会津若松へ行ってみよう。東京からでも「青春18」を使うなどして日帰りでも十分に行けるところである。
早朝の東武浅草駅。まだ夜が明けない中、快速列車のボックスシートに身を置く。東武日光へ向かう車両と、鬼怒川温泉を経て野岩鉄道・会津鉄道の会津田島まで行く車両とに分かれている。そう、「青春18」があるといっても東北線~磐越西線や、上越線~只見線のルートではなく、通常運賃を払って東武鉄道ルートで会津まで行くというものである。私鉄でボックスシートの車両に揺られるのも面白いし、車窓の変化にも富んでいる。時間は4時間以上かかるが、このくらいがちょうどいいペース。
シーズンオフのためか日光行き・会津田島行きとも空いており、ゆったりと走る。鬼怒川温泉を過ぎれば、山々を突き抜けるトンネルも増え、長いトンネルを抜けると福島県。日陰に霜は降りているものの雪は全然なく、穏やかな冬の青空が広がる。
会津田島からは向かい側の会津若松行きに乗車。ところどころに霧が発生しているが、冬の車窓を淡々と北上していく。途中、藁葺き屋根の駅舎を持つ湯之上温泉や、最近話題の「猫の駅長」がいる芦ノ牧温泉を過ぎる。「猫の駅長」は、鉄道の駅なのになぜか「バス」という名前で、こちらの列車が着くと反対側のホームに出てきての「お見送り」。猫は嫌いではないのだが、「品種」でいえば三毛猫のようなのが好みかな・・・・。
西若松着。ここで列車を降りる。市街地の南西部に位置するこの駅から歩いて20分ほどで(路線バスの便もあるようだが)、街のシンボル・鶴ヶ城の天守閣の下に出ることができる。
再建されたものをまた改修したこの天守閣。往年のものではないとわかっていてもその形というのは、何度訪れてもいいものである。優雅というのかな。
本丸広場の松の木に雪対策の三角形の囲いがされているが、果たして雪はどのくらい降るのだろうか。以前に「雪ほたる」という、会津ろうそくの灯りと雪灯りを楽しむイベントを見たことがあるのだが、2月だったにも関わらず鶴ヶ城や市街地にはほとんど雪がなかったのを憶えている。
天守閣の最上階から市街地を望む。北東には磐梯山、北西には飯豊山地。こちらはいずれも雪をかぶっており、雄大な景色を見せてくれる。
2009年の大河ドラマは直江兼続が主人公の「天地人」であるが、ここ会津は一時期上杉景勝が支配するところであった。となれば兼続も登場するということで観光キャンペーンである。天守閣の資料展示も、上杉氏による支配にちなんだものを企画展示で紹介するという。白虎隊のイメージが余りにも強い会津だが、新たな面をアピールすることができるかどうか・・・・。