岩手の頑固親父

恵まれた自然、環境に暮す 老農のつぶやき、ぼやき

流れ苗

2018-06-28 09:53:25 | いなか暮し

 ご同輩(高齢)の方々、
   この紅い実に見覚えありませんか。
 集落のあちらこちらに、大木となったグミの木(当地ではシャゴミと言う)に、多くの子供たちが群がり、独特の渋味で、舌を白くしながら食べたグミ。
 大きな子は、熟して紅くなったグミを求めて、上へ上へと木に登り、木に登れない小さな子供は、上を見上げて、手の届く枝の、まだ熟してない酸っぱいグミを食べて、泣きべそをかいていたこと、・・・・
 グミ、桑の実、スグリ・・・そこそこの栄養もあるらしいが、日持ちしないので、商品化も難しいらしい。
 里では、見かけることも無くなったグミ、山際などで、時折見かけて、味わってみる、、、
 昔、あんなに美味しかったのに、酸っぱい。

  後日、真っ赤に熟したグミを再度味わう・・・・うーん、甘い、昔の味を思い出す。

 我が地区は、お米の優良な種子の産地として名高い。
 75㌶ほどの種子圃場から、年に33万㌔の種子を生産、供給している。
 33万㌔の種子は、翌年1万㌶余の田んぼに田植されて、秋には57000トン余のお米になり、一人、年に70㎏の消費で、凡そ80万人の一年のお腹を満たす。

 それだけ重要な種子だけに栽培期間中は細かな管理が要求される。
 病虫害は勿論、異品種が混じらないように管理するのも最重要な仕事の一つ。
 5月に田植機で整然と植えられ、分けつして、たくましくなった稲の列から、はみ出ている「流れ苗」は、可能性はゼロに近いが、異品種の疑いをぬぐいきれない。
 この作業だけは、どんな器械でもできない、人力に頼るしかない。
 かくて、炎天下の田んぼを、一歩一歩、流れ苗や、生えだした雑草を抜き去る。
  老農も、頑張れと SLが走る。

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物好きな、年寄り

2018-06-20 11:13:41 | 日々の暮らし

 岩手は、昔から馬の産地として、どこの農家でも馬を飼い、家族として大切に育てられた。
 万が一、馬が亡くなった時は、人間同様に「馬墓どころ」(馬頭観音)に祀られた。
 馬がいなくなった今、「馬墓どころ」は、 家庭で大切に飼われたペットのお墓として利用されている。

 農作業も一段落、老妻と、どこか近くの温泉にでも出かけようか・・・

 いや、まて、花の終わった庭のツツジ、早めの剪定をしないと来年、花を見せてくれない。
 温泉は後回しにして庭の手入れが始まる。
 先祖が植えて、代々、大切に育てた自慢の紅葉や、色違いのツツジ、長い脚立でも、手入れが難しくなるほど大きくなった糸ヒバ等に加えて、花好きの妻が植えて、大きくなった牡丹やバラ、色とりどりの紫陽花、そのほかにも名も知らない庭木も多々。
 ハサミや、のこぎりを腰に下げて、長い脚立を使っての作業が続く。
 もう、数十年も前だろうか、みんなが農業に熱心だったころ、競うように庭いじりが流行った頃があるが
昨今、付近では庭いじりする農家が減ったように感じる。
 みんな兼業農家になり、そんな悠長な余裕がなくなったのかもしれない。
 頑張って手入れしてるのに、「良く、手入れされてますね・・」と声をかけてくれる人もない。
 物好きな年寄り、と映っているんだろう。

 秋、遅くに手入れする伽羅木は後回しにして、素人が適当にやる剪定、手入れは早い。
 数日後、手入れ作業が終わり、雑草を取り、散らかった葉っぱの掃除を済ませる。
 手入した庭は気持ちが良い。
 庭をライトアップしようか? いや 夜、現れるのは、悪さしにくるタヌキだけか・・・・

 手入終わった、庭を眺めながら、妻とお茶を飲む。

 

  1.  
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焼酎の力

2018-06-11 16:37:40 | いなか暮し

 良く晴れた日が続き、そろそろ田んぼや畑に一雨が欲しい。
  夕方、空いっぱいに飛行機雲が広がっている。
 明日か明後日か、どうやら雨が近そうだ。

 50才過ぎた頃だったと思う、それまで何十年も好きで飲んでた日本酒だったが、たまたま訪れた石垣島の、度数のきつい泡盛が気に入り、それからは泡盛の晩酌が続いた。
 娘一家が熊本に住むようになって、何回か熊本を訪ねるうちに、今度は芋焼酎に惚れてしまった。
 その昔、となりの息子の九州ハネムーンの土産に、熊本の芋焼酎を貰ったことがあったが、蓋を取った瞬間に 「こんな臭い酒が飲めるか・・」 化粧瓶に入った芋焼酎は捨てて、瓶だけ食器棚に長い間飾っておいたことがある。

 飲み始めた当時は、集落の寄合に芋焼酎を持参すると、「誰だ、臭い酒を飲んでるのは・・・」 と言われる始末。
 以来、愛飲歴、多分20年、いやもっと長いかもしれない、芋焼酎一筋!

