銚子・角巳之・三代目

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乗っ込み

2019年02月28日 | 銚子の魚
写真は銚子港水揚げの天然真鯛...。まだちょっと時期が早いのですが、春先の
真鯛は“乗っ込み鯛”あるいは“桜鯛”などと呼ばれ、一年のうちで最も真鯛の美味しい
季節を迎えます...。冬場は深いところで生息している真鯛も、水温の上がる春先に
産卵準備のために浅瀬へと移動...。その産卵のため、真鯛の食欲が旺盛になり、
脂が乗って...。大型化し、美味となる...。乗っ込みとは釣り人達が言う、魚の
産卵時期であり、桜は春先の象徴、あるいは綺麗な魚体の色を指しているようです。
鯛は養殖も盛んで、実はこちらも侮れません...。以前、ある神事で真鯛が必要となり、
漁師さんに揚がったら譲って下さいとお願いしていたところ、時化続き...。ないもの
はしょうがないと、養殖鯛を業者の方に譲って頂きました。神事を終え、供養です..と、
その養殖鯛を食べたのですが...。正直、ビックリでありました。たいへん美味しい。
一方、これから揚がってくるであろう、乗っ込み、桜鯛...。昆布〆などで食すと、
得も言われぬ味...。表現するならまさにこの、得も言われぬ味...。美味しいを越えた
味に出会った時、人間の表現など乏しいものです。泣き出すか、踊り出すか、沈黙するか..。
養殖鯛の美味しさが人工甘味料の味とすれば、天然真鯛(乗っ込み)の味は、老舗菓子店
の餡のような味...。前者が安定的で、良くも悪くもハズレが無い一方、後者は不安定で
かつ、その時期にしか出会えないけれど、不安定で、待った分だけ味わいひとしお..。
この話題、その季節になったらまた...。

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