岩手の頑固親父

恵まれた自然、環境に暮す 老農のつぶやき、ぼやき

「古い井戸」

2009-05-24 09:49:43 | いなか暮らし

044_3久しぶりにフォトアルバム「農家の仕事・くらし 初夏編」投稿しました。
    右下 ご覧ください。

 元気な岩手の紹介 花巻・田瀬湖の菖蒲はこれから見頃。

「我が家の古い井戸」 本家から分家になった頃に掘られたとするとその歴史120年余。 

Cimg5260_2  お城の石垣と同じ仕組みなんだろう古色蒼然な石垣積みはいまだに歪みはない。
 湧き出る水は豊富で春、稲の苗を育てる頃には1500箱の苗に毎日、箱当り1㍑余、1500~2000㍑の水を供給する。
 苗が終われば3棟のハウス野菜に豊富に水を恵む。

Cimg5254_2  家々に井戸が無かった時代には天秤に水桶を肩にした近所の人たちが10軒ほどこの水を利用した。
 当時、国鉄釜石線の鉄道工夫(保線)の人たちはこの井戸の水は冷たくて美味しいと大きなヤカンで運んでいた。

 豊富な湧き水も、かって水田の構造改善や近くの水路の建設で周囲の地形が変わった時には水質や湧き方が不安定になったこともあったが、それもいつの間にか直って今は安定した冷たい水が豊富に湧き出る。

 我が家の氏神様の隣に鎮座する水神様二基。
Cimg5252  昔、敷地内の池を埋め立てた時に水神様の鎮魂のためと、末代まで良い湧き水に恵まれるようにとの願いをこめて大正年代に建てられた。
 今では共同の井戸や市水道も引かれ水に不自由は無い。

世界では飲み水がままならない人がアジア、太平洋地域で7億人、アフリカを含めると10億人。トイレの無い人々はアジアで19億、アフリカ5億人と言われているそうだ。
 水の消費量は、日本では一人が一日に66年度に120㍑、94年度には248㍑と倍増。
 恵まれ過ぎて感謝を忘れがちにも思える。

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「一才の誕生日」

2009-05-19 21:26:26 | いなか暮らし

元気な岩手の紹介   小岩井農場 新緑の頃008_5

 66年前 昭和18年1月5日伊号第四潜水艦は米潜水艦「シードラゴン」の雷撃により戦没、艦長以下90名全員戦死。
 私の叔父も含まれていた 22才のハンサム青年だったそうな。
 その年、秋10月 珠のような赤ちゃんが生れた。「頑固親父の誕生」
翌年の秋、可愛い赤ちゃんは後10日程で一才の誕生日を迎える。

 花巻病院に入院中の父が容態が悪化、可愛がっていた「頑固赤ちゃん」にしきりに逢いたがっているという連絡が届いた。
軍馬の飼育に働いていた母は何はともあれ私を負ぶって病院に急行した。
 あと数年もすれば開発された治療薬がない。戦時中とて充分な治療も出来なかったかもしれない。
 「頑固赤ちゃん」一才の誕生日9日前に、父は28才で死んだ。
 19才の母は一才にも満たない幼い私を抱いてただただオロオロしたんだろう。
 祖父53才、祖母54才の一家である。

 10数年後、逞しく成長した高校2年の「頑固親父」は盲腸炎で花巻病院に入院、手術が終わって部屋に移された。麻酔のせいだろう、朦朧とした頭に母の声を聞いた。
 「この部屋はだめです。」しきりに訴えている。何の話だろう・・・・・
 その部屋は父の臨終の部屋だったと、後から聞いた。

 外孫や仕事の出向先で生れた孫、そして四人目にして同居の孫が元気に成長している。
 仕事の疲れもその孫の笑顔で霧散、何ものにも替えがたい大きな私の宝物である。

その孫がもうすぐ一才の誕生日を迎える。「頑固親父」一才の頃とだぶる。
  「頑固親父」はそれからも悲劇は続いた・・・・

Cimg5093

岩手にはスクスク育った孫の一才の誕生日には「一升餅」を背負わせる習慣がある。
 あと20日、それまでに歩けるか・・・・
 這えば立て、立てば歩めの、「頑固親父」の爺心、

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「柳は風に乗って・・・」

2009-05-05 20:33:58 | いなか暮らし

Cimg5236

 綿毛に包まれた柳の種子は爽やかな五月の風に乗って、さながら風花のごとく四方八方に飛び、やがて着地して芽をつける。
 自然の営みは美しい・・・・・・

 雪のごとく飛び回る柳の種子  実は大変な厄介者である。

 食糧自給率うんぬん、いわれるなかにも耕作放棄地は全国で22万㌶、率にして5.8%にも及ぶ。
 気候の違う地方ではどうかは知らないが岩手ではその耕作放棄された土地には必ずと言っていいほど柳が根付き田んぼは瞬く間に荒廃する。

Cimg5239 僅か10年ほど前まで田んぼだったが

写真のごとく立派な?柳の密林になってしまう。

 

自分の代だけでもそうはしたくないとお年寄りが頑張っている。
 70いや80代のお年寄りがトラクターに乗り田植え機を操って頑張る。
 どうか、気をつけて・・・・・・

 祈る、春の農繁期である。

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