当然しなければならないことだが、その昔に舟に乗っていた人というのは別に危険ではなかったのだろうか。

フルーツパークで子ども連れを含む家族連れが多く乗ってきて、車内は結構満員。連休ならではの光景だろうか。

Dscn0744Dscn0761次に下車したのは気賀。こちらは駅舎とホームが登録有形文化財となっている。ホームの柱や梁の組み方にも時代を感じさせる。

Dscn0746一方で駅舎も昭和13年の建設当時の姿をとどめている。それはいいのだが、今では駅舎にあるラーメン屋のほうが看板が大きい。外にはメニューの写真やら、テレビの取材が来たとかいうことでレポーターの人との記念撮影とか、結構派手な感じである。

Dscn0749下車したのはラーメン屋目当てではなく、すぐ近くにある気賀関所跡。前日4日に新居関所を訪ねたが、あちらがメインルートとすればこちらはサブルート。

Dscn0752「姫街道」とも呼ばれるが、それはメインルートの東海道が舞阪~新居の間を舟などで渡らなければならず、その煩わしさを嫌って高貴なお姫様などは多少遠回りになっても陸路を通っていったという。そのことから「姫街道」の名がついたそうだ。川越しというのは当時としては大変なことだっただろう。二川の資料館で川を渡る風景を描いた浮世絵などを見ることがあったが、その中で、女の人が続けて川を渡るのを描いた絵で、女を肩車したり、蓮台でかついだりという人足が結構スケベな目で女を見上げるというような感じで描かれていたのがあった。やはりセクハラ、痴漢まがいのようなことがあったのかもしれない。

それだけではなく、新居関所は特に女性の往来の取り調べは厳しかったそうだ。そのこともあって、取り調べがまだ緩い気賀関所を通ることも多かったのかな。

Dscn0762復元された関所跡を見物した後、次の列車まで時間があるので一度逆方向へ、金指まで戻る。このホームと上屋も文化財ということで、それを少し見た後で再び新所原行きに乗る。

Dscn0774先ほど通った気賀を過ぎ、列車は浜名湖にさしかかる。天浜線、天竜浜名湖鉄道の社名の一部の景色にようやく出会える。冬にはカモメが多く集まり、その景色が風物詩でもある浜名湖佐久米を過ぎる。

Rscn0771Dscn0776その後は穏やかな浜名湖と静岡みかんの畑。ちらりと見える浜名湖も結構風情があるところで、こういうところの静かな宿やペンションに泊まると心落ち着くことと思う。またこの辺りの三ヶ日みかんは静岡みかんのブランドの一つ。紀州有田でみかん栽培している伊藤嘉昭氏からの便りでは、この時期にはもうみかんの花が咲こうかという時期だったが、こちらはまだ花の気配はなかった。季節という点では紀州のほうが先取りということかな。

Dscn0782浜名湖とも別れ、そろそろ終点が近づく。朝から浜名湖を中心にぐるりと回った一日。それぞれの駅に味わいと地元の人の温もりを感じた天浜線、なかなかいい路線であった。

Dscn0783新所原からJRで豊橋に移動。ここで乗り換えて名鉄特急。ちょうど次の便がパノラマカーということで、列車の最後尾、逆方向に景色は流れるが大きな窓でそれらを楽しむ。名鉄にはまだまだ未乗車の路線、区間も多く、いずれは名鉄メインの乗り歩きもやりたいところである。

Dscn0799名古屋に到着。少しでも早く帰ろうということで、予約していた特急を繰り上げる。近鉄名古屋での特急発車1分前のおなじみである「ドナウ河のさざなみ」のメロディーを聴くと、「名古屋から大阪に戻るんや」という実感がする・・・・。

なかなか訪れることのない東海地方を楽しむことができた連休の2日間。今度この辺りを訪れる際は、先ほどの名鉄線めぐり、今回も見送りとなった遠州鉄道、そして宿泊はおろか改札口も出たことがない浜松・・・、それぞれの面白さがあることだろう。それを見るのも面白いかな・・・・。

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