2泊3日の小名浜出張も終了。風力発電タワーと羽根を積載し、昨夜22時から23時にかけて、小名浜埠頭を出発した4台のトレーラーは日付の変わった2時から田村市内の山上に到着。最終組が4時過ぎに到着したのをうつろな状態で見届け、一足先に山を下り、ホテルに戻ったのが明け方5時半。東京の放送局と福島の放送局の両方が映るテレビをつけながらしばし眠る。ともかく、これで一連の輸送作業を視察するという出張は終了した。
常磐線の泉駅からスーパーひたちに乗り込み、上野と東京で乗り換えて大阪に戻る。2日連続の夜間勤務ということもあったため、職場には戻らず直接帰宅する旨は伝えており、OKをもらっていた。
途中で立ち寄った書店で手にした一冊。『新幹線、国道1号を走る~N700系陸送を支える男たちの哲学』(交通新聞社新書、梅原淳・東良美季著)。
少しずつ東海道・山陽新幹線でその勢力を伸ばしつつあるN700系。本書では、これまでの車両と比べての快適性・省エネ性を追求した車両であるN700系のメカニズムを紹介するとともに、メーカーから納品先であるJR車両基地までどのように輸送するのかということについて、その陸送のプロセスを追ったものである。
普通に考えれば、鉄道車両であるからレールの上を伝って輸送するということなのだが、N700系というのがこれまでにもない形状であったために、レールではなく国道上をトレーラーで陸送するということになる。
そのプロセスというのが、今回私が視察した風力発電機器の輸送にも通じるものがあり(つまり、私の業務にもいろいろつながりがあるということで)、「いつの間にこういう書物が世に出ていたんやな」という思い。迷わず手にして、帰りの車内で読むことにする。
・・・そうなれば、乗車する車両はやはりこうでないと、ね・・・・。
車両の陸送というのは一見簡単そうに見えて、その準備の念入りさであったり、輸送に従事する人たちのチーム力というものは一朝一夕に培われるものではない。運輸の部門というのは決して派手なものではなく、こういう地道な面というのが非常に多いもの。こういう業務の紹介を通して、少しでもこういった分野の「社会的地位」というものを認知してほしいものである(決して、エリートな商売ではないから・・・・)。
N700系に乗車される機会があれば、ぜひ車窓のお供にしていただきた一冊。