風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

桜の木の下で

2006-04-18 | 風屋日記
今度の日曜、23日は
毎年恒例の桜華山延命寺(中根子地蔵堂)における奉納神楽。
例年だと満開の桜の下での華やかな奉納で、
近所の人たちが花見をしながらの神楽見物と相成る。
だけど今年は開花が遅くなりそうだからどうかなー・・・。
タイトルも「桜の花の下で」とは書けない(笑)

この延命寺(通称地蔵さん)というのは
宮澤賢治の「巨杉」という作品にも登場する杉の巨木がランドマークだが、
桜の木々もなかなかに見事な場所だ。
「寺」と名はついているものの、神社とお寺が隣接している。
ここは天台宗系の修験道の霊場。いわゆる神仏混淆の名残りが残るところだ。
修験宗という神仏混淆宗教は明治5年の太政官令によって廃止に追い込まれ、
真言、天台系の修験院は「寺」になるか「神社」になるかを迫られた。
当時の神道は国家宗教だったため神官は公務員扱い・・・ということで、
ほとんどが神社を選ぶ中、この延命寺は「寺」の道を選んだのだろう。
それでも(神仏を同じ祭壇にはしないまでも)神社と寺が両方ある。
我々の神楽は山伏神楽であるため、本当は神道ではなく修験がベースなのだ。

延命寺で神楽を奉納後、毎年直会に呼ばれるが、
座敷の欄間には、修験の格好をした歴代の当主の写真がずらりと並んでいる。
現当主はコンピュータ会社に勤めるまだ若い人。
それでも長い伝統を守って生活している。

今年の奉納神楽は7演目。
「鳥舞」イザナギ、イザナミの2人が舞う、庭鎮めの舞。
「翁舞」天津児屋根尊を演じて舞う、最も古い型の舞。
「岩戸開き」言わずと知れた、天照大神の天の岩屋戸伝説を舞にしたもの。
「三番叟」体の弱かった蛭子尊が周囲の人達に育てられ、豊穣の神になるという舞い。
「八幡舞」応神天皇だった誉田分尊とその兄である誉夜分尊による悪鬼駆逐の舞い。
「天王舞」スサノオが租民将来の娘を守るべく悪鬼コタンと戦う物語。
     コタンとは恐らくアイヌの神様なので、民族紛争を物語にしたものだろう。
     実際の舞は下ネタありの狂言神楽。おおらかな笑いを誘う。
「権現舞」権現様は我が神社の神様の権現姿。いわば神様のデリバリーサービス(笑)

花見になるかどうかわからないけど、
ご都合がいい方は散歩がてらにどうぞおいで下さいまし。

    ◇      ◇      ◇      ◇

毎週月曜は神楽を子ども達に教える練習日。
とはいっても第一期生の大学1年~高校2年あたりは忙しくて来れない。
今年高校へ入学した連中から小学校2年までが三々五々集まる。
昨日の朝の突然の雨&雪により、うちの次男は車で登校。
帰りの迎えのついでに、23日の打ち合わせも兼ねて練習中の神社へ寄った。

うちの次男は野球部の練習が忙しく、神楽へ顔を出すのは久しぶり。
「おー、○○じゃねーか。元気かー?」
「何だか背が高くなったんじゃねーの?」
「お前どこ守ってんの? サード? お前にできるのか?(笑)」
来ているおとな達から手荒い歓迎が続く。
小学校1年生の頃から地域の少年野球チームで監督をしてくれたり、
神楽を教えてくれたり、やんちゃをすれば叱ってくれたりしたおとな達。
彼らの中ではいつまでたってもうちの次男はミソっ子だ。
昨夜は長男のことも「元気なのか?」と尋ねられる。
ハートウォームなコミュニティー。
うちの子ども達はこういう中で育ってきた。
コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする