岩手の頑固親父

恵まれた自然、環境に暮す 老農のつぶやき、ぼやき

「端っこ」めぐり

2018-04-25 16:23:10 | いなか暮し

  春、こまめに手入れされた棚田は美しい(花巻市幸田)

 3月、天皇、皇后両陛下は与那国島入りし、 
 暖かな島の旅を楽しまれた御様子、お元気でなにより。

 沖縄から530㌔、一度訪れた与那国島が好きになり、数年して再び島を訪れた。
 島の西崎、「日本最西端の碑」、岩手より日没が1,5時間あまり遅いとはいえ、日暮れが近くなった頃、若い女性数人がレンタバイクのエンジンがかからないと弱っていた。
 「どれどれ、じいさんが・・・・」と、声をかけ、バイクに手をかけて、一発でエンジンがかかった。
 「おじさん、すごい!!」

 夕方の民宿、広間で若い人たちが夕食を楽しんでいる。
 「あっ、さっきのおじさんだ」といって、泡盛をたっぷり注いでくれた。
 「おじさん、なんでバイクの事、知ってるの・・・・・」
 若い女性にもてたのは、後にも先にも、これっきり!
 
 その数日前には「日本最南端の碑」のある波照間島も訪ねて、「よし日本の端っこを訪ねる旅をしよう」 と決意したが、いつの間にか、すっかり忘れていた。
 北端、稚内市の宗谷岬、最東端の根室市納沙布岬は、与那国島に比べたら隣り近所みたいなものだが、老体には中々、遠い・・・ 夢で終わりそう。


 

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「安上がりなお花見」

2018-04-23 17:06:34 | いなか暮し

  三郎堤の満開の桜を横目に、SLが通る。

 どこの農家も同じだと思う。
 春、桜の頃は、農作業が忙しい、田んぼは春起こし、苗つくり、畑仕事は野菜の種まきの頃、咲き誇る桜を横目に、せっせと仕事に精出している。
 ゆっくり桜見物をした思い出は少ない。

 「庭で、お花見しましょうか・・・」 老妻の提案で、暖かに晴れた、桜満開の日、庭石におにぎりやおかずを並べ、少々のビールも加えて、お昼のお花見、誰かに見られたら、少し恥ずかしいかなと思いつつ老夫婦水入らずのお花見。

  自慢の枝垂れ梅や少し遅れて咲くはずの 枝垂れ桜も満開。
 数日前から椿も次々に咲いている。
 異常な暖かさで、一斉に花々が咲きそろった。

 しばしのお花見を終えて、お昼寝タイム。
 午後2時、再び農作業が始まる
 おじいさんは山(田んぼ)で芝刈りならぬ、田んぼの耕起、おばあさんは自給率120%の野菜工場、お花見の今頃までにスナップエンドウ、20日大根、春大根、サンチュ、山東菜ジャガイモはすでに種まき済み、ハウスでは孫の大好きな、トウモコシや枝豆の早取り野菜の苗が伸びている。
 
 実に安上がりな楽しいお花見ではありました。

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助かった孫は・・・

2018-04-16 14:38:47 | いなか暮し

  北帰行の仲間とはぐれたのか、三郎堤に残った白鳥が一羽
 近くの水鳥は友達と一緒なのに・・・明日は良く晴れそう、元気に飛び立ち、仲間に追いつけ。

 終戦直後の混乱期、列車の乗車券が自由に買えない時期があったらしい。
 釜石線の、ある小さな駅に子供をおぶった57、8歳くらいの女の人が来た。


 「駅長さん、この子は激しい熱で苦しんでいます、病院に連れていきたいので、切符を売ってください」
 「いや、今日の割り当ての切符は、売り切れたので、売ることはできないんです」
 「この子は孫です、共立病院の佐藤先生に見て貰って助けたいんです、お願いします・・」
 「決まりがあって、今日は、もう切符を売ることが出来ないんです」

 意を決したおばあちゃんは話し始めた。
 「この孫は、どうしても死なすわけにはいかないんです。
 この子が生まれる、数か月前にに私の次男が戦死しました、この子の叔父です、そして、この子が生まれた次の年、一才の誕生の1週前に、この子の父親、私の長男は、29才で病死しました・・・・・
 それから間もなくして、この子を残して、母親は里に帰ってしまいました。再婚したとの噂も聞きました・・・・
 幼い孫を抱えて、年寄り二人で農家をしています・・・
 この孫だけは、どうしても死なすわけにはいかないんです、どうぞ花巻までの切符を売って下さい、お願いします・・・・・」
 「・・・・・そうですか、私の責任で切符は売ってあげましょう。早く診て貰って下さい。」

 共立病院の佐藤先生は、その子の父親の最後を看取ってくれた先生で、若くして亡くなった父親をよく覚えてくれていた。
 「亡くなる直前まで、幼子の将来を案じていました。確か数え30で亡くなったと覚えています・・・・」
 「この子は、必ず元気に、しましょう」

みんなのおかげで、元気になったその子は、長じて偉くなれば、めでたしめでたしになるはずだったが、根っからの勉強嫌いがたたり、大きな大きな回り道を繰り返したが、たどりついた老後は、家族に恵まれて幸福な老後を送ったそうな・・・どんどはれ!

