西部劇と懐かしのカントリー&ウェスタン日記

現代とはかけ離れたOld Countryの世界ですがずっと続けていきます。興味のある方は時々のぞいてみて下さい。

本 「きまぐれ歴史散歩」を読む

2017年09月02日 | つれづれに
「きまぐれ歴史散歩」  
著者: 池内 紀  中公新書 2013(平成25)年発刊 
歴史に関する紀行、旅行記等が好きで本屋に行ったらたいていその辺に焦点を合わせて覗いてみる。今回はこの本、博多~鹿児島間の新幹線移動時に読もうと思って買った。帯に ” 歴史の「現場」をふらっと訪ねる ” ・・・とうたってあるので面白そうと思って買った。 
 
まえがきに ” 歴史の洗礼を受けた土地は奇妙なオーラをおびている。余光・残照といったものだ。たたずまいが微妙にちがう。川を埋め、山を削り取り、海を動かすことも自由自在のご時世だが、歴史の守護神が見張っていると そうはいかない。百の条例よりも一つの事件が、風土を厳しく守ってくれる。 歴史の散歩をするとよくわかるが、風景が歴史に合わせて微妙に変わっていくものだ ”・・・と書いてある。 私も歴史的な場所を訪ね歩くことが好きなので著者の池内さんのおっしゃっていることがその通りだなあ-とよく理解できる。 
 
・旧石器あらわる・法隆寺金堂出火・空海開山・運慶多忙なり・あな悲し壇ノ浦・天下分け目の関が原・赤穂城明け渡し・浅間大変/天明の大噴火・大塩立てり・和ノ宮様お通り・寺田屋の血しぶき・嗚呼壮絶会津戦争・国男少年の故里・足尾の百年・秩父困民党蜂起・北海道庁開庁す・坂東俘虜収容所・再会、われらのメンタム・大本弾圧・特攻隊出撃す・原爆投下・光太郎の山居七年・「岸壁の母」異聞・伊勢湾台風・「永仁の壺」事件・霞が関ビルの誕生・・・・といった項目があって、すべてその歴史的な土地にまつわる話が載っている。 
 
パッと見だけで ははぁ・・・とわかるものもあれば題名だけでは何のことかわからないものもある。著者の池内さんはそのすべての歴史の洗礼を受けた地を訪ねて風土、人間、事物などあらゆる面から述べておられる。昔日本史で勉強したようなありきたりの知識とは違った発見があって面白く読むことができた・・・まだまだ知らないことがいっぱいだ。 例えば「旧石器あらわる」では黒曜石の石器を発見したアマチュア考古学者Iさんと ” 岩宿遺跡 ” について教科書では習わなかったようなエピソードが書いてあったり、「和ノ宮様お通り」では幕末の公武合体で皇女和ノ宮が十四代将軍 徳川家茂に降嫁するのに京から江戸へ行くのにどうして東海道ではなくて中山道だったのか・・・なんていう話が中山道の宿場町大湫宿(おおくてじゅく)をあげて載っている・・・といった具合。 教科書では面白くない通り一遍の知識が生き生きとした知識になっていくようだ・・・・司馬遼太郎さんの紀行もいいけれど、池内 紀(おさむ)さんの紀行もちがった面白さがある
コメント
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