岩手の頑固親父

恵まれた自然、環境に暮す 老農のつぶやき、ぼやき

「ハカダチ」・「ハカガリ」

2010-08-28 21:19:46 | いなか暮らし

Cimg6953 岩手も暑い。連日の猛暑に田んぼの稲もすっかり豊作タイプ
 獲れれば獲れたで品質・・・どうの、こうのか。

「ハカダチ」「ハカガリ」
岩手で広く使われる言葉に「ハカダチ(墓立ち・頑固親父訳)」「ハカガリ(墓上がり・同)と言う言葉がある。
 朝、農作業に出かけることを「ハカダチ」 夕方農作業を終えて帰ることを「ハカガリ」と言う。
 単なる方言か、それにしても仕事の出入れになぜ「墓」なのか・・・長い間の疑問が解けた。

 読売新聞「地球を読む」高齢者不明の夏と題した宗教思想家の山折哲雄先生の文中にその答えは明確だった。
 今から100年前に刊行された柳田國男の「遠野物語」の中に

 村のはずれに蓮台野(れんだいの)という土地があって60才を越えた老人はみんなそこに追いやられるのだという。そして命があるうちは、日中は里に下がって農作をし、日が暮れてふたたび蓮台野にもどる。
 朝、野に出るのを「ハカダチ」といい、夕べに野から帰るのを「ハカアガリ」という。
 いわゆる
姥捨て伝承の暗さが、ここにはないことに注意
しよう。
 共同墓地と一体化しているような、したたかな老人共同体のイメージが・・・・・・・人生80年代を迎えてそれに見合うだけの幸福をもたらしてくれているのか。
 その生と死のあいだに病と老いの問題が割り込んできている。
 
文は死生観について続く。

 そうだったのか。
 毎日繰り返す言葉の「ハカダチ」、ちなみに昼食に戻ることは「ヒラガリ(昼上がり)」お昼休みが終わってふたたび野に出ることを「ヒルオリ(昼降り)」そして夕方作業を終えて帰ることを「ハカガリ」
 単なる民話集と思っていた「遠野物語」、深い深い意味合いがあったんだ・・・・・・

 我が死生観はいかに、
 我が人生の「ハカガリ(墓上がり)」はいつの日か。

 

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「35℃とマイナス15℃」

2010-08-14 16:53:37 | いなか暮らし

Cimg6832  暑い一日、「入道雲さん夕立をお願いします」

「35℃とマイナス15℃」
 今年の夏は早くから随分と暑い。
 岩手でも7月末から8月にかけて35℃を越える猛暑日が数日
 車庫の温度計は39℃の日が一日、異常な暑さも次第に慣れて、いつの日か異常が異常でなくなり35℃が40℃になり45℃になりという日が来るかもしれない・・・・・・

 35℃と冬のマイナス15℃ その差は50度。
 真冬日の最高気温は0度以下、暑さと寒さどちらが良いか?

 暑い夏、日中の農作業はきつい分、夕方のビールはこたえられない。
 風通しの良い我家では何処でも快適な昼寝が出来る。外の暑さに比べて、渡る涼しい風は昼寝の間に体が冷えることもある。
 美味しい野菜やお米も暑い夏のおかげ。
 Cimg3308

マイナス15℃の世界、厳しく冷え込んだ朝のビニールハウスは水滴がビニール表面に凍りついて美しい模様が見られる。
 寒い寒い冬 風通し自慢の我家を北風が通る お風呂で暖まってからのお湯割り焼酎が美味い。
 灯油をどんどん焚いて電気をたっぷり使って暖をとる。エコとか省エネなんか言ってられない。そうでもしなければ人間が凍ってしまう。暖房費用がかかる。

 暑い夏と寒い冬、暑いと言ってもこの夏も扇風機の出番は僅かに一週間、我家はやっぱり暑い夏が過ごしやすい。
 
ともあれ8月も10日を過ぎたら朝晩は涼しくなった。

 暑い暑い夏のおかげで田んぼのお米は上出来。
 出来秋が楽しみ、豊年満作の期待が高まるが・・・・・・
   取れれば取れたで素直に喜べないのが残念。

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