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「金精さま」をさがして・・・

2018-04-09 09:59:43 | いなか暮し

 「殿、ここが美女ヶ原と申すところでございます。(現、花巻市矢沢、大日向と呼ばれる一帯)」
 「これが寝小便を治してくれると言う神様か、余も時折、お漏らしするから拝んで行こう」とは言わなかったと思うが・・・・

  土沢から西進、駒板から矢沢船場を示す石塔。
         「右はやさわ船場道・湯の沢道」、文政年間に建てられているのでお殿様の眼にとまった筈。

 元治元年4月3日、乗馬十余騎、従者100人余を引き連れた、南部利剛(としひさ)公は、日詰、大迫、土沢を経て矢沢船場(花巻市)へ向かう途中、この場で小休止した。
 妻の神と呼ばれる一角に、住民がお詣りする金精さまがあった・・・・。
 それから百数十年を経て、その道は、山肌を削り、拡幅整備されたが、その頃から金精さまの、行方が分からなくなってしまった。
 つい最近になって、盗難を恐れて、金精さまを隠したと言う人が現れたが、どこに隠したか忘れてしまったと言う。


 昔々、「小学生になってもお漏らしが止まらない」、と祖母と孫の二人、、「寝小便が治りますように」と拝んだ。
 その少年は以来、70余年寝小便がピタリと止まったと言う、霊験あらたかな金精さまである。

 その金精さまが行方不明 「探し出して然るべきところにお祀りしよう」 と決めた。
 なだらかな美女ヶ原に比べて、道を挟んで金精さまの祀られていた一帯は急斜面の続く山に入る。
 北側急斜面に雪の残る3月、雪解けの進んだ南側一帯の捜索、更に雪融後に北側斜面も探したが見つからない。
 小ぶりの金精さまと言えど、石で造られた重い像は、そう遠くまで運んで隠したとは思えない。
 3度目、捜索範囲を広げて、探し回ったが見つからない。
 道路工事の後にも、椎茸の原木を取る人たちも入った跡があるから、隠していた金精さまを見つけて、持帰ったのはその人たちかも知れない。
 美女ヶ原から下り、 矢沢船場に向かう途中、視界が広がる所に
「小松原の山の神さん」と呼ばれる古い石碑群がある。お殿様も手を合わせたに違いない。


 もしかして、持帰った金精さまは、どこかで丁重にお祀りされて、その地で寝小便を治してくれているかもしれない。

 まもなく木々には葉が茂り、捜索は難しくなるので、又、秋が来て木々の葉が落ちた頃に探してみよう。

 

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仏弟子入門

2018-04-06 14:59:57 | いなか暮し

 終活を進めて、この冬は膨大な写真の中から、ダイジェスト版のアルバムを作ったが、開くたびに写真の差替えとなるが仕方がない。

 そして、終活第2弾は、戒名の準備、凡そ死んでから受け取る戒名だが、本来は生前に授かるものらしい。
 「仏弟子として戒律を守ります」 と言うことらしい。
 仏弟子として死ねば、極楽往生が約束される、と言うから我が生涯の少々の悪事は、帳消ししてくれるらしい。
 
 菩提寺の和尚さんに相談したら、快く相談に乗ってくれた。
 お茶をいただきながら、それとなく自分の自慢や、小さな功績や、好きなこと、同時に戒名を貰う妻の生涯の功績、苦労など話して、和尚さんが悩むであろう戒名のヒントを話した。
 半月ほどして和尚さんが戒名を届けてくれた。
 仏弟子入門の、我が名前と初対面、 うーん中々、話したヒントも大分生きている。
 並んだ漢字は、忘れないうちに刻んでおこうと石材店行、たまたま我が家の、先祖代々のお墓は、代を重ねて、刻むスペースもなく無くなったので、この際、戒名碑を新調しよう。
 雪が溶けた4月の初め、真新しい戒名碑が建てられた。
 生前戒名であると言う証明のために、
   妻と二人分の名前は朱色で刻まれた。

 あとは、亡くなった月日を刻み込むだけ。
 仏弟子入門にもお金はかかる。戒名料としてのお布施はびっくり、それも妻と二人分、加えて石材店も・・・
 新調なった、我が戒名碑を前に妻としんみり。
    なぜか心安らかになったというか・・・・・
 おくらばせながら、これから
         「仏弟子として戒律を守ります」

 

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