世に倦む日日・・・アイルランド。私の世代では「貧しい国」のイメージがあるけれど、実は豊かな国だ。近年、経済成長を遂げて成功し、現在一人当たりGDP世界第5位。保守からリベラルへと国民の思想の主流が変わった国でもある。第二次大戦中、英国への反発から連合国軍に入らず中立を維持。
ラグビーW杯日本大会が現在20か国による予選が挙行されている。二日前だったか番狂わせがあって、なんと優勝候補筆頭のアイルランドをわれら日本チームがやぶってしまった。
その他の試合もTVにて見てはいるのだが、アイルランドは別の国であるとしても、なんとイギリスからは他に三つのチームがW杯に参加しているのであったのであって。フットボール発祥の国とはいえ、いかなる特権ぞと思うなり。まずは下の地図をみてほしい。
上記イギリス島国の全体像に相違ないのだが、ここに四つの地域が表記されている。それらが、そのまま今回のラグビーW杯日本大会に出場してきている。イングランド、ウェールズ、スコットランド、そして国旗はちがうがアイルランドである。それに、これら四つのチームが、それぞれ優勝を狙える強豪チームなのであったのであったのだった。
ちなみに小耳にはさんだところによれば西の島なるアイルランドの北に存する北アイルランドは、現在ロンドン統治下にあって、ここがアイルランドと血を血で洗う紛争の最前線であったという歴史がある。現にEU脱退をめぐるあれこれも、この北アイルランドの意向と処遇をどうするかこそ雌雄を決する原因となすとの一説を耳にした。
だが、ラグビーに限っては北アイルランドの選手も含めて大アイルランドチームを構成しているとはめでたきことよ。そこで、いささか唐突だが、日本の全体地図を見て欲しい。
西の果ての島国大英帝国における分断と分裂をかせねつつ愛憎きわまる地政学的幸不幸に比してまた東の果ての島国、日本には日本の地政学的幸不幸があることを、われら日本国民は、その歴史的奥義のなんたるかを、せめて少々の事柄でも比較しつつも知っておくべきことがたくさんあると思った次第なりけり。