スティーヴ・マックイーンの「拳銃無宿」
今年は西部劇の年と決めたので1番目に選んだのがこの作品。 このスティーヴ・マックイーンのテレビ西部劇 ”拳銃無宿 ”シリーズの数あるエピソードの中でこれを選んだのは着物姿の日本女性が出てくる珍しい一篇という理由だけ・・・・・お正月だから。 おまけに侍まで出てきます・・・・・楽しいエピソード篇です。
”拳銃無宿 ”は私が住んでいた九州の田舎ではテレビ放映はありませんでした。出会いは姉が貸し本屋さんから借りてきた映画雑誌で見たのが初めてで ”スティーヴ・マッキーン”と書いてありました ひょっとして発音的にはこちらが正しいのかもしれないですが。S.マックイーンをスクリーンで見たのは映画の「荒野の7人」「大脱走」が初めてだった。 そういう訳でマックイーンの駆け出し時代のこのテレビ西部劇は自分にとっては全く新鮮で通信販売でビデオが販売されている と知った時は興味シンシンで買ったのでした・・・・・分割払いで買えたというのがよかった。「サムライ(The Long Seach)」と題したものです。
<ストーリー>スティーヴ・マックイーン扮する賞金稼ぎ(バウンティ・ハンター)のジョッシュ・ランダルは馴染みの女性とデート中に はるばる日本からやってきたヨシカ・ナカムラという着物姿の女性から「行方不明になっているアメリカ人の恋人ティモンズ様を探して欲しい」と依頼を受ける・・・・もし見つからなければ自害すると懐刀を見せる( これがアラビアあたりにありそうな小刀で先ず笑ってしまう )・・・・気乗りがしないまま承諾、さっそく探索に出かける・・・・・いつもと勝手が違うジョッシュの戸惑いが各所に出てきて面白おかしい雰囲気。 馬車で出かけて疲れた・・・・・といっては荒野に敷物を敷いてヨシカが茶の湯をたててオ・モ・テ・ナ・シ 。 茶の湯の作法の詳細をヨシカがアメリカ人に説明する形になっていて 見ている我々日本人としてはなんだか面はゆくなるような場面が続く。ホテルに泊まっては給仕に ” 箸を用意して下さい ”というと ”wood? ”といぶかる給仕。
ホテルではヨシカに同行してきたらしいサムライ(親同士が決めたヨシカの許婚者らしい)タロー・ヤマモトがふいに現れて恋敵と間違われてジョッシュは斬りつけられる・・・・誤解が解けてあれこれあった後にジョッシュは何とかティモンズを探し出してヨシカに引き合わせる・・・・がティモンズには結婚の意志はない。それを知ったヨシカは落胆、ヨシカの気持ちを察したタローは ”恥をかかせたな!”とティモンズに斬りかかり射たれる。間に入ったジョッシュに諭され傷ついたタローと失意のヨシカ、恐らく二人は日本に帰って祝言を挙げることになるんだろうな・・・・という余韻を残して終わるというストーリー。
・ヨシカの役はリンダ・ウォンという韓国系アメリカ人女優だそうです。昔の藤 純子さん的なやや骨太、”琴姫七変化”の松山容子さんみたいに骨細の日本女性だったら可憐さが出てよかったんでしょうけど( 例えがチョット古かったかなぁ smile・・・・去年の ”八重の桜 ” の綾瀬はるか みたいな女性でもいいなあ と思ったりして・・・・)
・サムライは日系のデイル・イシモトという俳優、アメリカ映画には結構出ているんだそうです。 イケメンでない侍というのがそれらしくていい。 西部劇の時代は日本の幕末~明治20年代くらいまでだと思うので ここで出てくる侍はちょっと古めという感じです・・・・”かたじけない”などと古めかしい言い方に訳してあるのもいい(smile)。 「レッド・サン」という西部劇映画で三船敏郎がチャールズ・ブロンソン、アラン・ドロン等と共演していたのを思い出させてくれました
・先の短剣もそうだけど茶の湯(tea ceremony)をはじめる時にヨシカが小さな銅鑼(どら)を鳴らすところがあって中国的なものとごっちゃになっているなぁと・・・・それにチョンマゲが輪になっているのもヘンテコ・・・・・でもまあ1950年代の作品にしてはアメリカ人には異国情緒があって面白かったのかもと推測します。日本人の私が見ても面白いから
ジョッシュが冒頭のデイトの彼女に逢って”チノユ(茶の湯)”なんかどうだいと言うと・・・”それって何?”との会話もコメディタッチで楽しいし、スティーヴ・マックイーンのいつもと勝手が違うなあという表情が面白い。
陳腐だけれど長いシリーズの中では特筆に値する愛すべき一篇ではないかなーと思います・・・・でもこれは日本での放映はなかったそうです、だから勝手に「サムライ」としたんでしょうがDVDでの邦題「探索」となっています。 ビデオは後年カラー化したものが出されたし、その後は「 拳銃無宿 」の全てがDVDーBox3巻として出されて私も日本通販というところから営々と分割払いをして最近やっと3巻揃いました。 ちょっと残念なのは前にも述べたのですが無理にカラー化などせずに白黒画像でよいから安くで出して欲しい・・・・ということでした、私は「拳銃無宿」は白黒映像の方が好き。
出演のゲストスターが楽しみなのでまた追々と登場させる予定です