岩手の頑固親父

恵まれた自然、環境に暮す 老農のつぶやき、ぼやき

「おしゃべり会」

2020-06-30 14:48:40 | いなか暮らし

 今年、玉ねぎは大豊作、風通しのいい、井戸小屋につるされる。
 食べきれない、大量の玉ねぎは、おすそ分けに回されるんだろう。
  手前の車輪は昭和20年代まで荷車に利用された。
 物資不足の時代、外側に厚い鉄輪がまかれた荷車は、乗り心地は悪かったが次第に物が豊富になり、やがてゴムタイヤに代わった。

 一軒の家から枝分かれして、幾百年、わが一族は10数戸、祝儀不祝儀に顔を合わせる機会が多いせいか、年令を超えて親しく付き合う。
 中でも、婆さんたちは特に元気である。時折集まっては「おしゃべり会」
 幹事役の婆さんは何日も前から電話連絡に追われ、用件のみにすればいいものを、世間話も入るから、その電話も長い。もっとも固定電話機は、現在はどこでも婆さん方の専用状態
 気兼ねなく、おしゃべりするために、ご主人が出かけて、お留守のお宅が今回の会場、長年働いて、足、腰の痛い、婆さんは送り迎えつき、自慢の漬物や自慢の手作りおやつも持参で、10名ほど集合、上から順に半数が未亡人、誰に遠慮することなく、大きな声と大きな笑い声。
 お昼は人気の、「配達、釜めし」らしい。
 食べて、しゃべって、大笑いして、・・・・
 夕方、しゃべり疲れて解散。
 「またね、元気でね」、気分は爽快、これで明日も元気で畑に出られる。
 元気な婆さん方に感謝・・・・

 世の中、「密、マスク・・・・」の時勢に不謹慎な。
 おしゃべりして元気になる、おばあさん方を、どうか大目に・・・・

 

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野山の恵み

2020-06-26 15:18:58 | いなか暮らし

 里山の刈り払いをしたら山桜の木も混じっていたらしい。
  山桜のサクランボは黒っぽくなってからが食べ頃、黒く熟した豆粒くらいのサクランボが着いていた、小粒でも、味はやっぱりサクランボ


 初夏を迎えた今頃から秋にかけて、里は、野も山も木の実が子供たちを楽しませた。
 春、道端のギシギシ、茎を折って噛むと酸っぱいから「すかんぽ」小さな子供たちは、「つつじや赤クローバー」の花の密を吸って楽しんでいる。
 子供たちに人気の「しゃごみ」は集落の、あちこちにあり、あそこは酸っぱいとか、甘いとか、よく知っていた
  「しゃごみ」は今年も大豊作だが今の子供たちは食べられることは知らない。
 畑には「かんご」、桑の実を食べて口の周りや着ている服を赤紫にしては怒られた。
 農家の庭先に植えられた「すぐり」は、この頃見かけないから、昔の子供たちのおやつに植えていたものだろうか。
 夏休み、プール代わりのため池では「ひしの実」がおやつ、ちっちゃい子供たちのために大きな子供たちが沖で採って来ては食べさせた。
 学校への峠道には、秋になれば「アケビ」「山りんご」「山ぶどう」「木いちご」
 「ぞうみ」はガマズミとかいうらしい、今ではゼリーに加工され商品化もされている。
 おまけに峠沿いにはリンゴ園もあり、こちらは時折、失敬も・・・

 昔、庭に大きな「山梨」があり、大きく直立した山梨には上ることもできず、「今年も一杯なってるなー」と見上げた。
 秋、風雨の翌日、熟した柔らかな実は落下し、地面に落ちた瞬間につぶれる、つぶれた所を避けて食べる「山梨」はとても美味しかったと覚えている。
 春から秋、里の野山には色々の恵みがあったが、何かを食べて、腹痛をしたという話も聞いたことがないから、昔の子供はお腹が丈夫だったのか、あるいは痛いというと叱られると我慢したのかもしれない。

 今、通学路沿いの畑に、ブルーベリーがいっぱい実っているのに、気の付く子はいない。
 

 
 

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ほっと一息、農閑期

2020-06-19 15:30:52 | いなか暮し

 初夏、暑い日、雨なし天気が続く。
 そんな気候が良かったのか、どこのお宅の庭も、今年のつつじは見事に咲く。
 裏庭の、ゆきだるまを思わせる、白つつじ
 径が3㍍ほどの、雪だるまは老木にも関わらず、今年は良くがんばった。

