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風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

「歸國」

2010-08-16 | 映画・芝居・TV
土曜日放送された
TBSドラマ「歸國」に続き、
同じ倉本聰さん脚本・演出の同名舞台を見てきた。
演じたのは演劇集団「富良野GROUP」。

30年前の20歳の頃、
なぜか突然「徴兵制復活」の議論が湧き出てきて、
かなり緊張しながら毎日を過ごしていた頃、
学徒動員により戦場へ駆り出されていった昔の若者たちに
自分を同化させて見たことがあるため、
若くして南方に散った英霊たちの物語であるこの作品は
絶対に見なきゃと思っていた。

様々な思いを抱き、いろんなものを断ち切って
命を散らした彼らに涙が止まらなかった。
一方で違和感も・・・。

英霊たちを祀るのに
どうして「神社」じゃなければならないのか。
日本古来の「神」は自然神。
「人」は神ではない。
空襲による戦没者とともに追悼する施設で
英霊たちの魂も慰めるべきだ。
まして靖国神社の成り立ちは
戊辰戦争で命を落とした「新政府」軍兵士を祀ったのが最初。
決して「命を賭して国を守った英霊」のすべてを祀ってはいない。
幕府軍の戦士たちだって自分たちなりに国を守ったはず。
そう考えると同神社はかなり恣意的な施設と言わなければならない。
(ドラマでも舞台でもセリフの中に
 「A級戦犯を祀っているから公式参拝できない」とあったけど
 それよりも「宗教施設」だからなんじゃないかと思う。
 憲法上「政教分離」が謳われているからね。
 もちろん一般人が参拝に行くことや、
 閣僚でも私人としてそれぞれの考えで行くのは理解できるけど)

また、英霊たちが帰った後の物語は余計だったな。
あそこまで語らなくても観客はみんなわかると思う。
母親をないがしろにした甥の物語は
ちょっと饒舌に過ぎたキライを感じた。
また、特にドラマと舞台は台詞がほとんど同じながら
リアルな場面の多いドラマの方が作り物的になってしまっていた。
舞台の方がより心情が痛いほど感じられた気がする。
便利にCGやロケで作ったTVドラマよりも
手作りの舞台の方が直接心に響いてくるってのは
倉本さんがこの作品で言いたかった
「便利が必ずしもいいことではない」を
体現しているようでもあった。

芝居を見て、英霊たちにいいたいことはただ一言。
「あなたがたのことは忘れていません。
 そして後代にも語り継いでいきます」
忘れてなんかいない。
「聞け、わたつみの声」は高校時代から何度も読んだ。
痛いほど、彼らの気持ちを感じながら。
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映画「Flowers」

2010-06-13 | 映画・芝居・TV
昭和11年に佗助へ嫁いだ凜から始まる物語
・・・というわけではない。
凜の母親、そのまた母親、そしてその母親・・・
時間はゆっくりと、しかし留まらずに流れ、
時代時代にその時の家族の物語がある。

次の世代に渡す命のバトン。
人は家族を作り、そしてバトンを受け渡していく。
いろんな思いを抱きながら。
その悠久の時の流れを前に
涙が止まらなかった。
人に、家族に優しくなれる、秀作。
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55steps

2010-05-05 | 映画・芝居・TV
GWの締めくくりはコレ。
17:30から盛岡市民文化ホールにて。
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今度は愛妻家

2010-03-20 | 映画・芝居・TV
切ない映画。
ようやく観ることができた。
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映画「サヨナライツカ」

2010-02-06 | 映画・芝居・TV
今日観て来た。
・・・けど


うーむ、ちょいと微妙。
本読んで、何かしら感じるところがあった人は
無理してまで観る必要はないかなぁ。
沓子のキャラクターもちょっと違う感じだし
(でも原作者がイチオシだったんだから
 読み手として間違ってるのかも知れないけど)
原作にはない場面があって
それにより重要な登場人物のひとりが
全く違うキャラクターになっちゃってて
主人公の立場や性格を微妙に変えてしまっている。
ま、原作とは違う作品として観ればいいのかも知れないが。

惜しむらくは前半部分。
もっと墜ちて行く2人を粘っこく描いて欲しかった。
それが後半に効いて来るのだから。


ところでこの映画館、
いかにも「昭和の映画館」という感じがgood。
今はシネコンなどの小綺麗な映画館が増えたからね。
何だか嬉しくなった。
いわて銀河鉄道の定期券を持ってると
同行者も1人まで千円というのも嬉しい。
また行く予定。
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