わたしもそうだったし、わたしの息子二人も、いわゆる不登校だった。だからといって、不登校とは何かとか、そもそも学校に行かないことは、善いことなのか、悪いことなのか等々などと根源的に問いかえしてみても、何一つそれらしく納得いくような言葉は出てこない。しいて言うなら、やはりこれまた人生の一部であったとか、せいぜいあまたある幼少期のエピソードの一つに過ぎなかったような気がするだけだ。
ようするに学校に行こうと行くまいと、わが身に降りかかってくる苦労は等分なのである。貧乏人と金持ちの人間的差異に、たいした違いはないように。男と女の幸福度を比べてみても、たいした違いはないようにである。いずれにせよ、わたしが彼らに言いたいことは、次の一言だ。
がんばれ不登校。ふれっふれっ不登校。
2012.12.28 朝日新聞夕刊
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