西部劇と懐かしのカントリー&ウェスタン日記

現代とはかけ離れたOld Countryの世界ですがずっと続けていきます。興味のある方は時々のぞいてみて下さい。

懐かしのカントリー&ウェスタン -158-( ヴァーノン・オックスフォード 1 )

2010年12月05日 | つれづれに
  Vernon Oxford (1)
米国盤 Rounder Records- 0123 Vernon Oxford  His And Hers


(1)Bad Moon Rising (2)They'll Never Ever Take Her Love From Me (3)His And Hers (4)Always True (5)Veil Of White Lace (6)Letters Have No Arms (7)Lonesome Rainin' City (8)Have You Loved Your Woman Today ? (9)Daughter Of The Vine (10)This World Holds Nothing Since You're Gone


ヴァーノン・オクスフォード( 1941年~現在 アーカンソー州 出身)は不運なカントリー歌手だ・・・・・天の時を得ていたならきっともっと有名なカントリー歌手になっていたのではないか-と思えてなりません。たぐいまれな Honky-tonk style の歌唱力を持っていながらデビュー時期が甘美なナシュビルサウンド全盛時代だったために純カントリースタイルを身上とした彼にとっては幸運なスタートを切れなかったとみていいのではないでしょうか。 

僕が初めてヴァーノン・オクスフォードの歌を聴いたのは1979( 昭和54 )年にRCAビクター社から出された同社専属のカントリー歌手を総動員した2枚組LPレコード「 A Tribute To Hank Williams 」(日本盤もあり)の中に入っていた彼が歌う ” Wedding Bells ”でした。何ともストイックな感じのする歌手だなあ-というのが第一印象でしたが 震えるような声で歌う純カントリースタイルはしっかり記憶に残って ”Vernon Oxford ”という名前も1回で覚えてしまったのでした。調べてみると1965(昭和40)年にデビューしてRCAビクター社に1枚のLPレコード(右の写真、数年前 東京に行った時に見つけて買いました)と7枚のシングル盤を出して消えていったのですが、1971(昭和46)年 Mike Craig というイギリスのカントリーファンがたまたまテープで彼の歌を聴きつけてそのハンク・ウィリアムス スタイルの純カントリーボイスぶりに惚れ込んで彼を探し出してイギリスに招き、英国ビクター社を説得して彼の地でレコーディングさせて復活した・・・・・といういきさつがあります。 その裏には甘美なナッシュビルサウンド一辺倒のカントリーに食傷気味(ウンザリ)ないしは物足らなさを感じていたヨーロッパの Country Music ファンが結構いたという下地があったのでは・・・・・と想像します。ヴァーノンにとっては嬉しい申し出だったのでしょう・・・・・その後は大成したとまではいかなくてもイギリスで3枚のLPレコードを出すことが出来たし、本場アメリカのRCAビクター社との再契約をして返り咲き「Shadows Of My Mind 」、「Your Wanting Me Is Gone」、「A Good Old Fashioned Saturday Night 」、「Honky Tonk Barroom Brawl」、「Redneck Roots」等のヒット曲も出して名前も知られるようになったという訳です。 

Hank Williams を髣髴(ほうふつ)させる雰囲気をもっていたのでハンク・ウィリアムス ジュニアの演奏ツアーに同行したりしてコアな Country Music ファンに支えられて今日まで到っているようです・・・・・ヴァーノン・オックスフォードはその後アメリカの独立レーベルの雄 Rounder Records (左の写真)や古株のブルーグラスレーベルだった Rich-R-Tone Records 社 等から True Country Style のレコードを出していました・・・・・True Country Style といってもここで聴かれるVernon Oxford のカントリーは今風のテレキャスター型エレキギターを駆使したり ロックと変わらないようなドラムの入ったものとは違います・・・・・本当に昔型のカントリーです( 今は True Country Music という説明も何をもって " True " とするか-なかなか難しい時代です )。 残念ながら日本の Country Music ファンにはほとんど知られていないし、これからも話題になるようなこともないのでは・・・と思います。このアルバムの中では(9)Daughter Of The Vine が秀逸で、何回聴いても飽きないカントリー曲とは自分にとってこのような曲・・・・という代表のような存在になっています。 その他に余談ですが、私は彼のLPレコードでどうしても欲しいなというのがあります、ドイツかイギリスか(いつ頃出されたのかもはっきり判りません)で出された 「 SKYL-7002 Vernon Oxford Tribute To Hank Williams 」 というレコード・・・・・将来見つけられるまでの楽しみにしているものです・・・・見つかるといいな。

ところで、現在の彼の活動状況についてはほとんどわかりませんが今でもきっとアメリカのどこかで歌っていることでしょう・・・・・・・

コメント (4)
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