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風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

平泉

2011-06-26 | 世界・平和
平泉文化の根底にある「浄土思想」とは
戦や争い事の無い、
人々が穏やかに笑顔で暮らせる、
仏を中心とした世界を作ろうとした都市計画理念。
新渡戸稲造や宮沢賢治さんの思想にも繋がる
みちのく岩手という土地に根差している哲学だ。

実は歴史上、
岩手(今のエリア)は他地域に戦を仕掛けたことがない。
坂上田村麻呂、源義家、清原氏、頼朝、
そして薩長による明治新政府と、
攻めて来られる一方で蹂躙されてきた。
それでもそのたびに人々は耐えて立ち上がり
その後も我慢強く慎ましい生活を守ってきた。
これも意識の根底に流れる「浄土思想」のなせる業。

ちなみに岩手の文化は
他者を抵抗なく受け入れる文化でもある。
冷麺は朝鮮半島出身の方々の食文化、
じゃじゃ麺はもともと中国東北部のものだ。
差別なく、抵抗なく、
いいものは受け入れて自分達の文化と融合させてきた。
(知る限り、差別なんてのもない)
それもまた「浄土思想」によるものかもしれない。

今回平泉が世界文化遺産に指定されたことについて
「どうせ同情からだろう」というコメントをいくつか見た。
いいじゃないか。
震災から立ち上がろうとする姿こそ
「浄土思想」により昔から培われた力に相違ないのだから。
そしてそれ以上に
国と国との間、南北間、民族間、宗教間で起きている
様々な争いやいがみ合い、殺し合いに
今回の指定が一石を投じることができればと思うのだ。
コメント
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