京セラの創業者で、現在は名誉会長をされている稲盛和夫の『生き方』という本を読みました。
文中には、あきらめずにやり通せば成功しかありえないとか、寝ても覚めても強烈に思い続けることが大切とか、随所に含蓄のある言葉が出てきて、それを実践されて来た人だけに、書いてある内容は大変説得力がありました。
稲盛氏が、多くの有名な事件の弁護団長を務めた中坊公平氏に会った時、事件に取組む上でもっとも大切なことは何かと尋ねた経緯の話が書いてあり、中坊氏は「事件の鍵は全て現場にあり、現場には神が宿っているのです」と答えたそうです。
京セラの作っているセラミックという製品は、粉末状にした金属の酸化物をプレスして成型しそれを高温の中で焼き上げるのだそうです。しかし電子工業向けなので極めて高い精度を要求されるそうです。
創業間もないころ、ある製品を試作したのですが、実験炉の中で焼くとスルメをあぶったように反ってしまい、粉末の密度を一定にしたり、焼き具合を観察する為に炉にのぞき穴を開けたり、何回やっても結果は思いを無視するかのように反り返ってしまったとのことでした。
ある時お願いだから反らないでくれと、のぞき穴から千何百度の炉に手を入れて、製品の上から押さえつけたい衝動に駆られたそうです。この上から押さえたいとっさの衝動が、解決策に繋がっていったとのことで、その後製品の上に耐火性の重しを乗せて焼いてみたところ、反りの無い平らな製品が完成したそうです。
このことについて稲盛氏は、答えは常に現場にある、その答えを得るには、仕事に対する誰にも負けない強い情熱や深い思い入れが必要であると考えたそうです。そして物理的には、現場を素直な目でじっくりと観察し、耳を傾け、心を寄り添わせるうちに、初めて製品から語りかけてくれる声を聞き、解決策が見出せると語っています。
思いの深さと観察力の鋭さが、無機質であるはずの現場や製品にも生命が宿り、無音の声を発する、いわば心に物がこたえる瞬間を経て、物事は成就するものであると言っています。
我が社にも現場や製品があります。感銘深い本でした。
文中には、あきらめずにやり通せば成功しかありえないとか、寝ても覚めても強烈に思い続けることが大切とか、随所に含蓄のある言葉が出てきて、それを実践されて来た人だけに、書いてある内容は大変説得力がありました。
稲盛氏が、多くの有名な事件の弁護団長を務めた中坊公平氏に会った時、事件に取組む上でもっとも大切なことは何かと尋ねた経緯の話が書いてあり、中坊氏は「事件の鍵は全て現場にあり、現場には神が宿っているのです」と答えたそうです。
京セラの作っているセラミックという製品は、粉末状にした金属の酸化物をプレスして成型しそれを高温の中で焼き上げるのだそうです。しかし電子工業向けなので極めて高い精度を要求されるそうです。
創業間もないころ、ある製品を試作したのですが、実験炉の中で焼くとスルメをあぶったように反ってしまい、粉末の密度を一定にしたり、焼き具合を観察する為に炉にのぞき穴を開けたり、何回やっても結果は思いを無視するかのように反り返ってしまったとのことでした。
ある時お願いだから反らないでくれと、のぞき穴から千何百度の炉に手を入れて、製品の上から押さえつけたい衝動に駆られたそうです。この上から押さえたいとっさの衝動が、解決策に繋がっていったとのことで、その後製品の上に耐火性の重しを乗せて焼いてみたところ、反りの無い平らな製品が完成したそうです。
このことについて稲盛氏は、答えは常に現場にある、その答えを得るには、仕事に対する誰にも負けない強い情熱や深い思い入れが必要であると考えたそうです。そして物理的には、現場を素直な目でじっくりと観察し、耳を傾け、心を寄り添わせるうちに、初めて製品から語りかけてくれる声を聞き、解決策が見出せると語っています。
思いの深さと観察力の鋭さが、無機質であるはずの現場や製品にも生命が宿り、無音の声を発する、いわば心に物がこたえる瞬間を経て、物事は成就するものであると言っています。
我が社にも現場や製品があります。感銘深い本でした。