The Sons Of The Pioneers (1)
米国盤 LPM-1130 25 Favorite Cowboy Songs (日本盤RA-5503 カウボーイ名歌辞典)
(1)Tumbling Tumbleweeds (2)Press Along To The Big Corral (3)Wind (4)Bunkhouse Bugle Boy (5)Home Onthe Range (6)La Borachita (7)Timber Trail (8)Happy Cowboy (9)Cowboy Lament (10)Pajarillo Barrenquero (11)So Long To The Red River Valley (12)Come And Get It (13)Cool Water (14)Curly Joe From Idaho (15)Cowboy's Dream (16)Along The Santa Fe Trail (17)The Last Round-up (18)Farr Away Stomp (19)Red River Valley (20)Carry Me Back To The Lone Prairie (21)Sweet Betsy From Pike (22)Slow Moving Cattle (23)Texas Stomp (24)Yellow Rose Of Texas (25)The Everlasting Hills Of Oklahoma
私の大好きな往年のカウボーイコーラスグループ The Sons Of The Pioneers から始めたいと思います。
今の時代にパイオニアズが残した音源をどれくらいの人達が聴いているのか判りませんが、僕自身はかなり熱心に聴いてきました。ここにある 「 カウボーイ名歌辞典 」 と銘うったLPレコードは総合的に見てパイオニアズの魅力を余すところなく知ることの出来るもので 私のパイオニアズへの入門もこのレコード(日本盤)でした。 収められているのは正規のレコード用録音ではなくてラジオ放送用の録音を集めたものからの25曲となっています・・・・・日本でもジャケットを違えたりして何回も発売になったものです(その中の一枚の写真)。アメリカ盤の裏には各曲について簡単な説明が載っています・・・・・多分にロマンチックなイメージとしての Cowboy Song ですが それでもパイオニアズを聴かずしてカウボーイソングを語るなかれ-といってもいいくらいの重みを持っているグループですし、現代の Riders In The Sky や Sons Of The San Joaquin もきっとお手本にしているはずのグループですので時には聴いてみることをお勧めします。もうひとつ云えることは 大きな音量で聴いた方がよいということです、コーラスですので小さい音量ではそのよさが殺されてしまうといってもいいかも知れません。 さて、内容の方は
彼等のテーマソングであった (1)Tumbling Tumbleweeds( さまよう枯葉 )から始まって、カウボーイソングの古典である (5)Home On The Range ( 峠の我が家 )、(9)Cowboy Lament( カウボーイの哀歌 )、(15)Cowboy's Dream ( カウボーイの夢 )、(19)Red River Valley ( 赤い河の谷間 )、(20)Carry Me Back To The Lone Prairie ( 淋しい草原に戻しておくれ )、それに アメリカ古謡ともいえる(21)Sweet Betsy From Pike ( パイクから来たお嬢さん ) と (24)Yellow Rose Of Texas( テキサスの黄色いバラ )などが中心になっています。
そしてオリジナルメンバーだったボブ・ノーラン作の(8)Happy Cowboy と(3)Cool Water・・・・・”Happy Cowboy ”は楽しい曲で Hank Williams も気に入っていたんでしょうか自分のショウのオープニングテーマにしていた時期があってライブで聴かれます・・・・・ハンクは Cowboy Style に憧れていたようで きっとこの Sons Of The Pioneers を聴いていたんだろうな-と想像すると嬉しくなってしまいます。 (13)Cool Water はハンク・ウィリアムスもギターの弾き語りで歌っています。
同じくオリジナルメンバーのティム・スペンサーの名曲 (25)The Everlasting Hills Of Oklahoma は曲調もいいし パイオニアズのコーラスの魅力全開・・・・・いい曲だなあ( Hank Thompson の名唱もあります)。
そしてパイオニアズのコーラスにウェスタン・スイング調の伴奏を付けていた Farr Brothers ( 兄ヒュー・ファー=フィドル)、弟カール・ファー=生ギター )のインストが2曲 (18)Farr Away Stomp と (23)Texas Stomp で、超アップテンポのスイング感が素晴らしくてちょっと今の時代でも聴かれないのでは・・・・・と思います(ファー兄弟は次回に掲載予定です)。 カウボーイ・ソングにはメキシコ調の言葉も時々出てきますが しっかりと(6)La Borachita と(10)Pajarillo Barrenquero が入っています。
陽気で楽しい(2)Press Along To The Big Corral と叙情的な(11)So Long To The Red River Valley も素敵ですし、コメディ要素としての(14) Curly Joe From Idaho も何だか楽しそう、(12)Come And Get It は ”飯ができたぜ ” という訳になっていますが テレビ西部劇「ローハイド」で料理人のウィッシュボン爺さんもトライアングルを打ち鳴らしながら ”Come and get it ! ” と怒鳴ったのかなぁ・・・・・というわけで The Sons Of The Pioneers の魅力全開というアルバムなのでお奨めなんですが単品のCDとして出されているのか・・・・・??ぜひ出て欲しいものです。
The Sons Of The Pioneers は1934(昭和9)年にレナード・スライ( 後年 Singing Cowboy として有名になったロイ・ロジャースです )、ボブ・ノーラン、ティム・スペンサー、ヒュー・ファーの4人でレコーディングを始めて以来今日まで( 目立たないけれど現在も存続しているんですよ ) 時代とともにメンバーの変遷はあったものの 流行におもねることも無くアメリカの原点ともいえる西部調の歌やカウボーイソング( 多分にロマンチックなイメージの )を歌い続ける伝統をしっかりと受け継いできているのは稀有のことではないでしょうか。 写真はパイオニアズの全てを知ることのできる本 「 Hear My Song / The Story Of The Celebrated Sons Of The Pioneers 」( JEMF=John Edwards Memorial Foundation 出版 ) に載っていたものからです・・・・・左から Hugh Farr(黒いシャツの人)、Pat Brady、 Karl Farr(ギター)、 Tim Spencer、 Bob Nolan、 Lloyd Perryman(ギター) 。
全盛時代のサンズ・オブ・ザ・パイオニアズの音楽を聴くと 当時のアメリカの人達にとってはまさに開拓者の子孫だという魂をくすぐられるような快感を覚えたのではないか・・・・・と想像します。それは彼等が残したレコードの枚数の多さからも、いかに人気が高かったかを如実に物語っているからです。
<ひと言>2011(平成23)年の秋はいつになく寒さが早いような気がする。
個人的には Cowboy Song は秋から初冬にかけて聴くには '最適なと音楽' だと思っています・・・・・そんな訳で2007(平成19)年9月23日にブログを始めて最初に採りあげた The Sons Of The Pioneers のページにすこし手を加えてまた再現してみました。10/10夜に久し振りに聴いてみたけれど-よかった・・・・・ パイオニアズについては熱く語りたいけれど 好きという人に出逢ったことがないので私はせめてレコードだけでも熱心に聴いていきたい・・・・・多分に前時代的だけれど Cowboy Song はそれでよいと思う(平成23年10月10日)