岩手の頑固親父

恵まれた自然、環境に暮す 老農のつぶやき、ぼやき

「感謝状」

2020-03-27 11:18:41 | いなか暮し

毎年、今頃、クロッカスの咲く時期に、知人からミカンが届く。
 小粒で色の淡い、このミカンはスーパーでもあまり見かけない。
最初いただいたときに”おいしい”を連発したものだから、毎年届けざるを得ないのだろう。
聞けば産地の農家と契約して毎年送って貰うらしい。本当においしい、来年もよろしく・・

 我が家の老奥方は、花と野菜作りが好きで、畑いっぱいに何でも作る。
 日本の野菜でショウガだけがどうしても作れないと・・とか言っているが、自家菜園といえど、その畑の広さは半端ではない、およそ1反、300坪ほどの畑にいっぱいの野菜、花を作り、近所、知人、みんなにおすそ分けを楽しみにしている、無類の働き者であるが最近、広い畑に息切れするようになったのでこの春、思い切って、畑を大幅に縮小し、家族が食べれるだけの野菜と、お仏壇用の花だけを作ることにした。
         感謝状

 貴女は、かれこれ50年近くの間、子育てや田んぼの仕事に、精出しながら多くの野菜や花をつくり、食卓を豊かにして、近所の人たちにも喜ばれ、時には貰ったほうでも、戸惑うほどの量の野菜を届け、びっくりされたこともありましたが、若いころからの働きすぎもあって、最近では体力の問題もあります。
 今年からは畑を、大幅に減らして、体力に見合うだけの畑の仕事を楽しんでください。
 長い間、本当にご苦労様でした。

 副賞としてクルーズ観光・・・・は、やめて、近いうちに温泉へでも行って、ゆっくりしてください。 私もお供しま
す。                                                                

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鉄砲撃ち

2020-03-19 18:16:03 | いなか暮し

  100年、いや、もっと前に植えられた、我が家のキャラ木は50㍍ほどの長い垣根 2,3年前にすっかり元気がなくなり枯死も近いかと思ったが、我が家の植物博士(老妻)は株元の土が、長い年月の間に流れて薄くなったから、新しい土を沢山入れるようにとのご託宣。
 新しい土を入れて2年、この春、見事に再生、いっぱいの実のように見えるけど、花なんだろう、花粉をどんどん飛ばしている。

  Oさんはその昔、20㌔ほど離れた村から、入り婿として集落の仲間になった。
 車は持たず、どこまでも自転車で出かけては、田んぼや畑で、だれかれなく話しかける。
 その性格はごまかしはなく、用件を頼まれて嫌な顔や、断ったことがないから、誰からも愛される。

 彼は収穫の秋を早めに済ませては山に入る。
 狩猟シーズンの始まりである。彼は「一流の鉄砲撃ち」である。「一流・・・」に誰も異存はない。
 本人は笑って、話さないが、一シーズン中にクマを10頭は仕留めているはず、鹿に至っては、何頭撃ってるのか、見当もつかない。
 夏の間に、目星のつけた山を、歩き回り、熊の居場所に目をつけ動きを観察している。
 彼に目を付けられた熊は運が悪い。
 山の動物の生息,生態は実に詳しい、山の木の実の出来、不出来、山際の田んぼの、稲を踏みつけた鹿は、体につく虫よけに、体に田んぼの泥を塗りつけているとか、その道の専門家も、真っ青になるような事を体験から知っている。
 そんな彼が、熊狩りの話をするときは活き活きしている。
 「冬眠してるはずの熊穴を覗いた途端に襲われた・・・」
 「熊の攻撃を間一髪で避け、崖から転がり落ちて助かった・・・」とか俊敏な彼だからこそ出来る、技かもしれない。
 70才を大分、超えて「目も随分、弱ったし、足も・・・」とは言うが、シーズンガ来れば、また銃を背負って山に入るに違いない。
 奥さんを早く亡くした彼の唯一の楽しみは、シーズン終わった早春、近場の温泉で長湯治。
 今年も10日ほど湯治したらしい。
 「この里にも、悪さをする、イノシシが近づいている・・・」という「老鉄砲撃ち」

 獲物の肉を、ご相伴いただきながら、「彼は岩手県一の鉄砲撃ち」だな・・・。
        誰も異論はない。
 

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「ソノラマ」・・と、いったような気が・・

2020-03-16 16:08:30 | いなか暮し

 もう、長年、身に着けてる携帯電話、連絡しあう電話の役目は薄れて、スマホになってからは特に電話から遠ざかる。
 最も年令とともに、社会は狭まり、学校の送迎や家族との連絡、孫とのライン程度だが、電話に代わって利用が増えているのはユーチューブ、これはいい。
 好きな音楽、いくらでも聞ける。イージーリスニング、昔の歌、音楽。
 新旧、年代問わずに、好きなものをいくらでも聞ける。
 そこそこの音質と音量だが、無料と思えば、納得できる。
 かくて、農作業にはワイヤレスホーン利用で、風呂では音量を目いっぱいにして、昭和演歌など聞きながら、つい長風呂となる。
    庭の草花、春一番 クロッカスは今が盛り!
     その向こう、コロナウイルス臨時休校で体力持て余す孫が縄跳びに頑張る。          

