千数百年もの長い歴史を持つ奥州市黒石寺の蘇民祭は、コロナ禍を乗り越えて再開を喜んだのもつかの間、今年で長い歴史を閉じるという発表にはびっくりした。
今年に入ってから花巻市の胡四王神社、五大堂光勝寺の蘇民祭はコロナに加えてインフルエンザの流行もあり今年も休んだ。
唯一、花巻市大迫の早池峰神社蘇民祭は3月17日に行われた。年度末でもあり各種の総会もあったが委任状で失礼して、通いなれた大迫、岳の早池峰神社を目指した。
この道は60数年も前から早池峰山へと通い続けた。車で1時間と少し、早池峰登山も気軽に行けることから50、100回ではないくらい登っている。
神楽好きな孫のお伴で、早池峰神楽にも随分と通った思い出の道でもある。
蘇民祭当日、里は暖かな春だったが早池峰ダムは湖面がまだ半分ほど凍ったまま、標高の高い神社付近はさすがにまだまだいっぱいの雪で車から降りるとヒンヤリ。
総勢40人余りの蘇民祭選手の参加だという、蘇民袋を争って寒さの中、上半身裸、ふんどし一枚の参加者も見える。
一団には寒さの中、度々冷たい水を浴びさせられて湯気がボーボー立ち上がる。
時には参道脇の水路に入り込んだり、・・ 激闘1時間余、参道入り口の大鳥居でゴール。
集団に大きな声で「がんばれ!」と大きな声援を送る小学生くらいの男の子がいた、蘇民祭が好きな子供なんだろう、「将来の蘇民祭は君たちに任せるよ」・・
久しぶりの蘇民祭を堪能して帰り道はいつもの産直で家族へのお土産は「早池峰ヨーグルト」これは美味い。
夕方、近所の知人が訪ねてきた。彼は大の蘇民祭通、今日の蘇民祭では審判を務めていた。
「今日のお祭りに見えていたから・・」と早池峰神社のお札と蘇民袋に入っていた「こま」を届けてくれた。
この「こま」は大切なお守りとして大切にされ、争奪戦参加者と関係者のみに渡される。
昔、この「こま」をもって飲み屋に行けばその日の飲み代は、ただにしてくれたというくらい貴重なお守りである。そんな大切なお守りをいただいた・・・・
どちらの蘇民祭も後継者難といわれ選手だけにかかわらず準備や運営にかかわる人が少なくなっていると聞くが少々のお祭り形態が変わっても続いてほしい日本のお祭りである。
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