今日はカメラの日である。1977年11月30日に当時の小西六工業(現コニカミノルタ)が初めてオートフォーカス(AF)機能を搭載したカメラを発売したことを記念した日だという。
アメリカではこのように素人でも扱えるカメラというものを「休日に気軽に持ち出して使えるカメラ」という意味で、バケーション・カメラ(vacation camera)と呼ぶようになる。その言葉が日本にも輸入されて省略され「バカチョン・カメラ」という呼称が生まれ定着してしまう。
そうなるとこの「バカチョン」を、バカでもチョン(おそらく朝鮮人の意味)でも使える簡単操作のカメラの意味だと勘違いする人々が増えてしまった。それで、これは差別的だということになって自粛騒動になってしまった。勘違いした人も差別だと思った人も一様に馬鹿である。もちろん僕もそう思ってたけど…。
しかしながら今となってはAF以外のカメラの方が圧倒的少数派で、いわゆるバカチョン・カメラしか売られていないような状況になってしまった。わざわざバカチョンと他の難しいカメラとの区別化を図って表現する必要も無くなってしまった。こうなると、今度は自然にバケーション・カメラなんて言う人はいなくなる。よってもともと差別でもなんでもなかった差別語と思われた言葉も、使われなくなっていくのだろう。
人間の馬鹿さ加減はそんなに変わらないと思うのだが、その痕跡は消えてしまう。それで良しと思うか否かは、もちろん思う人の勝手である。