岩手の頑固親父

恵まれた自然、環境に暮す 老農のつぶやき、ぼやき

「萱 一〆(かや ひとしめ)

2007-03-29 15:45:04 | 田舎暮らし

Cimg2148  農繁期を目前にして季節はずれの雪はつらい。

 かって集落は早春から田んぼに入るまでの間に「ふきぎゃ」(屋根の葺き換え)が行われた。
 何十年に一度の屋根換えは当主にとって一大事。本家、親類によろしくお願いして50戸ほどの集落に「おつぎゃ」(連絡、案内)をする。
 大量の萱、労力が必要なことから多分、同じ年に集中しないよう調整が行われていたと思う。

 古い屋根を取り去るには何十年分の埃や煤まみれの萱を剥ぎとるので夕方には皆、真っ黒になりどぶろくを飲む顔は目と口だけが白い。手伝いに行っても怪我は自分持ちが決まり。

 屋根の葺き換えには大量の萱が必要になる。
 当時はどこの家でも大量の萱を屋根裏に保管し「お手伝い」と称して萱を持ち寄った。
 多分6尺の長さだったと思う。その縄で 持ち寄った萱の量を測り 「誰々さんから 萱1〆とか、2〆」(或は1締めの意味かも?)のお手伝と言った。
 大きな屋根の家ではそれだけでは足りず「萱無尽」を組む家も多かった。

 今、農村も住宅の新築、改造は住宅会社の仕事、ときには外国?と思わせるようなカラフルな家がいつの間にか建っている。親類間では新築に対しては金銭でのお手伝い風習は残っているが労力の手伝いは過去の話。

 共同作業、結い(ゆい)はもっとも大事で固い絆で大切にされた事だが現在では
 全てお金の力に頼ることになる。

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「ブラクチョウ」

2007-03-26 06:43:28 | 田舎暮らし

Cimg2130 地区の水がめは満タン、春の需要期に備える

 部落長(ブラクチョウ)を拝命した。地域では行政連絡員を通称ブラクチョウという。偉くなったとか選ばれたのではない、順番がまわってきただけの話。

 これが中々、厄介。50戸ほどの集落に班長を通じて広報を配布するだけなら簡単だが地区の運動会、神社のお祭、スポーツ大会の選手の選考、慰労会、新年会、敬老会、等々加えて諸団体への納付金の集金・・・ブラクチョウに付随する役職も盛り沢山。

 「ひまだれ(多忙)」、 出費の増、 無報酬
おまけに何か失敗をしでかしたら石を投げつけられる?

この先一年の任期、気が  ずっしり重い。

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「盗(や)られた」

2007-03-23 18:25:06 | 田舎暮らし

 陽気に誘われて田んぼに出てみてビックリ。
 田んぼに水を引くときに使う給水栓の横のサブ給水栓が二個盗まれた。
 そう大きなものではないから今流行りの金属盗では無い。
 多分、近在の同業者(農家)の仕業だろう。欲しいものは盗む・・・いつごろからだろう!

 テレビ番組でよく見かけるスーパーの万引き、ガードマンに捕らえられても反省してるようには見えない。運悪く捕まったぐらいに思っているんだろう。

 Cimg0459 そう遠くない昔、泥棒をすれば「あの家は泥棒のまき(一族)」「泥棒の血統」と言われ差別とも思える程、蔑まれた。
 そう言われまいと「人様のものに手を触れてはいけない」 子供の躾の第一歩だったように思う。

 ※写真 給水栓カバーに迷い込んだザリガニと遊ぶ子供達、このカバーの中のサブ給水栓を盗まれた。

 盗る、嘘をつく、騙す、弱いものいじめ、手伝いをしない。だめなこと駄目と昔からどこでも随分厳しく育てたものだが
 最近の風潮はそうでもないか・・・・・

 「ひたすら事故を隠しバレたら再発防止に万全という人」
 「良い頭を使ってあの手この手で振込みさせる人」
 「損してるのに儲かってるふりして投資をさせる人」
 「介護のふりしてお年寄りの通帳、ねらう人」
 「姉妹の高価な宝石を持ち逃げする人」 

    なんでも有りだなぁ・・・・・この日本
 「盗られた」二個の給水栓、どこかで役に立ってるだろうと諦めることにした。

  百回目のブログエントリーは悲しくも腹の立つお話でした。

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「ガラクタ整理」

2007-03-21 21:16:41 | 田舎暮らし

去年暮からこの春までの農閑期の「冬眠中」に片付けして 春、焼却場行きのガラクタの中からCimg2134

「荷馬車の車」終戦後の物不足の名残、ゴムタイヤが無くて大きな鉄の輪に木をはめ込んで車輪を作った。当時の大工さん腕が良かった。芸術的でさえもある。

Cimg1628 「・・・・・」なんと言ったかわからない。昔、田んぼが水を入れぱっなしの湿田の頃、稲刈り 束ねた稲をこの「船」に入れて岸まで運んだというが「頑固親父」の記憶には無い。

Cimg1629_1 ご存知「糸車」 生活必需品の頃もあった。

Cimg1624_1 左は「オガラ」と呼ばれた大麻の茎、萱葺き屋根の良い断熱材だったが今は栽培はご法度。右 「ジダンビキ」冬の間の山仕事で切り出した木を牛馬を使って里まで引き出すときに使われた。「ジダンビキ」=「地駄曳き」?


Cimg1634 手前、「バッコ」馬耕、馬鍬・・・・・牛や馬に引かせて田んぼを耕した。始めて使ったときの感激は今のトラクターの比ではなかった。


Cimg1630 早春、苗代を作るときに整地するための道具。今だったらトラクターでやったらホンの10分もあればできることが一日がかりでやったんだろう。
 仕組みを観察したら本当に良く出来ている。大先輩方に最敬礼だ。


Cimg1631 萱葺き屋根を作るとき皆が道具を持ち寄って作業したんだろう。
細かい模様も入った道具が沢山出てきた。

 何に使ったかわからないものも何点かあった。今となってはガラクタ、ゴミだが当時は最先端の便利なものばかり、その多くは知恵で作った貴重なものばかり。だが時代は替わったのだ。農作業を手伝ってくれたガラクタの皆様 どうぞ成仏の程。

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「総会」

2007-03-19 09:09:47 | 田舎暮らし

Cimg2121 ※写真 暖冬で蕾が大きくなった「こぶし」 3月に入ってからの低温に震えている。

 年度末3月、どこでも総会シーズン 毎週のように何がしかの総会が行われている。日曜に日程を組めない団体は平日にはみ出すほど。

 自治会や区民会といった行政関連に加えて農村には農業団体も多い。
 団体は増えることはあっても滅多に減ることはない。役員の割り当てに小さい集落は人材が不足することもしばしば。
 加えてこの春は「農地・水・環境保全向上対策」なるものが初登場

 総会には役員の改選が付き物。次の役員候補とでも言われたら戦々恐々。

 総会終わって懇親会。任期を終えた旧役員は晴々、にこにこ。
 好んで役員入りした訳ではないのに、上手くやって当然、失敗しでかすと怒られる。新しく役員になった顔は冴えない。

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