岩手の頑固親父

恵まれた自然、環境に暮す 老農のつぶやき、ぼやき

農ノ勧メ(農の勧め)

2009-09-23 18:38:17 | いなか暮らし

Cimg4406 里の夕暮れ、稲刈りも近い。

花巻市認定農業者
協議会通信
『地人の風』第8号から抜粋、拝借しました。

 明治から大正にかけていくつかの書を残した「雲峰」と言う方の書き残した『農ノ勧メ』
 達筆の書はとかく難解、関係者の努力で解読されたので可能な限り現代語に表記しました。

 ~農ノ勧メ~
労作の精神を子供に与えるは
財産を与えるよりしあわせなり
知恵は耕作に用いる安き肥料なり
詩を作るより田畑を作れ
何かしより金貸しみ金噛みし
麦臥せ急ぐより鎌を研げ
上農は草を見ずして草をとる中農は草を見て草をとる
下農は草を見て草を取らず
賢き百姓は稼ぎて土地を買い
愚かな百姓は怠けて土地を売る
賢き百姓は年分けて土地を耕し
愚かな百姓は壱年で土地を耕す
国の勢力は農民の殷富にあり
農民の骨は萬民の肉となる
朝起きを厭うな 昼寝をするな 夜更かしをするな
礼節を身に纏いて野に伏せば綿を着る時はこれ金なり
金のなる木は水にて育たず汗をやらねば枯れてゆく
時季をはずせば千両の肥も米とならずに無駄となる
                 雲峰
 稗貫(花巻地方)の農家に農業の大切さ農家の心がけ、そして子孫への継承の価値観を説いている。
 徹底した効率的作業、農地流動化と集積、充分な休養と健康管理の現代と異なりひたすら勤労を尊ぶ当時の時代背景がうかがえる書です。
 解読された文言を何度か読み返した時にふと宮沢賢治の「精神歌」の一節『我らは黒き土に伏し誠の草の種播けり・・・』に通じるものを感じました。

  担当の広報委員の方は結んでいました。

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「丑年御縁年(うしどしごえんねん)」

2009-09-22 21:14:56 | いなか暮らし

 山形の月山、羽黒山、湯殿山を総称して出羽三山と言う。
 出羽三山は1400年もの歴史を持つ「山岳信仰の霊場」である。

 今年2009年は出羽三山の「丑年御縁年」にあたる。
 丑年にお参りすることで毎年、計12回参詣したと同じご利益があるといわれる。
 岩手、花巻地方でも「丑年・・・」のお参りの習慣は古くから伝わり一緒にお参りした仲間は同行(どうぎょう)と言われ生涯の付き合いをし仲間で記念の石碑を建てるため当地にはその記念碑が多く見られる。
Cimg2154 Cimg1867

 「丑年・・・」お参りまでは親から小遣を貰ってもいいが、その後は親に小遣をやるのが鉄則。
 お山がけとも言われる「丑年・・・」の山登りは一人前の男としての登竜門である。
 もっともお山がけの帰りは温泉地で「筆おろし」も盛んだったようにも聞く。文字通り一人前の男としての山登りでもあった。

 今年は12年ぶりの「丑年御縁年」
 「頑固親父」も過去に18才、30才、42才、54才、そして今年66才とお参りを続けた。
 お参りはこの先12年のお願いとして過去には子供たちの成長や仕事の成就等々願ったが66才の今年、この先12年は孫たちの健やかな成長とやはり家族の健康、加えてボケ、ストップを祈った。

 お参りに登った月山は頂上付近は
 見事な紅葉
が拡がっていた

Cimg5893_3

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花巻まつり

2009-09-15 11:07:53 | いなか暮らし

I014010304000012_3 417年の伝統というから秀吉朝鮮出兵の頃から続く花巻まつり
 今年は9月11日から13日まで
神楽権現舞、子供や一般の神輿は130団体もの参加とか。
 華麗さを競う山車パレードは12団体、花巻ばやし踊りも賑やかに街は大賑わい。
 まつり法被姿の孫は目を丸くしっぱなし。
 お祭中日には鳥谷ヶ崎神社の御神輿渡御が行われた。

