花巻市認定農業者
協議会通信
『地人の風』第8号から抜粋、拝借しました。
明治から大正にかけていくつかの書を残した「雲峰」と言う方の書き残した『農ノ勧メ』
達筆の書はとかく難解、関係者の努力で解読されたので可能な限り現代語に表記しました。
~農ノ勧メ~
労作の精神を子供に与えるは
財産を与えるよりしあわせなり
知恵は耕作に用いる安き肥料なり
詩を作るより田畑を作れ
何かしより金貸しみ金噛みし
麦臥せ急ぐより鎌を研げ
上農は草を見ずして草をとる中農は草を見て草をとる
下農は草を見て草を取らず
賢き百姓は稼ぎて土地を買い
愚かな百姓は怠けて土地を売る
賢き百姓は年分けて土地を耕し
愚かな百姓は壱年で土地を耕す
国の勢力は農民の殷富にあり
農民の骨は萬民の肉となる
朝起きを厭うな 昼寝をするな 夜更かしをするな
礼節を身に纏いて野に伏せば綿を着る時はこれ金なり
金のなる木は水にて育たず汗をやらねば枯れてゆく
時季をはずせば千両の肥も米とならずに無駄となる
雲峰
稗貫(花巻地方)の農家に農業の大切さ農家の心がけ、そして子孫への継承の価値観を説いている。
徹底した効率的作業、農地流動化と集積、充分な休養と健康管理の現代と異なりひたすら勤労を尊ぶ当時の時代背景がうかがえる書です。
解読された文言を何度か読み返した時にふと宮沢賢治の「精神歌」の一節『我らは黒き土に伏し誠の草の種播けり・・・』に通じるものを感じました。
担当の広報委員の方は結んでいました。