外に出るとウグイスが激しくホーホケキョと鳴いている。恋の季節なのであろう。しかし鳴き方はずいぶん上手くなった。きっと彼(なのか)も大人になったに違いない。ウグイスの鳴き声などは普通は風流なのだろうけれど、田舎ではあまりの大合唱ではっきりいってうるさい。もっと遠くで鳴いてくれないだろうか。
陽射しはぽかぽかしているが、風は冷たいようだ。日陰が気持ちいい。日陰を選んで歩くのがいい。都市だと日陰が多くて歩きやすいが、田舎は日陰が少ないので困る。真夏は歩くことを拒否しだす。まあ、それは都市もそうだが。
草払いの音もあちこちから聞こえる。あちこちで草が伸びているのだろう。草にも都合があるだろうが、そのままだと畑は(主に畦だろうけれど)どんどん荒れていく。人間と自然というのは、お付き合いをしている。もちろんそれは一方的に人間の都合には違いないが、自然のおすそ分けをいただくためには、人間には環境を整えなければならない。人間は、生の自然の厳しさに耐えられるほど強くない所為である。ナイーブな所為で生の自然を壊すしか人間は生きられない。都市は人間の弱さの象徴なのかもしれない。
さて、ナーバスになっている場合ではない。自然はちゃんとたくましい。放っておいても(程度にもよるが)勝手にどんどん回復する。人間はがんばらないと物事が片付かない。放っておいたらたいてい事故を起こす。少なくとも問題が起こる(もちろん厳密には場合にもよるが)。
トラブルの多い人や、いわゆる運の悪い人がいる。必ずしもいえることとはいえないのかもしれないけれど、片づけが下手な人が多いらしい。もしくは物事を後回しにする傾向が強いとか。完全に僕に当てはまる傾向である。意味もよく分かる。
分かったので掃除をしよう。もちろん後でなくて最初にしよう。「足元のごみを拾えないヤツに何ができる」手帳のメモに書いてあるが、出典は忘れてしまった。僕は何もできないヤツにはなりたくない。何でもできるようになりたいわけではないが…。
最近僕は靴をそろえて脱ぐようにしている。別に誰にほめてもらいたいわけではない。今までぜんぜんそんなことはしていなかった。していなかったがしてみたくなった。三つ子の魂百までという。意味が分からないわけではないが、僕はそうとは限らないと思う。自分で証明できるものか分からない。変化する自分を楽しんでいるのかもしれない。