 76年前、病床にあった郷土の偉人 宮沢賢治先生は家の前を通る鳥谷ヶ崎神社の御神輿を二階の病室から見下ろすことを避けて一階に下りて御神輿を拝んだ。

 方十里 稗貫のみかも
           稲熟れて
  み祭り三日そらはれわたる

 病(いたつき)のゆゑにも
        くちんいのちなり
  みのりに棄てばうれしからまし

昭和8年9月21日午後永眠、37才

76年後の平成21年、夏の長雨日照不足にも関わらず稗貫の稲は今年も黄金色に熟れた。

Cimg5871_2

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「乗鞍岳3026㍍」

2009-09-12 17:45:33 | いなか暮らし

Cimg5823 念願の乗鞍岳 2、3の予定をキャンセルし、前後の農作業を忙しい思いで済ませて、新幹線やバスを乗り継ぎ、夕方着いた乗鞍高原からは頂が雲に隠れている。
 地元の人に聞けば明日は晴れるというが・・・・・

 翌早朝、薄明かりの窓から大きな星が見えている、もしかして・・・
雲ひとつ無い秋晴れに恵まれた。

 松本電鉄のバスは若くてきれいな女性が運転して快晴の畳平に送り届けてくれた。
 天気が良いと、出会う人たちみんなに感謝したくなる。

 登り始めた頃から心配している子供達からメールが届く。
 「頑張って」「気をつけて」「晴れていがった、いがった」など等
息切れを休ませようと振り返ると憧れの
 槍、穂高が眼前に広がる。

Cimg5809_2 「年をとったら登れなくなるから早くおいで」と招いているような。

頂上からは御嶽山に手が届きそうな

「あーやっぱり山はいいなー・・・・」
3000㍍の空気を満喫した。

 今夜は野辺山に泊まって明日、飯盛山から眼前の八ツ岳を楽しむコースは念願の予定だったが知人の急逝、葬儀出席のため今回は野辺山は残念ながらキャンセル
来年必ず出直すぞ。

 下山途中出会った郡上八幡から自転車旅行という青年「お腹がすいて・・・」分けたおにぎりを食べてその後の旅行は元気だったろうか。

Cimg5790_2 車窓100景とか聞いた。
 篠ノ井線、姥捨付近 特急列車からの一瞬の景色、棚田と広がる景色。
 ほんの瞬きの間の景色が目に焼きついた。

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「ご飯がパワーの源」

2009-09-01 20:34:08 | いなか暮らし

Cimg5783 日照不足と低温に悩まされたこの夏だったが田んぼの稲は日ごとにその遅れを取り戻しつつある。

「ご飯がパワーの源」

 恐縮ながらいつもの読売新聞からの借用
 「NEWSなおにぎり」から

夏の全国高校野球の覇者、中京大中京のパワーヒッター伊藤隆比古選手は準決勝で我が郷土 花巻東のエース菊池雄星投手から本塁打を放った。
 菊池投手からは中学時代にも本塁打を打っている。
 ところが相手は高校野球界ナンバーワンの投手に成長、その姿に刺激されてご飯を2キロも掻きこんで練習に励む。
 大藤監督の指導と言う。
 その狙いは「食べてエネルギーをつければいくらでも練習できる」、ではなぜご飯なのか「日本人の主食だから」と明快な答え。
 準優勝の選抜に続いて鮮烈な印象を甲子園に残した菊池雄星投手もまたご飯を良く食べる。
 「昼の弁当のほかに朝、丼で3杯、夜7杯」
 「体重が1キロ増えれば球速も1キロ増す」そう思って食べるそうだ。

 『日本人が昔ほどご飯を食べなくなったのは、豊かになっておかずの量が増えたため。
 生活の洋風化やダイエット志向の高まりも影響している。
 それでも戦中、戦後の食糧難を経験した世代には、今でも「白いご飯が毎日食べられれば幸せ」と言う人が少なくない。

 ほかほかの米粒から立ち上る湯気と香り、口の中でほのかに広がる甘み、子どもが「おかわり」と茶わんを差し出すときの元気な声。
 それらを思い浮かべれば「白いご飯が毎日・・・」の幸福感は古びていないと断言できる。
 もっとも、みんながご飯を毎日食べるには、農家に米を作り続けてもらわなければならないし、米を買うにも仕事が必要だ。
 高校野球と衆院選投票日のはざまに、そんなことも考えた』

         読売新聞「NEWSなおにぎり」から
 
米作農家に嬉しい一文である。

 花巻東ナインには岩手県民栄誉賞が贈られる

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