 昔、レコードは欲しくても手の届かないものだった。
 親にも、ねだれないし、高校のアルバイトの郵便配達は220円、時給じゃないよ、一日郵便物を配達、歩き回って一日220円。
 現在の時給の1/3にも届かない。いまから考えたら児童虐待にも等しい。
 当時一日働いても、ドーナッツ盤のレコード、一枚買えなかったように記憶している。

 そんな時、多分、「ソノラマ」・・・?といったよう気がする。
 うすいビニール状のぴらぴらのレコードと同じような形で、透明なソノラマには赤や青の色がついていた。
 当時のニュースの録音が聞けるものもあったが、嬉しいことにレコードに比べたら大分安く、レコードと同じプレーヤーでソノラマの音楽が聴けた。
 当時人気の 「アパッチ」「悲しき少年兵」「朝日の当たる家」なんかもあったと思う。
 友人を誘って、再生するプレーヤーを持ってる家に集まっては熱心に聴いた。
 今でもその曲は覚えているから、よほど感動して聴いたんだろう、と思う。
 いま、聞いたら音質がどうのこうのと言うんだろうな。
     昭和30年代、今から60年も昔・・・・・

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早池峰蘇民祭 2

2020-03-04 15:37:20 | 日々の暮らし

 早池峰蘇民祭 1から続きます。

 「北の魔性たち」から  早池峰蘇民祭 2   和賀町 菊池敬一作

   
  
早池峰人はオロヂの宝珠になった。しぶぎたでで、ドドッド飛び上がった。
  火玉になって藪(やぶ)こえで、ガンギと凍った畑さ落ちだ。火玉ころがれば、ころがったどごぁ泥沼になった。
  火玉から手ぇ出で足ぁ出で、我(われ)ぇ体ぶんなぐった。あれぁ、我れぇ体のウロコただぎ固めでいるどごろだ。
  
  笛が鳴った。早池峰女神ぁ笛吹いだ。
  「男神だぢよ。そのままそごさ起ちたまえ。今日の勇者ば決めでつかわす。
   ホラ、おまえ、○○〇の○○〇〇の神よ」                  
                   ○○〇の ○○〇〇蘇民袋の取主の住所、氏名

  ホーイ  ホイ
  叫(おら)べ手を打て我らの勇者へ。
  お前の誇りはおらぁの誇り。おらぁの誇りはおまぇの誇り。決まれば後は文句がねぇ。
  手ジメ口ジメ三拍子御神事どシメでいだだきますべー。

   シャンシャンのシャンとせ
    オシャシャのシャンとせ
       ヨイヨイ ヨイトセ
        ヨイヨイの ヨイトセ 


                    早池峰神社蘇民祭は3月17日(月)
                          花巻市大迫町内川目 早池峰神社
                       10:00 神事
                       11:00蘇民袋争奪戦  (~12:00頃)

    

  令和2年 3月17日に予定されていた早池峰神社蘇民祭は中止となりました。

               

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早池峰蘇民祭 1

2020-03-04 14:34:49 | いなか暮し

 年明け、1月2日の胡四王神社から始まった、今年の蘇民祭は岩手県南を中心に各地で行われ、3月17日(9:00~)大迫町の蘇民祭で 今シーズンは終了する。
 裸の男衆が、激しくぶつかり合う、豪快な蘇民祭は和賀町の作家、菊池敬一氏の目にはこう映ります。

  「北の魔性たち」から 早池峰蘇民祭  1

  早池峰人は神様だ。
  手ジメ口ジメ、シャンシャンすれば、死んでも生ぎでも文句はねぇ。
  早池峰八劫(ごう)八億五十七年三月十七日。早池峰裾(すそ)の奥谷の、岳の谷間でシャンシャン鳴った。

  イヨー
  手ジメ口ジメ三拍子、何がおぎよとアトクサレねぇ。御神事(おんかみごと)どシメていただきますうべー。
  シャンシャンの シャンとせ
  オシャシャのシャンとせ
  ヨイヨイ ヨイトせ
  ヨイヨイの ヨイとせ

  早池峰人は石だべがー。
  ハガネの氷の上を、何十人も肉玉になってどどーと下った。石段の角ぁぶっつけて、鉈(なだ)の刃になって光ったぁー。
  肉玉ぁ岳の沢さ突っ込んだ。赤い臀(けつ)ど白い腹ど黒い頭のうごめく肉の玉だぁー。

  早池峰人はオロヂになった。手と足ど頭ど胴んづらぁ、固ぇとぐろのオロヂになって、早池峰川さ突んもぐった。
  川の雪ぁびっくりして、ジョロリど崩れで堤になった。堤ぁ煮えたぎって湯気たでできたどき、オロジの上さ五色の虹ぁ燃えだ。

      「イヨー。下の奴ぁ生きでらが死んでらがー」
      「死んでも生きでもいねー。 蘇民袋ばぎっちら抱いでだー」
  七日七晩ゴマ油で煮で煮づめ、エトの駒詰めだ蘇民袋ぁ神様の生ぎ肝だべが。
  太陽の汗のかだまりだべが。月の涙の結晶だべが。 んにゃ、地球の芯(しん)コだべ。

                              以下、次回に続きます・・・・
 

  令和2年 3月17日に予定されていた早池峰神社蘇民祭は中止になりました。

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