ぼくの伯父さん/ジャック・タチ監督
今の眼で見るとあんまり笑えないなあ、と思いながら観た。目新しさが、逆に古臭いというか。そうして結局現代的な方向とは少しずれていて、まあ、そういうのは面白かったかもしれないが…。
それにしても、お金がある程度ある方が、人間の見栄というのは助長されていくのかもしれない。実際の金持の生態をよく知らないから的外れかもしれないが、金をもっているはずの人々が、なんとなく貧弱な見栄で生きているようにも見えて、まあ、それがこの映画のシュールな笑いになっているわけだが、それなりに悲しい感じも同時にあるのであった。
しかしながら、親戚あたりにそのような成金というか、適当に成功してしまうような人が現れると、そうでない場合の立場になってしまうだけで、随分不幸なことになるということはあるのかもしれない。それはどうにも仕方無いことのように見えて、身近にある不幸ということなのかもしれない。みんな不幸ならみんないいということは言えないにせよ、その辺の塩梅がちょうどいいという社会の実現は、たいへんに難しいように思える。結局人類というのはそのような不公平な感情を抱きながら、そういう位置が変化していく歴史を刻んで行くしかないのかもしれない。生きているうちに逆転の無い人生もあるだろうけど、そこんところは運なんでありましょう。
今の眼で見るとあんまり笑えないなあ、と思いながら観た。目新しさが、逆に古臭いというか。そうして結局現代的な方向とは少しずれていて、まあ、そういうのは面白かったかもしれないが…。
それにしても、お金がある程度ある方が、人間の見栄というのは助長されていくのかもしれない。実際の金持の生態をよく知らないから的外れかもしれないが、金をもっているはずの人々が、なんとなく貧弱な見栄で生きているようにも見えて、まあ、それがこの映画のシュールな笑いになっているわけだが、それなりに悲しい感じも同時にあるのであった。
しかしながら、親戚あたりにそのような成金というか、適当に成功してしまうような人が現れると、そうでない場合の立場になってしまうだけで、随分不幸なことになるということはあるのかもしれない。それはどうにも仕方無いことのように見えて、身近にある不幸ということなのかもしれない。みんな不幸ならみんないいということは言えないにせよ、その辺の塩梅がちょうどいいという社会の実現は、たいへんに難しいように思える。結局人類というのはそのような不公平な感情を抱きながら、そういう位置が変化していく歴史を刻んで行くしかないのかもしれない。生きているうちに逆転の無い人生もあるだろうけど、そこんところは運なんでありましょう。