吉村 昭のエッセイ「ひとり旅」を読んだ
私は日本史に興味があるので吉村 昭さんの歴史的事象に題材をとった作品が好きで数篇読んだ。「長英逃亡」「彦九郎山河」「桜田門外ノ変」など。 吉村さんの歴史小説は小説というよりもどこかドキュメンタリー風なところがあって自分が知りたいなと思っているようなところに何故かキチッと焦点が合うところがあって凄いなッと思う。「長英逃亡」は江戸時代の儒者 高野長英()、「桜田門外ノ変」は首謀者水戸藩士の関鉄之介()、「彦九郎山河」は高山彦九郎() どれも日本史の狭間に埋もれた人たちといってもいい……けれどもいずれも信念に忠実に生きた人達。知らなかったことが多くて吉村さんの本からどれだけ啓発されたことか……。
こうした作品のために自ら取材に各地を訪ねる吉村さんの姿勢にも感心すること頻りだった。司馬遼太郎さんにも同じことが言えて、歴史物を書く時の姿勢が好きだ。
「ひとり旅」はこうした吉村さんの取材に基づいたエッセイを中心に普段のとりとめもない日常のことなども書かれている……とりとめもないといってもそこにはキラリと光るものがあって…。
そうした個々のことは自分の感じたままに追々と採り上げたいと思う
