岩手の頑固親父

恵まれた自然、環境に暮す 老農のつぶやき、ぼやき

「居久根(いぐね)」

2010-06-23 07:15:53 | いなか暮らし

 居久根(いぐね)と呼ばれる屋敷林は当地では杉が殆ど。
 かっては北風の寒さを防ぎ、萱葺き屋根を守り、加えて不意の出費に備えたものらしい。
 かって、金婚も間近の妻を我家に迎える婚礼費用は亡父が居久根の杉の木を売って費用に充てた。
 居久根の杉は財産として周囲に誇っていたが氏神様の近くの杉だけは神が宿って(?)いるので代々、その木だけは切らないから大木になる。写真 (右・左)
Cimg6702 Cimg6703  鎮守様の御神木にいたっては村一番の巨木となる。
写真(中)

Cimg6713  時代は替わって財産としての杉は価値がほぼ皆無となった。
 おまけに昨今は杉花粉の問題もあるが、この地に住む人は屋敷の杉の花粉をたっぷり浴びて育っているから杉花粉を敵視する人は少ないがとやかく言われる。

 かって夕暮れには夕焼けの空に向かって帰ったカラス。
 増え続けて住宅難なんだろう。夕焼けの空に向かわずに居久根の杉に巣をもつようになった。
 朝早くから鳴き声がうるさい位は我慢するが悪さが次第にエスカレート、孫達の楽しみの畑のイチゴを食い荒らし、収穫直前のトウモロコシを一足お先に失敬、犬の食器を隠す・・・・・
 少々の花火や爆竹には驚かない、記憶力抜群と言われるカラスの仕返しも怖い。

 財産としての価値が無くなった居久根の杉、悪さをするカラスの住み家となる杉、風の度に散らかる杉の葉も厄介、かくて居久根の杉は切り倒そうということになり、ここ数年、多くの居久根の杉は伐採されている。
 2,3日前から近所でクレーンを使って伐採が始まった。
Cimg6698

かって不意の出費に備えた居久根の杉は今は不意の出費となる。
 

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