 稲作農家の、一番忙しい田植えが過ぎて、ほっと一息。
 その後の管理は倅夫婦に任せて、お年寄りは自家菜園と、屋敷周りの花の世話や庭木の手入れ、近所の仲間との温泉旅行や観音参り・・・・といった農村風景は、今の時代には、ほとんど見かけなくなった。
 農業経営を担うはずだった倅夫婦は、それぞれの職場で忙しい。
 たまの休みも、孫たちの子供会やクラブ活動、塾の送り迎え・・・・
 かくて、農家の後継者と言えど田んぼや畑の仕事に触れる機会は少なく、小中学生の孫に至っては田や畑に出る機会はほとんどなし。
 年を取ったら早めに農業経営を倅に任せて、楽してやろう・・・と言う夢は破れた。
 何歳になっても仕事の量は減らない、むしろ増えてるような気がする。
 もっともお年寄りも元気だ、むしろ楽しんで働くお年寄りも多い。

 農地を集積して大型経営、大型生産組織の活躍も目覚ましいとは思う。
 とは言え、体力も限界に近い農家も増えているのも現実。
 今回のコロナ禍にみられるように、一朝ことあれば、どこの国も自国ファースト、食料の輸入が途絶えたら、自給率40%弱の日本の食料はどうなるか、
 若手に国の食料を安心して任せられるように、そろそろ政策の出番ではないだろうか・・・・・

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新しい敵

2020-06-09 11:25:07 | いなか暮し

 新型コロナウィルス相手に、世界中がその見えない敵と闘っている。
 一日も早く終息して、いつもの普通の生活に戻れますように・・・ 

 わが郷にも、夜に限って行動するために、見えない新しい敵が現れた。
 生育に大事な時期を迎えた、田んぼの稲を踏み荒らす鹿の出現である。
 数年前から、時折見かけてはいたが、実害はなかったので話題にはなっても、対策らしいことは一切していなかったが、今年になって、朝、田んぼの水の見回りに行くと、山際の田んぼに、深夜に歩き回ったのだろう鹿の足跡がいっぱいついている。
 稲が倒されたり、泥に踏み込まれたり、ところどころには稲の葉を食い荒らされた無残な後が残る。
 手の打ちようもわからないまま、山際に糸を張り、糸が目立つように反射テープを下げてみた。
  侵入を防げるとは思っていないが、何かしらの習性を確かめたい。
 一晩に1~2ヶ所、糸が切れている、侵入箇所もほぼ同じ場所、糸を避けて通る傾向もあるから、鹿も嫌がっているかもしれない。
 糸を張ったはいいが被害は続いています、鹿被害の先進地の方、どう対処すればいいのかご指導ください。

 収穫直前の、いちごやトウモロコシを一晩のうちに狸に食べられたり
  田んぼで出会った狸、しぐさを見れば憎くもないが・・・・・
 柊(ひいらぎ)の花の蜜を吸いに毎朝飛んでくるスズメバチ、軒下の垂木に巣穴を作るクマンバチ、里には猪も近づいているとも、
 なにかと豊かな自然がいっぱいの我が里である。

 

 

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深夜ラジオ

2020-06-08 15:40:20 | いなか暮し

 里山は今、深い緑に覆われて、一歩山に入れば、濃い緑で少々、薄暗いほど。
 今から、一ヶ月ほど前、里山の樹々が新しい葉が芽吹き、鮮やかな新緑に変わる直前の、ほんの一日、二日、里山は薄緑に覆われて、 山々が、ふわふわとした柔らかさに包まれる瞬間がある。
 その瞬間、花巻地方では5月6日から8日頃、里山に近い人たちだけが楽しめる美しい瞬間である。

 毎週末、金曜には忘れずに泊まりに来る小学生の孫、その日、宿題そっちのけでゲーム、ユーチューブ三昧してから、爺さん婆さんの、ベッドの狭い谷間で、夜中にトイレに起きることもなく爆睡している。
 年寄りは眠くないといわれるが、そんなことはない、食事の後、横になればすぐに眠れる。
 僅か5、6分眠って気分爽快、今日も頑張ろうとなる・・・が
 夜中にふと目が覚めて、考え事をしたり、仕事の段取りを考えて目が覚めてしまうことがある。
 寝付かれないとは言え、枕もとの雑誌を開くのも億劫、
 昔、年取った先輩から「年寄りが眠れないときは、ラジオが一番」と言われたが、若い時分は眠れないことなんてないから聞き流していた。
 そんなことを思い出して、久しくご無沙汰のラジオを枕元に置いて、イヤホーンを繋いでおいた。
 眠れぬ夜、ラジオを点けてみる。
 なつかしい音楽や、アナウンサーの軽い話題がいい、うつら、うつら聞いているから、翌朝、どんな内容だったかはよく覚えていないが、アナウンサーの声を子守唄に眠る気持はいい。

 ご同輩の方々、眠れぬ夜には深夜ラジオをお勧めします。
 

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