ご同輩(高齢)の方々、
この紅い実に見覚えありませんか。
集落のあちらこちらに、大木となったグミの木(当地ではシャゴミと言う)に、多くの子供たちが群がり、独特の渋味で、舌を白くしながら食べたグミ。
大きな子は、熟して紅くなったグミを求めて、上へ上へと木に登り、木に登れない小さな子供は、上を見上げて、手の届く枝の、まだ熟してない酸っぱいグミを食べて、泣きべそをかいていたこと、・・・・
グミ、桑の実、スグリ・・・そこそこの栄養もあるらしいが、日持ちしないので、商品化も難しいらしい。
里では、見かけることも無くなったグミ、山際などで、時折見かけて、味わってみる、、、
昔、あんなに美味しかったのに、酸っぱい。
後日、真っ赤に熟したグミを再度味わう・・・・うーん、甘い、昔の味を思い出す。
我が地区は、お米の優良な種子の産地として名高い。
75㌶ほどの種子圃場から、年に33万㌔の種子を生産、供給している。
33万㌔の種子は、翌年1万㌶余の田んぼに田植されて、秋には57000トン余のお米になり、一人、年に70㎏の消費で、凡そ80万人の一年のお腹を満たす。
それだけ重要な種子だけに栽培期間中は細かな管理が要求される。
病虫害は勿論、異品種が混じらないように管理するのも最重要な仕事の一つ。
5月に田植機で整然と植えられ、分けつして、たくましくなった稲の列から、はみ出ている「流れ苗」は、可能性はゼロに近いが、異品種の疑いをぬぐいきれない。
この作業だけは、どんな器械でもできない、人力に頼るしかない。
かくて、炎天下の田んぼを、一歩一歩、流れ苗や、生えだした雑草を抜き去る。
老農も、頑張れと SLが走る。