岩手の頑固親父

恵まれた自然、環境に暮す 老農のつぶやき、ぼやき

「火防祭(かぼうさい)」

2006-04-30 19:12:51 | 田舎暮らし

Cimg1125 ※写真  昭和20年代の火防祭の骨董的一枚、笑顔が素晴らしい

 旧暦3月15日だから凡そ4月中に地域では「火防祭」が行われる。空気の乾燥するこの時期、近在の村々ではどこでも行われる。今も昔も火事の恐ろしさは変わらないが萱葺き屋根の頃は現在と比べ物にならないほど恐いものだった。

火防祭の日、昭和20~30年代初め頃まで集落ごとに(50戸くらい)山車jを作った。山車のテーマも世界平和塔、千石船等々 山車とともに行われるアトラクションが面白かった。各国の要人に仮装して世界平和会議、女相撲の時は30名ほどの主婦が角巻を化粧回しに見立てて土俵入りや相撲甚句、エリザベス女王の戴冠式というのもあって恐れ多くも私の母が女王の役だった。今、80歳だから25~30歳ぐらいか。世界平和塔の時は杉の葉で大きな塔を作りその上に鳩が乗っていた。手先の器用な祖父が木を削って真綿を巻き付けて見事な鳩を作った。そばでわくわくしたことを覚えている。

 出し物はその頃の世相を反映したようだ。自慢の山車の運行、催しものに大笑いして各集落に戻っての慰労会は沢山の人が集まってどぶろくを飲んで賑やかだった。子供たちも暗くなるまで外で遊び回っていた、戦後の貧しかったあの頃、どうしてこんなに笑顔が素晴らしいのか不思議に思う。

 現在の火防祭も祈る気持ちは同じだ。鎮守の杜の八幡様に関係者や、昔は部落長現在では行政連絡員と呼ばれる人たちが集落を代表して二段重ねの餅、酒を持参し八幡様に防火を祈願し豊作を願う。

祈願をした餅、酒は集落に持ち帰り各集会所、公民館で今度は全戸参加で防火の神さま、古峰神社の掛図に防火祈願して直会(なおらい)、八幡様で祈願したお酒はお神酒となり餅は小さく切って各戸で持ち帰り家族みんなで食べ防火を誓う。

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『老木』

2006-04-29 21:24:10 | 田舎暮らし

Cimg1128  今年の春は異常だ。庭の梅は去年より17日も遅れて咲き始めた。桜も咲き始めたから満開の頃には桜が梅を追い越しそうだ。

※ 写真 近所の桜、この桜は元々は野原でのんびり咲いていた。子供の頃、この桜に木登りした。桜の下で花見もした。桜の老木は動かないのに人間の都合で道路の拡幅とかで道路が寄って来た。拡幅の邪魔といって枝を切られ、根を切られた。そばには分譲住宅がいっぱい出来た。おまけに排気ガスにさらされる羽目になった。

 ところがどっこい、老木にも意地がある。どうだ、見てみろ今年もいっぱいの花を咲かせてやるぞ・・・・・と、言ってるかもしれない。一年中でもっとも忙しいこの時期、田んぼの行き返りに花を愛でる昨今である。

それにしても無粋な立て看板ではある。

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『ネズミ穴』

2006-04-19 21:35:11 | 田舎暮らし

Cimg0973 ※ 野原で凧揚げをする子供を見た。なつかしい光景である。

 この冬、雪がとても多く寒さも記録的だった。昨年暮れに降った大雪は大地が凍てつく前に降ったので土は凍結しないでしまった。土中で冬を越す小動物にとっては快適な冬だったことだろう。過ごしやすかったネズミたちは冬の間、元気に活躍したので春になって田んぼのあぜ道はネズミの穴だらけである。田植をして除草剤を散布するが穴だらけのあぜ道はすぐに水が逃げてしまい折角散布した除草剤も一緒に流れて田んぼは雑草だらけになり結局はお米が採れない。米が余っているから調度良いということにはならない。

 昔は鍬で畦に泥を塗りつけてネズミ穴を塞いだが現代では畦塗り機という器械を使う。トラクターに取り付けて轟音とともに畦のネズミ穴を塞ぐ。時速300㍍程の超スロー速度で泥を叩きつける、バイブレーターの振動で穴を塞ぐ、回転する羽で泥を塗りつける等々

 ネズミ穴の多いこの春、雨降りが続いて例年より半月あまりも遅れて畦塗り作業が盛んである。ちなみにこの畦塗り作業、市の農業委員会の設定した標準料金は1m50円である。

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『台風一過』

2006-04-12 09:28:05 | 田舎暮らし

Cimg0878 ※ 農作業を手伝う孫たち

 この春、我が家では小さな、大きな台風が過ぎ去った。全国区の我が家では九州から新幹線を乗り継いで日本縦断した孫たち、出向勤務を終えた長男一家が帰郷した。同じ頃、アメリカ出張していた甥っ子も帰った。

 年寄り一家に突然元気な孫の大集合、あらかじめ用意した凧揚げや補助車輪をつけた自転車や三輪車、そして農作業の手伝い 子供は農作業が大好きだ。トラクター後部に孫を乗せたら交通安全のおまわりさんに叱られた。孫たちはそれこそ雲の子散らすように逃げ、じいちゃんだけが怒られた。育苗ハウスのビニールかけはもっともっと楽しかったらしい。近所の子供たちまで集まって大騒ぎした。隣のおばさんもこんな賑やかな子供の声は久しぶりだと目を細めていた。大好きなムシキングさえ忘れている。夜はみんなで風呂に入り絵本を読む。それも『タキイ種苗』の野菜の本が一番人気。じいちゃんと寝る子、ばあちゃんと寝る子。少々疲れながらも元気パワーを一杯もらった。

 今朝、山鳩の声で目を覚ました。今日、九州の孫たちが帰ると思ったら寂しさが募るので早く起きた。三匹もいる犬たちに別れを惜しんで空港に送った。5時間後「今、着いた」と電話があった。「おじいちゃんどうもありがとうございました」胸が熱くなる。

『台風一過』今夜の夕食は静かな夜だった。でも、今回は出向を終えた長男一家が離れで生活を始め おしゃべりで賑やかな孫娘がいる。

 今夜も冷たい雨が降っている。今年の春は一体どうしたことだろう。いつもは4月7日の孫の誕生日に咲き始める梅はまだ蕾が固い。お彼岸すぎから雪や雨が続いてしかも寒い。変な天候に気をもむ頑固親父である。

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