まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

しまなみ海道を行く~瀬戸内野球観戦紀行・5

2009年06月13日 | 旅行記G・四国

松山坊っちゃんスタジアムでの独立リーグ観戦、友人との痛飲の翌朝。サッカーの日本代表が「世界最速」でワールドカップ出場を決めたとのニュースを見る。前夜は、ギネスビールとウイスキーを好む友人の希望でスポーツバーで飲んだのだが、その店でもテレビ中継を流すということで、テレビの観やすい席は予約が入っていた。愛媛のサッカーといえばJ2に「愛媛FC」というのがあるそうで、この店でもポスターやマフラータオルが展示されていた。

サッカーはさほど興味がないので、まあ頑張ってくださいとしか言えないのだが、地域密着経営という点では先を行くJリーグ。野球も見習うところが多いのではないだろうか。

気持ちよい青空の下、広島・マツダスタジアムを目指して、松山から今治に向けての山中の国道を走る。カーナビでルート検索したところ、松山からだと松山道ではなくこのルートが最短のようである。松山道を走れば三角形の二辺を行くような形になるようだ。

Dscn1626久しぶりのしまなみ海道である。西瀬戸道に入り、最初に現れたのが来島海峡大橋。橋を見るためにパーキングへ。鳴門、関門と並ぶ「日本三大急潮」と呼ばれるところである。こうして離れたところで眺める分には、向かいの大島を初めとした島々が並ぶ穏やかな風景に見えるのだが、この下の流れがそれほど急とはね。

大島に上陸し、大島南インターで下車。狭い島のこととて、四国側の出入り口は大島南、本州側の出入り口は大島北と、二つのインターを設けるということになっている。

Dscn1629島を縦断してやってきたのが、村上水軍博物館。中世から戦国の世にかけて、瀬戸内一帯に勢力を張った村上水軍。独立リーグの「愛媛マンダリンパイレーツ」というチーム名前は、ミカンの英名である「マンダリン」と、海賊を意味する「パイレーツ」から来たものだが、その海賊こそ、この村上水軍を指している(そういえば、昨日の試合で、選手紹介時やイニング間に、「パイレーツ・オブ・カリビアン」のテーマ曲が流れていたな・・・・)。

Dscn1635もっとも、「パイレーツ・オブ・瀬戸内」たる村上水軍いうのは、何も略奪を生活の糧にしていたわけではなく、海上交通を仕切り、安全な航路の案内や護衛を行う見返りとして一定の通行料を取り、財源にしたという。一方では、河野氏や毛利氏など、瀬戸内の戦国大名に従軍し、戦のカギを握ったこともある。厳島合戦などは、水軍の力がなければ毛利元就が勝つことはなかったとも言われている。

とはいうものの戦など年中あったわけではなく、日常生活では漁業もやっていただろうし、船頭のようなこともやっていたのだろう。海に生きる民としての生活があったはずだ。

Dscn1637この資料館から海のほうを見やると、ちょうど、村上水軍の最大勢力であった能島村上の本拠地である能島が見える。面積からいえば圧倒的に大島や対岸の伯方島のほうが大きいのだが、櫓を構え、四方ににらみを利かせるにはよい立地条件だったのだろう。

中の資料館は水軍の活躍ぶりや生活の様子がうかがえ、いわゆる「海賊」のイメージとは違う「水軍」のことが一通り理解できるようになっている。何というのかな、海に生きる男たちのロマンというのを感じさせてくれる。

Dscn1641続いて向かったのは、大三島。ここでは大山祇神社を訪れる。ご神木の巨大な楠の向こうに、すがすがしい感じの建屋が見える。中世の世に訪れた気分である。

Dscn1642この神社は「日本総鎮守」と称されていることもあってか、神社の建物だけではなく、宝物館が有名である。何でも全国の国宝・重要文化財の指定を受けた武具の多くがここに保存されているという。源頼朝や源義経が奉納した大鎧や、護良親王が奉納した太刀などが展示されている。数百年も前に造られたものでどうしても色あせて見えるのだが、奉納当時のものはより色鮮やかで、刺繍も美しいものだったのだろう。頭の中で想像をめぐらせるのは楽しいが、逆に、それだけに時代の流れというのを感じさせられる。

「建造当時」と「1300年後」の姿を同時に見ることができるスポットとして奈良・薬師寺の東西の塔が挙げられるが、その姿を思い出していた。

Dscn1647これから渡る多々羅大橋を臨む道の駅がある。橋を眺めつつしばし休憩。朝から寄り道が多かったので時間も昼前となっていた。ここからクルマで1時間半も走ればマツダスタジアムにたどり着けるのだが、目の前の生簀には鯛やヒラメが踊っており「兄さんちょっと」と呼びかけているようだ。うーん、昨日は瀬戸内の魚介類を・・・という飲み会ではなかったので、ここで食べていくか。

Dscn1650ということで、ヒラメをふんだんにつかった「多々羅御膳」をいただく。これだけあれば一杯行きたいところだが、何せクルマ旅行なもので・・・・。

Dscn1649そんな時はやはりこれ。ビールと比べて甘ったるい感じがするのだが、のど越しを買うという意味で。

改めて観光地図を見ると、このエリア一帯には改めて訪れてみたいスポットが点在している。今回はあくまで野球観戦がメインであるのでその多くは通過することになるが、今度はゆっくりと、レンタサイクルで走るのも面白いかな。そんな感じにさせられたひと時であった・・・。

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