土曜日放送された
TBSドラマ「歸國」に続き、
同じ倉本聰さん脚本・演出の同名舞台を見てきた。
演じたのは演劇集団「富良野GROUP」。
30年前の20歳の頃、
なぜか突然「徴兵制復活」の議論が湧き出てきて、
かなり緊張しながら毎日を過ごしていた頃、
学徒動員により戦場へ駆り出されていった昔の若者たちに
自分を同化させて見たことがあるため、
若くして南方に散った英霊たちの物語であるこの作品は
絶対に見なきゃと思っていた。
様々な思いを抱き、いろんなものを断ち切って
命を散らした彼らに涙が止まらなかった。
一方で違和感も・・・。
英霊たちを祀るのに
どうして「神社」じゃなければならないのか。
日本古来の「神」は自然神。
「人」は神ではない。
空襲による戦没者とともに追悼する施設で
英霊たちの魂も慰めるべきだ。
まして靖国神社の成り立ちは
戊辰戦争で命を落とした「新政府」軍兵士を祀ったのが最初。
決して「命を賭して国を守った英霊」のすべてを祀ってはいない。
幕府軍の戦士たちだって自分たちなりに国を守ったはず。
そう考えると同神社はかなり恣意的な施設と言わなければならない。
(ドラマでも舞台でもセリフの中に
「A級戦犯を祀っているから公式参拝できない」とあったけど
それよりも「宗教施設」だからなんじゃないかと思う。
憲法上「政教分離」が謳われているからね。
もちろん一般人が参拝に行くことや、
閣僚でも私人としてそれぞれの考えで行くのは理解できるけど)
また、英霊たちが帰った後の物語は余計だったな。
あそこまで語らなくても観客はみんなわかると思う。
母親をないがしろにした甥の物語は
ちょっと饒舌に過ぎたキライを感じた。
また、特にドラマと舞台は台詞がほとんど同じながら
リアルな場面の多いドラマの方が作り物的になってしまっていた。
舞台の方がより心情が痛いほど感じられた気がする。
便利にCGやロケで作ったTVドラマよりも
手作りの舞台の方が直接心に響いてくるってのは
倉本さんがこの作品で言いたかった
「便利が必ずしもいいことではない」を
体現しているようでもあった。
芝居を見て、英霊たちにいいたいことはただ一言。
「あなたがたのことは忘れていません。
そして後代にも語り継いでいきます」
忘れてなんかいない。
「聞け、わたつみの声」は高校時代から何度も読んだ。
痛いほど、彼らの気持ちを感じながら。
TBSドラマ「歸國」に続き、
同じ倉本聰さん脚本・演出の同名舞台を見てきた。
演じたのは演劇集団「富良野GROUP」。
30年前の20歳の頃、
なぜか突然「徴兵制復活」の議論が湧き出てきて、
かなり緊張しながら毎日を過ごしていた頃、
学徒動員により戦場へ駆り出されていった昔の若者たちに
自分を同化させて見たことがあるため、
若くして南方に散った英霊たちの物語であるこの作品は
絶対に見なきゃと思っていた。
様々な思いを抱き、いろんなものを断ち切って
命を散らした彼らに涙が止まらなかった。
一方で違和感も・・・。
英霊たちを祀るのに
どうして「神社」じゃなければならないのか。
日本古来の「神」は自然神。
「人」は神ではない。
空襲による戦没者とともに追悼する施設で
英霊たちの魂も慰めるべきだ。
まして靖国神社の成り立ちは
戊辰戦争で命を落とした「新政府」軍兵士を祀ったのが最初。
決して「命を賭して国を守った英霊」のすべてを祀ってはいない。
幕府軍の戦士たちだって自分たちなりに国を守ったはず。
そう考えると同神社はかなり恣意的な施設と言わなければならない。
(ドラマでも舞台でもセリフの中に
「A級戦犯を祀っているから公式参拝できない」とあったけど
それよりも「宗教施設」だからなんじゃないかと思う。
憲法上「政教分離」が謳われているからね。
もちろん一般人が参拝に行くことや、
閣僚でも私人としてそれぞれの考えで行くのは理解できるけど)
また、英霊たちが帰った後の物語は余計だったな。
あそこまで語らなくても観客はみんなわかると思う。
母親をないがしろにした甥の物語は
ちょっと饒舌に過ぎたキライを感じた。
また、特にドラマと舞台は台詞がほとんど同じながら
リアルな場面の多いドラマの方が作り物的になってしまっていた。
舞台の方がより心情が痛いほど感じられた気がする。
便利にCGやロケで作ったTVドラマよりも
手作りの舞台の方が直接心に響いてくるってのは
倉本さんがこの作品で言いたかった
「便利が必ずしもいいことではない」を
体現しているようでもあった。
芝居を見て、英霊たちにいいたいことはただ一言。
「あなたがたのことは忘れていません。
そして後代にも語り継いでいきます」
忘れてなんかいない。
「聞け、わたつみの声」は高校時代から何度も読んだ。
痛いほど、彼らの気持ちを感じながら。