 5年前、大病を患った。
 退院の時 「先生、実は私は芋焼酎がないと・・・・・」
 その時、はっきりと 「駄目です」と言ってくれればいいものを 優しい先生は「大丈夫、量を過ごさないようにしましょう」
 結局、やめるタイミングを失って、飲み続けることになってしまった。

 病気をした後、体調には細かい神経を使いつつ、退院直後は少量にとどめていたが、その量は少しづつ増えて、今ではそこそこの量も入るようになり、夏冬通してのお湯割り芋焼酎は、今日の元気の素になっている。
 2,3年前、熊本を訪ねたとき、地元の酒屋さんで 「昔のような、においのきつい芋焼酎はありませんか」 と聞いたら 「日本中で芋焼酎が飲まれるようになったのは、臭いを薄めて飲みやすくしたからなんですよ」
 なるほど、今ではどこの宴会に行っても必ずと言ってよいほど、麦、芋焼酎は並べられている。
 晩酌楽しみに、今日も元気で仕事に精出せる。
 少々きつめの芋焼酎の晩酌、焼酎の力はすごい。 

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ご用心!

2018-06-11 10:31:39 | いなか暮し

 我が家の彼女(古女房)は、大の野菜つくり、花好きで、畑一杯の野菜の間に沢山の花を咲かせています。
 何輪かの花は、神さま、仏さまに供えて、残りは、散歩の人たちの目を楽しませておしまい。
  今、次々にボタンが咲いています。
 どなたにも差し上げます。どうぞご自由にお取り下さい。
 野菜の陰に古女房が見えたら声をかけてみてください。今が旬の苺、家人は飽き気配です。
 もしかしたら、苺も「もってって・・・」 
 ボタンは、数日で散ります、お急ぎ下さい。

 田んぼの仕事は一段落したが、中山間に属する田は大きな畦が多く草刈作業が続く。
 以前に比べたら色々の機械が出来て、随分と草刈も楽になった。
 近い将来、傾斜のある畦を、リモコンで操縦する機械で草刈することも夢ではないらしいが、もっと楽なのは除草剤の散布。
 散布を繰り返していると草が薄くなり、刈取りは楽にはなるが、次第に草種も減り、あぜ道のヨモギ、センブリ、ネジ花が無くなり、次第にスギナに覆われて、次は笹に覆われ、更に除草剤を使うと草の陰はなくなり、草のない畦は土がむき出しになり、崩れやすくなると言う、怖い面もある。

 我が家を囲む100年ものの伽羅木、老木になり、次第に元気がなくなり、弱ってきているのかなと思っていたが、毎年繰り返される根元の雑草退治の除草剤が原因かも、
 近所でも、梅の根元の、しつこい雑草に手を焼いて、除草剤を繰り返していたら、肝心の梅が枯れてしまった。
 ホームセンターで気軽に買える各種の除草剤だが、繰り返していると、目に見えない形でも効いてくるから、ご用心!
 
 

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一斉、草刈作業

2018-06-07 14:55:45 | いなか暮し

 初夏にかけて、里の道端には思いがけないほどの多くの花が咲く。
  釜石線沿いに咲いた、数千、いや数万のフランスギク
 毎週、やってくるSLの乗客の眼を楽しませているに違いない。
  多分、コウゾリナ。
 朝日を浴びて一斉に咲いて、夕方には店じまい(花は閉じて、明日の朝、又一斉に咲く)

 私の住む地区には、大きなため池(堤)が多い。
 大半が藩政時代から利用され、豊富な水を利用した稲作が盛んで、藩の重要な米どころとして、御蔵屋敷が立てられ、北上川を舟運で城下に米が運ばれたと言われている。
 重要な米どころだけに、極端に高い年貢には泣かせられた 重税に加えて、数あるため池の修理、底浚い工事の、出人夫の割り当てに反対する一揆も度々起こったらしい。
 今では上流に大きなダムが出来て、この地方では水の不足は考えられないが、古くからのため池は依然としてその重要さは変わらない。
 ダムからの水を一旦ためて水温を高める、一気に需要の高まる田植え時期の用水に、又、豪雨の時は、ため池に水をため込み下流の被害を防ぐ。
 そして、春には多くの桜を咲かせて花見客を集め、周囲には堤に係る伝説も多い。
 神楽場、泉三郎忠衛伝説、首洗いの池物語、本宮等々・・・・

 地区にはため池の受益者が、凡そ150人もいて組合を組織して、現在もその維持管理に努めている。
 
春、秋の二回、組合員総出で、広い広い堤体の草刈をする。
 100人余の人が草刈機で、一気に刈り取るさまは、壮観である。
 今年の春は、6月の第一土曜の2日、朝5時から、一斉に草刈作業が行われた。

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